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キルアとプール前のショッピングデート🛍️❤️
キルアが迎えに来るまで、あと10分。
×××は鏡の前から離れられずにいた。
「……大丈夫、だよね?」
肩が少しだけ出るトップス。
最近買って、ずっと今日のために取っておいたもの。
それに、
目標を決めて頑張って、
「達成したら着る」って自分で決めてたショートパンツ。
鏡の中の自分を、もう一度確認する。
前。
横。
後ろ。
「……うん」
自分で選んだ服。
自分で頑張った結果。
なのに、
キルアにどう思われるかを考えると、
胸がそわそわする。
(変じゃないかな……)
スマホの画面を見る。
まだ通知はない。
「……あと8分」
前髪を少し整えて、
トップスの位置を直して、
また鏡。
無意識に、
キルアの反応を想像してしまう。
(気づくかな……)
(いや、気づかれたらそれはそれで恥ずかしいかも……)
玄関の方をちらっと見る。
「……落ち着こ」
深呼吸して、
もう一度だけ鏡を見る。
そこに映るのは、
少し緊張してるけど、
どこか楽しそうな自分。
――ピンポーン。
心臓が跳ねた。
「……きた」
玄関に向かいながら、
×××は最後に小さく呟く。
「……今日、楽しもう」
ドアを開けると、
そこにはいつも通りのキルア。
「よ」
軽い声。
でも――
視線が、一瞬だけ止まったのを、
×××は見逃さなかった。
「……準備、早かったな」
平静を装ってるけど、
ほんのり赤い耳。
(……気づいてる)
そのことに、
×××の胸が少しだけあったかくなる。
ショッピングデートは、
今、始まったばかり。
並んで歩き出してから、
×××はずっと気づいていた。
(……見られてる)
横を見ると、キルアは前を向いている。
でも数秒後――
ちら。
また視線。
(……やっぱり)
少し歩いて、
また。
ちら。
(落ち着かない……)
×××は小さく息を吐いて、
思い切って聞いた。
「……ねえ」
「ん?」
「さっきから、なに?」
キルアは一瞬だけ言葉に詰まって、
すぐにそっぽを向く。
「……別に」
「絶対別にじゃないでしょ」
「気のせいだって」
そう言うけど、
耳がほんのり赤い。
(あ、これ……)
×××は、少しだけ意地悪く笑う。
「じゃあ、見ないでよ」
「……見てねーし」
即答だけど、
声が微妙に裏返る。
沈黙。
でも、また。
ちら。
今度は×××の肩あたり。
「……キルア」
「……なんだよ」
「顔、赤いよ」
ぴたっと足が止まる。
「……っ」
キルアは観念したみたいに、
小さく舌打ちしてから言った。
「……その服」
「うん?」
「……似合ってるから」
それだけ。
それ以上は言わない。
でも、
照れを隠しきれてない表情が全部語ってる。
「……そっか」
×××の方も、
急に顔が熱くなる。
「ありがと」
そう言うと、
キルアはさらに視線を逸らした。
「……調子狂うんだよ」
「なにが?」
「……可愛いと」
ぼそっと。
聞こえたか聞こえてないか、
そのくらいの声。
でも、×××にはちゃんと届いていた。
二人とも、
それ以上何も言えなくなって、
ただ並んで歩く。
さっきより、
距離が少しだけ近い。
ショッピングモールの人混みの中で、
二人の顔は、
同じくらい赤かった。
お店の前まで来たときだった。
人の流れが少し多くなって、
×××が何気なく周りを見る。
その瞬間――
キルアが、さりげなく手首を掴んだ。
「え?」
「こっち」
有無を言わせない感じで、
人の少ない通路の方へ連れていかれる。
「どうしたの?」
聞いても、
キルアは少し不機嫌そうに前を見るだけ。
そして立ち止まると、
自分の上着を脱いで、×××の肩にふわっとかけた。
「……着とけ」
「え、でも」
「いいから」
肩が隠れて、
さっきまでよりも視界が少し狭くなる。
「……急にどうしたの?」
キルアは一瞬、言葉に詰まる。
「……人多いし」
「それだけ?」
「……それだけ」
そう言い切るけど、
視線は×××から外れたまま。
耳は、やっぱり赤い。
(……あ)
×××は、やっと察する。
「……もしかして」
「なに」
「見られるの、嫌だった?」
ぴくっと、肩が動く。
「……別に」
即答。
でも次の言葉が続かない。
少しの沈黙のあと、
キルアはぼそっと言った。
「……オレの隣にいるんだから」
それだけ。
それ以上は言わない。
×××の胸が、
じんわりあったかくなる。
「……ありがとう」
上着の袖をぎゅっと掴む。
「大事にする」
そう言うと、
キルアはますます視線を逸らした。
「……変なこと言うな」
でも、
歩き出すとき。
さっきよりも、
ほんの少しだけ距離が近い。
人混みから守るみたいに、
キルアは自然に×××の外側に立つ。
独占欲。
優しさ。
照れ。
全部混ざった、
キルアの甘々モードだった。
今日は、プール用の水着を買いに来ていた。
来週の予定を思い出すだけで、
×××の気分は少し浮いている。
「……ねえ、キルア」
「ん?」
水着コーナーの前で、
×××はちょっとだけ躊躇ってから言った。
「ダイエット頑張ったしさ」
キルアがちらっとこっちを見る。
「ビキニ、着てみたいなーって思って」
一瞬。
キルアの思考が、完全に止まった。
「……は?」
「え、なにその反応」
「いや……」
キルアは視線を逸らして、
わずかに耳が赤くなる。
「……急に言うな」
「だって、目標達成したご褒美だよ?」
軽い調子で言ったつもりだったのに、
キルアは妙に真剣な顔になる。
「……オレの前で?」
「うん」
「……」
沈黙。
キルアは腕を組んで、
しばらく考えたあと、ぼそっと言う。
「……似合うのは、分かってるけど」
「けど?」
「……見せる相手、考えろ」
完全に独占欲。
「なにそれ」
×××が笑うと、
キルアは少しむっとする。
「プールだろ。人も多いし」
「キルアも一緒じゃん」
その一言で、
キルアの顔が一気に熱くなる。
「……だからだよ」
小さな声。
(……かわいい)
×××は心の中でそう思いながら、
水着のラックを指差す。
「じゃあ、一緒に選んで?」
「……オレが?」
「うん。キルアの意見聞きたい」
少し悩んだあと、
キルアは観念したように頷く。
「……露出、控えめなのな」
「独占欲強すぎ」
「悪いかよ」
そう言いながらも、
真剣に水着を見ているキルア。
来週のプールを想像して、
二人とも、少しだけ顔が赤くなっていた。
水着コーナーの前。
「ねえ、これは?」
×××が一着持ち上げる。
キルアは一瞬見て、すぐ目を逸らす。
「……やめとけ」
「じゃあ、これは?」
「……それも」
「えー、じゃあこれは?」
どれを見ても、
少し大人っぽくて、ちょっとセクシー。
キルアは腕を組んで、だんだん眉を寄せていく。
(……全部、他のやつに見せたくねー)
気づけば、
全然決まらない。
「……なあ」
キルアが小さくため息をついて言う。
「オレが選ぶ」
「え?」
「その方が早い」
そう言って、
真剣な顔でラックを見渡す。
しばらくして、
一着を手に取った。
「……これ」
それは、
お腹が少しだけ見えるデザインで、
上には大きめの黒いリボン。
下はヒラヒラしたスカートタイプで、
露出は控えめ。
でも、
全体のバランスがよくて、
体のラインがすっきり見える、
よく考えられた水着だった。
「……可愛い」
×××が目を輝かせる。
「試着してきて」
「うん!」
少しして、
試着室のカーテンが開く。
「……どう?」
その姿を見た瞬間、
キルアは言葉を失った。
「……」
「キルア?」
「……似合いすぎ」
即答。
「ほんとに。可愛いし、
なんか……ちゃんとしてる」
必死に言葉を選んでるのが、
丸わかり。
「それ、オレの隣歩く用な」
「なにそれ」
×××は笑う。
「でも嬉しい」
そう言って、
くるっと一回転。
「……それに決定でいい?」
「絶対それ」
珍しく、強めの即答。
そのあと、
×××は少し迷ってから、
さっきのセクシーめな水着も手に取った。
「……これも、買おうかな」
キルアがぴくっと反応する。
「……は?」
でも、
×××はにっこり笑って言った。
「キルアと二人の時だけ、ね」
一瞬、
キルアの思考が止まる。
「……それ、反則だろ」
顔は赤いけど、
否定はしない。
「……他のやつには見せんなよ」
「うん。約束」
そう言って、
指を立てる。
キルアは小さく頷いて、
ぼそっと。
「……来週、楽しみだな」
その声は、
×××にだけ聞こえるくらい小さかった。
買い物を終えて、×××の家。
「ちょっと待ってて」
そう言われて、
キルアはリビングで落ち着かないまま待つ。
(……ちょっとって言い方が一番落ち着かねーんだけど)
約5分後。
ドアの向こうで、
小さく足音。
「……いいよ」
×××が出てきた瞬間、
キルアは完全に固まった。
昼に見た、
“二人の時だけ”って言ってた、
あの水着。
露出はあるけど、
いやらしいというより、
ちゃんと可愛くて、
自信に満ちた感じ。
「……ど、どう?」
×××は少し照れながら、
でもどこか嬉しそう。
キルアは視線をさまよわせて、
一回、深呼吸。
「……反則」
「え?」
「……似合いすぎ。
可愛いし、ちゃんと×××って感じ」
顔は真っ赤。
でも言葉は止まらない。
「昼のより大人っぽいけど、
無理してる感じしない」
×××はぱっと笑って、
少し胸を張る。
「最近、頑張ったからさ。
なんか、自分でも変わった気がして」
その表情が、
嬉しそうで、誇らしげで。
それを見た瞬間、
キルアの胸がぎゅっとなる。
「……なあ」
一歩、距離を詰めて。
「そういうの、
他の男に言うの禁止な」
「え、なにそれ」
「オレの前だけでいい」
声は低くて、
でも怒ってるわけじゃない。
理性、ギリギリ。
「……オレだけが知ってりゃいい」
×××は一瞬きょとんとして、
すぐにくすっと笑う。
「独占欲、強すぎ」
「悪い?」
「……嫌じゃない」
その一言で、
キルアは完全に負けた。
「……来週」
小さく呟く。
「プール、
絶対楽しもうな」
視線を逸らしながら、
でも手は、そっと×××の指を掴んでいた。
×××がそろそろ限界、という顔で
そっと視線を逸らす。
「……ね、キルア。
もう着替えて――」
ピンポーン。
突然鳴ったインターホンに、
二人ともびくっとする。
キルアが一瞬考えてから、
「オレ出る」と小声で言って立ち上がる。
ドアを開けると、
そこにいたのは――
「よっ、キルア」
「……ゴン!?」
完全に想定外。
一瞬、頭が真っ白になるキルア。
その後ろから、
×××の声。
「ごめんね、
漫画貸す約束してたの忘れてた」
ひょこっと顔を出して、
可愛くテヘペロ。
キルアは小さくため息。
「……もー。
先に言えって」
でも声は優しい。
「オレが渡すから、
×××は奥行ってて」
ゴンに漫画を渡すキルアを見て、
ゴンは一瞬だけ首を傾げる。
(……あれ?
なんでキルアが代わりに?)
でも、
何かを察したようにニヤッとするだけで。
「ありがと。
じゃあまたなー」
何も聞かずに、
あえて軽く手を振って帰っていった。
ドアが閉まった瞬間。
キルアは無言で戻ってきて、
そのまま――
ぎゅっ。
×××を強く、でも優しく抱きしめて、
顔を埋める。
「……びっくりした」
小さく、くぐもった声。
「……ちょっと、心臓に悪い」
×××は一瞬驚いて、
でもすぐにキルアの背中に手を回す。
「ごめんね」
「……ん」
胸元に顔をうずめたまま、
しばらく動かないキルア。
「……やっぱ、
今は誰にも見せたくない」
ぽつりと本音。
「オレの時間だから」
×××はくすっと笑って、
優しくキルアの頭を撫でる。
「甘えんぼ」
「……今だけ」
そう言って、
さらにぎゅっと力を込めるキルア。
部屋の中は、
インターホンの余韻なんて消えるくらい、
静かで、あったかい空気に包まれていた。
ドアが閉まって、
外の気配が完全になくなったあとも。
キルアは離れない。
むしろ――
さっきより距離が近い。
「……×××」
名前を呼ぶ声が、
やたら柔らかい。
抱きついたまま、
すり……っと額を押しつけてくる。
完全に猫。
「……今日はさ」
ちょっと不満そうに。
「オレ、ずっと我慢してたんだけど」
「なにを?」
「……全部」
そのまま、
×××の肩に顎をのせて、
体重を預けてくる。
「甘えていい?」
もう答えを待ってない。
「……ぎゅーってして」
腕に力がこもって、
離す気ゼロ。
×××が笑って頭を撫でると、
キルアは目を細めて、
「……それ」
「それ好き」
ごろごろ喉を鳴らしそうな勢い。
「×××の匂い、落ち着く」
顔をうずめて、
動かなくなる。
「……猫みたい」
「今は猫」
きっぱり。
「キルアじゃなくて、
×××専用の」
ちょっとだけ顔を上げて、
上目づかい。
「……逃げないよな?」
×××が「逃げないよ」って言うと、
一気に安心したみたいに、
「……よかった」
またくっつく。
「今日はこのままでいい?」
「なにもしなくていい」
「ただ一緒にいたい」
完全にデレデレ。
警戒心ゼロ。
信頼100%。
×××が腕を回すと、
キルアは満足そうに小さく笑って、
「……幸せ」
ぽつんと、
本音を落とす。
そのまま、
甘々猫は動かなくなった。
「もう夕方だし、
ちょっと着替えてくるね」
そう言った瞬間。
キルアの動きが、
ぴたっと止まる。
「……え」
分かりやすく、
しょぼん。
耳があったら確実に垂れてる。
「……もう?」
「うん、このままだと冷えるし」
キルアは一瞬だけ考えて、
小さく「……そっか」と言うけど。
手、離さない。
むしろ――
きゅっと掴み直す。
「……じゃあ」
×××が立ち上がろうとすると、
そのまま一緒に立ち上がるキルア。
「え、キルア?」
「……ついてく」
「着替えだよ?」
「分かってる」
真顔。
「でも離れない」
完全に甘え猫。
結局、
×××が着替えようとする間も、
キルアは背中にぴったり。
顔は見ない。
ちゃんと見ないけど。
「……今、見てないからな」
「うん」
「……でも、くっつく」
腕を回して、
ぎゅっと。
「×××がどっか行く気しなくて、
安心するから」
声が、
ちょっと眠そう。
着替えが終わっても、
そのまま離れず、
「……よし」
なぜか満足そう。
「戻ってきた」
「最初から離れてないよ」
「気分的に」
×××が笑って頭を撫でると、
キルアはまたしょぼん顔から一転、
「……夕方ってさ」
「一日終わる感じして、
ちょっと寂しい」
ぽつり。
でもすぐに、
×××の肩に額を預けて、
「……でも一緒だから、いい」
完全にデレ落ち。
今日のキルアは、
夕方でも夜でも、
×××のそばから一歩も離れる気はなさそうだった。
着替え終わった×××が振り返ると、
キルアはまだすぐ後ろ。
距離、ゼロ。
「……キルア?」
呼ぶと、
ちょっとだけ視線を逸らして、
「……なあ」
珍しく、
言いづらそうに口を開く。
「今日さ」
一拍置いてから、
ぽつり。
「……帰らない」
「え?」
×××が驚くと、
キルアは慌てて付け足す。
「ちがっ、
嫌なら無理しない」
「でも……」
ぎゅっと袖を掴む。
「今日は、
ここにいたい」
声が低くて、
本気なのが伝わる。
「×××と一緒にいたら、
落ち着くし」
「……なんかさ」
小さく笑って、
「帰る理由、見つかんなくなった」
×××が少し考えてから
「いいよ」って言うと、
キルアは一瞬、固まって。
次の瞬間――
「……ほんと?」
確認するみたいに、
もう一回。
×××が頷いた瞬間、
安心したように息を吐いて、
「……よかった」
そのまま、
ぎゅーっと抱きついてくる。
「じゃあ今日は」
「一緒に夕飯食べて」
「一緒にだらだらして」
「……一緒に寝る」
最後は、
照れて小さな声。
「……いい?」
×××が「いいよ」って言うと、
キルアは嬉しそうに目を細める。
「……やった」
完全に帰る気ゼロ。
「オレ、
今日はここで充電するから」
「×××成分」
そう言って、
またぴったりくっつく。
夕方のオレンジ色の光の中、
キルアは珍しく素直で、
甘えんぼで。
その日、
ドアが閉まる音は、
一度も鳴らなかった。
しばらくソファでくっついたまま過ごしていると、
×××が時計を見て言う。
「……お風呂、どうする?」
その一言で。
キルア、固まる。
「……え」
一気に顔が熱くなるのが分かるくらい、
耳まで赤い。
「……どうするって……」
視線、迷子。
「……ふ、普通に……?」
×××がくすっと笑う。
「一緒に入る?」
「っ……!」
完全に不意打ち。
「い、いや……
その……」
口では動揺してるのに、
離れる気配はゼロ。
むしろ、
さりげなく袖を掴む。
「……一緒、でも……」
声、めちゃくちゃ小さい。
「……いいなら」
お風呂場。
湯気がふわっと立ちのぼって、
いつもより空間が近く感じる。
キルアはタオルを手放せず、
終始そわそわ。
「……見るなよ」
「見ないよ」
「……ほんとだからな」
でも、
×××が隣にいるだけで落ち着くみたいで、
少しずつ肩の力が抜けていく。
湯船に入ると、
自然と距離が近くなって。
「……あったかい」
ぽつり。
「……×××も」
目は合わせないけど、
声は柔らかい。
しばらく静かに浸かっていると、
キルアがそっと言う。
「……一緒に入るの、
ちょっと恥ずかしいけどさ」
一瞬、間を置いて。
「……嬉しい」
湯気の向こうで、
×××が微笑むと、
キルアはますます照れて、
でも逃げない。
「……今日は」
「全部一緒だな」
その言葉が、
お湯よりあったかくて。
キルアはそっと、
肩を寄せる。
静かで、
穏やかで、
心まで温まる時間。
甘え猫は、
お風呂でもちゃんとデレていた。
お風呂から上がって、
それぞれパジャマに着替える。
キルアはまだ少し照れが残ってて、
視線を合わせるたびにふっと逸らす。
「……なに、その顔」
「別に」
でも、
ベッドに並んで座った瞬間、
自然と距離が縮まる。
大きなベッドの真ん中で、
肩が触れて、
指先が当たって。
キルアがそっと、
手を探すみたいに伸ばしてくる。
「……今日はさ」
小さな声。
「全部、一緒だったな」
×××が手を握り返すと、
キルアは安心したみたいに息を吐く。
「……こういう日、好き」
照れ隠しもなく、
素直な本音。
電気を消すと、
部屋は静かで、
さっきまでの出来事が
ゆっくり胸に戻ってくる。
キルアは横になって、
自然に×××の方を向く。
「……おやすみ」
その前に、
少しだけ近づいて。
「……また一緒にいよ」
約束みたいに呟いて、
目を閉じる。
×××も同じように目を閉じると、
キルアの呼吸が
すぐそばで穏やかになるのが分かる。
触れている手も、
そのまま。
安心と幸せが、
ゆっくり体を包んで。
二人は、
何も考えなくていい夜の中で、
同じリズムで眠りに落ちていった。
――今日は、
それだけで十分だった。
to be continued….