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ちょっと、書きたくなった衝動書きです。
連載の方はどうしたって?あぁ……はい……。
ちゃんとちまちま書いてます……。
宝石の国(生身の国)でとある一家の御茶会議パロ書きます。
自己解釈多々ありですが、まあうるさいです。
目を瞑りなさい。
*ラピフォの姿で転生してます。
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ぱっと深く深い奇妙で苦い夢を見た気がする。
なんだか凄く、見たくないあの夢。
気持ち悪くて吐きそうなあの夢。
いや、夢と言うか、昔僕がやったあの行動。
思い出したくすら無い、僕がやってしまったこと
頬に汗が伝う、昔では有り得ないことなのに。
宝石だった僕らは、どうやら、人間に生まれた変わったらしい。
この汗を伝う感覚は、気分がいいとは言えない。
寧ろ、気分が悪いまで言える。
頭の中でエンドレスループ再生される僕の過去
誰か助けて欲しい。誰か。
『フォス、そこでなにしてる。』
振り返るとそこには見慣れ白の髪。
「あぁ、アンタークちん……、ちょっと悪い夢見ちゃって……。」
『そうか…フォス、ちょっとこっち来い。』
「え?なん……あ…。」
白髪の子の手にはケーキを買ったであろう袋。僕は少し口角が上がって、起き上がり着いていく。
着いたのは小さなリビング。すぐそこにはキッチンに立っている白髪の子。
『ほら、コレ飲んで食べろ。悪夢を見たんだろ。少しでも気分が晴れればいいんだが、 』
「へぇ?嬉しいなぁ、もしかして僕の為だったり?」
『なっ、最近興味持ったからであってな…… 』
「っはは、冗談。でもありがと、優しいね。」
アプリコットティーとチョコレートケーキを座っていた席の前に置かれ、二人で話す。
話が終わり少しの沈黙が流れ、僕は白髪の子をちらりと見ると白髪の子は心配そうに僕を見つめていた。
「…大丈夫だよ、アンタークちん」
『どうした、急に。』
「確かに僕はまだキミを月に連れて行ってしまったことを、後悔してる。でも、それでも僕は、前に、進んでみる。このまま過去に囚われてるだけじゃいけないって、そう思ったんだ。 」
『……そうか。』
少し微笑んだ後、
置かれた紅茶に角砂糖を三つ入れてくるくると回す。僕らを置いて安心している世界は、今日も、止まってくれることなく廻ってる。
チョコケーキをフォークで刺して一口食べる。
ウン……ちょっと、甘すぎるけど、紅茶を飲めばそれほどでも無い
『…甘過ぎたりしないか?フォスの好みのケーキ、聞き忘れていたんだ。』
「ううん。ちゃんと美味しいよ。僕ケーキ大好きだし。」
銀色に輝くスプーンでお皿をカンカンと少しだけ叩く。その時、海の中に入って腕を無くした日、合金を付けた日を思い出した。
これがトリップって奴かな、思い返すとすごく不安になる。
「……僕はさ、キミを助けれずに月に行くところを見届けるしか無かった、ねぇ、僕のこと嫌いになった、?」
震える声で僕は話す。白髪の子は少し驚いた顔をしていたがすぐに優しい顔になって
『いいや、嫌いじゃないさ、集団行動は苦手だか、数少ない14日間のパートナーだったんだ。そう簡単に嫌いにはならん。』
少し冷めるアプリコットティーをよそ目に。
そういって頭を優しく撫でてくれた白髪の子に僕は嬉しく思った。
そうして僕はちゃんとアンタークを認識した。
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「うぅ……疲れた。」
少し歩くだけで疲れるこの体は不便だ。
元来宝石である僕にとって苦痛で仕方なかった。
その時、ふと目に入る少し年季の入ったロッキングチェア。陽が当たって、少しだけ輝いて見える。
僕はそれに近付いて腰を下ろす。僕より一回りデカイこれは、中々に腑に落ちない。地にすら着かない足を見て、なんだか落ち着かない。
ぼーっとしているとまたあの頃の記憶が蘇ってくる。それも、きれいに、せんめいに。
罪悪感で苛まれていると、ガチャリ、ドアが開く音がした。
反射的に僕は音がするほうを向く。するとそこには白髪の子が僕を見つめていた。
『はぁ〜……お前居んのかよ…。』
「なんだよそんな不満かよ!」
『別に……不満しかねぇよ』
「どっちだよ!って…… そのケーキの箱。またラピスにパシられた?」
『ちげぇよ。あぁ、丁度いい。お前これ食えよ』
そういって投げ渡される。慌ててキャッチしたそれは一つのキャンディ。
「え?なにこれ?」
『なんかおまけで貰った。俺食わねぇしやるよ。』
「ふーん?じゃあ遠慮なく。」
そう言って袋を開けて飴を口に放り投げる。数回口の中で転がした後。バキッ!と大層な音と共に噛み砕く。味からしてレモンキャンディかな、案外美味しかった。ただその音を聞いて白髪の子は驚いた顔をして僕を見た。
『おま……うそだろ……??』
「ん?なにが?」
『……なんでもねぇ…。』
多分、僕が飴を噛んだ事に相当驚いたのだろうと思う。数分の沈黙が流れたあと、白髪の子が立ち上がり何かをし始める。
何か作ったのか、それが終わると僕の方にそれを持ってきた。
『お前飴噛むとかやばすぎだろ。これ飲め。』
そうして差し出してきたカップにあったのはカフェオレ。僕はそのカップを手に取る。
白髪の子の手には2つカップがあった。ああ、そっちも飲むんだと思いながらテーブルに移動する
きちんと座ってから一口飲む。
「あつっ……え、あつ……。」
カフェオレは少し苦くて熱かった。
『ホットだから当たり前だろバカ。舌気を付けろよ。』
「んふふ……カンゴーヌンって案外世話焼きだよね」
『ふざけるな。お前が危なかっしいんだよ。昔も今も。 』
「…うん、そうだね。でももう大丈夫だよ。もう皆も、カンゴームも、裏切ったり陥れたりだなんてしない。」
そう言いながら僕はカフェオレに角砂糖を四つ入れてまたくるくる掻き混ぜる。
このティースプーンみたいに、僕らを置いて勝手に安心している世界は今日も廻ってる。
『……別に、俺はお前のこと何も思っていない。ただ、俺は…』
「…大好きだよ。カンゴーヌンの事、アンタークちんになろうとしてたカンゴーヌンじゃない、普通のカンゴーヌンのこと。」
驚く白髪の子を横目にカップを持ち上げてまた一口飲む、その時カチンと歯とカップが当たる音がした。
その音で思い出した。僕の左目が、アイツに剥がされ、新しく埋め込まれまたあの目のこと。左目はそれをそのまま持ってきたかのように遺伝された白色、もう、自分の瞳の色じゃない。
凄く怖くなって、また白髪の子が離れていくんじゃないかって、不安になった。
「…僕はカンゴーヌンに、嫌なことをさせてた。謝ってもきっと、許されない。冬の担当を、アンタークちんがしてたからって、カンゴーヌンがアンタークちんに似てたからってだけで、押し付けた。ねぇ、僕のこと、嫌いになった?」
カップを置いて、震える声で僕は白髪の子に聞いてみる。
『……っふ、今更だわボケ。』
鼻で笑った後に僕を励ますような言葉を言った白髪の子を見て、僕は安心した。
そうして僕はちゃんとカンゴームを認識した。
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「うう……さっぶ…………。」
もう冬も近い頃、僕らは冬眠が必要になくなった。だから静かに、ただ過ごして春が来るのを待つ。
暖房が効くリビング。椅子に座って雪のように溶けるみたいに机に伏す。
そうしてふと思い出す。一人の、博識で天才なあの子の事、今もその頭の良さを引き継いでるあの子、僕は……あの子の頭を借りてしまったせいであの子の顔とそっくりなまま生まれて来たのに、頭はあの子より劣っている。
はぁ、と溜息を着いてしまう。その時ふと声がした。あの子の声が。
『おや、フォスがここにいるなんて珍しい。』
「あぁ、ラピス、一番暖かいとこがここでね。」
そこには綺麗でさらさらな青髪をしている子がケーキの箱を持っていた。
『確かにここは一番暖かい、そうだ。少し僕に付き合ってくれ。』
「え……あぁ…またケーキでも買いすぎた?」
『全員分買ったんだが、考え事をしていてね、つい一つ分多く買ってしまったんだ。』
「ふーん、ラピス偶に抜けてるからね、いいでしょう、食べてあげる。」
『それは助かる。すぐに準備するよ。』
青髪の子はそういうとすたすたとキッチンの方に向かって準備し始めた。なんのケーキだろう、この前チョコケーキ食べたしちょっとあっさりしたのがいいなぁ、なんて思いながら青髪の子がこっちに戻ってくるのを待った。
『お待たせ、コーヒーとチーズケーキでよかったかな。とは言ってもチーズケーキはアンタークとフォスと僕しか食べないからね。』
「大丈夫、僕なんでも食べるから…コーヒーはブラック?」
『……まぁフォスなら飲めれるだろう?』
「うーん…砂糖は入れるけどね。」
あはは、と苦笑いをしながら置かれたケーキとコーヒーをチラッと見る、チーズケーキにはブルーベリージャムがかかっていた。見るからに美味しそう。
座った青髪の子は僕を微笑みながら見詰めていた。その笑顔は少し心配してそうなそんな笑顔だった。
「……もしかして僕がまだ罪を後悔してるかもしれないって、心配してる?」
『…まあ一理あるね。フォスは僕の頭を付けてから何かと後悔しがちで皆を恨んでいたりしていたと聞いたからね。』
「そっか、…でももう、大丈夫だよラピス。僕は皆が大好きだ。勿論……先生も、絶対に、恨んだり呪ったりなんかしないよ。」
『そうかい、それならよかった。』
優しい表情になった青髪の子を見た後、角砂糖を五つコーヒーの入ってるカップに入れてくるくる掻き回す。不安になる僕を置いて安心した世界は今日も勝手に廻ってる。
チーズケーキを一口食べる。このチーズケーキが美味しくてつい金のフォークを翳す。その時何か無重力的なのを感じた。
それで思い出した。僕らを砕いて綺麗にした月の事を、凄く怖くて、凄く不安になったあの時の感情を、思い出した。
「……僕はラピスの頭を借りても、皆を救える事が出来なかった、……寧ろ、皆を苦しませてしまった。きっとコレはラピスが望んでいないものだったよね。僕の事、嫌いになっちゃった?」
思い出す記憶から目を逸らすために僕は不安になった声で青髪の子に伝えた。
『ふむ、答え難い質問だ。でもそうだね、僕はフォスのことを嫌っていない。それに、苦しませてしまった、なんてフォスが考えているだけで実は案外そんな事無かったりね。まぁ、なんやかんやあっても、僕はフォスが好きだと言う事に変わりは無いね。あぁもちろん好奇心で好きなのも一理あるんだけど。』
そう言った青髪の子は何処か凄く安心しきった顔で溜息を付いていた。多分それは、僕のする質問が愚直だからだろう。
でも僕は、その答えが嬉しくて、幸福感に浸った。
そうして僕はちゃんとラピスを認識した。
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次の日起きて下へ降りていくと珍しく皆が集まっていた。
「んん……あれ、珍しいね、皆が集まってるなんて……。」
『あらフォス、ふふ、実はね皆で旅行でも行こうと思っているの、勿論フォスも含めてね。』
『何処に行こうか決めていたのよ、フォスは何処がいいかしら?』
『コイツも一緒に連れていくなんて…めんどくさい』
ユーク、ダイヤ、ボルツが度々に口に出す。
「へ〜…僕は、皆が行きたいとこでいいや…。」
『お?フォスはどこでもいいんだな。じゃあ俺ここがいい。』
『そ、そこちょっと、俺に厳しい…かな……。』
『お?どうしてだよ。』
『足に自信はあるけど、ちょっと山の頂上はこの体じゃキツイ……な……。』
『なんだよ、山は寝心地良さそうだからいいじゃないか。お兄様体訛ってんのか〜??笑』
『なっ……の、望むところだよ!』
イエローとパパラチアの会話を聴きながら僕はアプリコットティーを準備していた。
『やっぱ旅行に行くならそれに見合った服とパジャマも必要よね!あ〜〜デザインが捗る!!』
『これはまた…レッドに付き合わされる日が続きそうですね。それはそうと皆さんの健康状態を見てから旅行の日程を決めなければ、』
ルチルとレッドの独り言を聴きながらできたアプリコットティーをカップに入れて椅子に座る。
話すのも好きだけど、皆の話を聞くのも好きだ。
そう思いながら角砂糖を六つどぼどほ入れて1口飲む。不意に目に入った赤髪。
輪の中に入りがたそうにしていた赤髪、もう水銀に悩まされない体。
赤髪の子は僕を見て目を丸くし唖然としていた。
「…シンシャ?どうしたの?」
『お前、そんな砂糖どぼどぼ入れたら、体悪くなるぞ……。』
「……っはは、」
『なっ、なんだよ。』
「…やっぱ僕、心配してくれるキミが好きだなぁって……」
『じょ、冗談言うなよ!も、もう行くからな!』
そういって赤髪……ううん。シンシャは輪の中に入っていった。
僕は、なんだか凄く幸せになれた気がする。きっと皆は見てくれないけど、アプリコットティーを見ながら、僕は満足そうに笑った。
『…満足か。』
「センセイ。はい、凄く、幸せです。僕はこれからちゃんと前を向いて、歩いていきます。」
『そうか…。』
いきなり声をかけられてびっくりしたが、話し掛けてくれてとても嬉しかった。なんて、今は言えないけど、いつか言いたいな。
センセイに、ミンナに、
ダイスキだよって──────────
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如何でしたでしょう。曲パロ初めてなもんで結構語彙力終わってます。
フォスに幸せになって欲しかったんで、ハッピーエンドにしました。
では…え、連載?うるさいです🫵遅筆なんですお黙りなさい😡
ちゃんと進めてます。年末だから忙しいんです!!(言い訳)
とにかく!またいつか!!