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×××がキルアとバスケ🏀をしてる途中で
アレルギーで倒れた⁉︎
パート1
(パート2からアレルギー関係ないわw)
体育館の外のコートで、×××と並んでバスケをしていた。
パスを回して、笑って、何気ないいつもの時間。
……なのに。
「×××?」
シュートを外したあと、彼女がふらっとよろけた。
次の瞬間、力が抜けたみたいにその場に崩れ落ちる。
「おい、どうした……!」
駆け寄った瞬間、キルアは異変に気づいた。
肌に広がる蕁麻疹、荒い呼吸、青白くなっていく顔色。
——知ってる。
×××には、重いアレルギーがある。
「……っ、くそ……!」
一瞬だけ息を飲んだあと、キルアはすぐに動いた。
震えそうになる手を無理やり抑えて、迷いなくエピペンを取り出す。
「大丈夫だ、×××。すぐ楽になる」
声は落ち着いているのに、顔色は彼女と同じくらい青い。
それでも、ためらいなく処置をして、すぐ救急車を呼んだ。
電話を切ったあと、キルアは×××のそばに膝をつく。
そっと、でも離さないように、強く手を握る。
「……俺がいる。絶対、離れねぇから」
指先は少し冷たいのに、握る力だけはやけに強くて。
不安を押し殺すみたいに、何度も親指で手の甲をなぞる。
「ごめん……とか言うなよ。今はそれどころじゃねぇ」
焦っているのは明らかなのに、声は不思議と優しい。
×××が少しでも安心できるように、必死で冷静を装っている。
サイレンの音が近づいてきたとき、キルアはほっと息をついた。
それでも、救急隊員が来るまで、手は一瞬も離さなかった。
「ちゃんと戻ってこいよ……
帰ったら、また一緒にバスケしよーぜ」
その言葉は、彼女に向けた約束であり、
同時に、自分自身に言い聞かせるみたいだった。
——×××が大切すぎて、
失う可能性を考えるだけで、胸が締めつけられるから。
サイレンの音が止まり、救急隊員が駆け寄ってくる。
「患者は10代女性。重度アレルギー持ちです」
キルアは一瞬も迷わず、落ち着いた声で説明を始めた。
いつ、何をしていて、どう倒れたか。
全身に出た症状、呼吸の状態、そして――
「アナフィラキシーの可能性が高かったんで、すぐエピペンを使用しました。時間は〇時△分です」
その冷静さに、救急隊員が一瞬目を見張る。
適切で、早くて、無駄がない判断。
ストレッチャーに乗せられる間も、キルアは手を離さなかった。
「俺も行きます」と短く言って、当然のように救急車に乗り込む。
⸻
病院に着いてからは、処置がすぐに行われた。
点滴が繋がれ、容体は安定。
けれど、×××は目を覚まさない。
キルアはベッドの横の椅子に座り、
1時間半――ずっと、×××の手を握り続けていた。
途中で看護師に「少し休みますか」と声をかけられても、
「大丈夫です」と小さく首を振る。
指先に伝わる体温が、
ちゃんと生きている証拠なのに、
それでも胸の奥が落ち着かない。
「……早く起きろよ」
ほとんど聞こえない声で、何度もそう呟いた。
⸻
「……キル、ア……?」
かすれた声に、キルアはびくっと顔を上げる。
ゆっくりと開く瞼。
ぼんやりした目で、こちらを見る×××。
「……っ」
一気に力が抜けた。
抱きしめたい衝動がこみ上げて、喉の奥が熱くなる。
でも、キルアはぐっとこらえて、
まずは彼女の顔を覗き込んだ。
「気分は? 苦しくねぇ? どっか痛いとこは?」
矢継ぎ早の質問。
必死に平静を装っているけど、声が少し震えている。
「だ、大丈夫……? ここ、病院……?」
元気そうな声を聞いた瞬間、
キルアの肩が、はっきりと落ちた。
「……よかった」
その一言だけで、どれだけ安心したかが伝わる。
⸻
何が起きたのかわからない×××に、
医師と看護師が状況を説明し、
そのあと、キルアも静かに話した。
倒れたこと。
アレルギー反応だったこと。
すぐ処置をしたから、早く回復したこと。
「……キルアが……?」
驚いたように目を見開く×××に、
キルアは少し照れたように視線を逸らす。
「当たり前だろ。知ってたし……放っとくわけねぇ」
その言い方があまりにも自然で、
×××の胸がじんわり温かくなる。
処置が早かったおかげで、
夜のうちに退院できることになった。
⸻
念のため、その日はキルアが×××の家に泊まることに。
部屋に入った途端、×××は深く頭を下げた。
「……本当に、ありがとう。助けてくれて」
キルアは一瞬固まって、
次の瞬間、耳まで赤くなる。
「……元気になって、よかった」
それだけ言って、
ぎゅっと、強く抱きしめた。
離したくなかったみたいに、
少し力が入っている。
×××も、素直なキルアが嬉しくて、
そっと腕を回して抱きしめ返す。
「キルアがいてくれて、心強かった」
その一言で、キルアは完全にノックアウトだった。
⸻
その夜、キルアはいつも以上にべったりだった。
同じ布団で、手を繋いだまま、離れない。
「……今日は俺がそばにいる」
寝る直前、そう呟いて、
×××を腕の中に引き寄せる。
守るみたいに、包み込むみたいに。
不安だった時間を埋めるように、
安心を確かめるように。
二人は、そのまま静かに眠りについた。
朝の光が、カーテンの隙間から静かに差し込む。
×××が目を覚ますと、すぐ隣にキルアがいた。
まだ眠そうな顔で、でもちゃんとこちらを腕の中に閉じ込めている。
離す気、まったくなし。
「……おはよ」
そう声をかけると、キルアの目がゆっくり開いた。
「……ん。起きたか」
安心したみたいに、ぎゅっと抱き寄せられる。
昨日よりも、少し力が優しい。
「調子どうだ? 苦しくねぇ?」
「大丈夫。もう元気」
そう答えると、キルアはほっとした顔をして、
額を軽く×××の額に寄せた。
「よかった……ほんとに」
しばらくそのまま、甘い沈黙。
ぬくもりが心地よくて、×××はふと、気になっていたことを口にする。
「ねぇ……キルアってさ。
なんであんなにアレルギーの処置、詳しかったの?」
その質問に、キルアは一瞬だけ目を逸らした。
「……あー……」
少し気まずそうに頭をかいてから、ぽつりと話し出す。
「担任の先生に聞いた。
×××のアレルギー、もしものときどうなるかとか、
どう処置するかとか……全部」
「それだけじゃ足りなくてさ。
自分でも調べた。忘れないように」
照れ隠しみたいに、ぶっきらぼうな口調。
でも、その内容があまりにもまっすぐで。
×××の胸が、きゅっと熱くなる。
「……そんなことまで……」
自分のことを、そこまで大事に考えてくれていた。
それが嬉しくて、気づいたら×××はキルアに抱きついていた。
「キルア……ありがとう」
突然の行動に、キルアは一瞬驚いた顔をしたけど、
すぐに力を緩めて、愛おしそうに抱き返す。
「……当たり前だろ」
その声は、昨日よりずっと柔らかい。
「こうしてまた話せてるのがさ……
正直、めちゃくちゃ嬉しい」
本音が滲む言葉に、×××は胸がいっぱいになる。
でも次の瞬間、キルアは少し真剣な顔になった。
「……しばらく運動禁止な」
「え……」
しゅん、とわかりやすく肩を落とす×××を見て、
キルアは思わず苦笑する。
「その顔すんなって」
そう言って、ぽん、と頭に手を置いた。
「ちゃんと元気になったらさ。
また一緒にバスケしよーぜ」
「……ほんと?」
「ああ。約束」
指を絡めるみたいに、ぎゅっと手を握る。
その約束だけで、
×××の気持ちはすっかり明るくなった。
「それまで大人しくする……たぶん」
「“たぶん”じゃねぇ」
そう言いながらも、キルアは優しく笑う。
守るって決めた人が、
こうして腕の中で笑っていることが、
何より大切で、何より幸せだった。