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完治はした。だがこれから螺の所に行くか迷ってしまっている。
そんな都合のいい話あるか?と疑いが残りつつも最近は依頼の頻度とかそういうのは気にしているから行くべきかと頭を回転させる。
試し、かと声を漏らす。そんなことで解決できるわけが無いのに。
(とにかく行ってみるか)
仕方ない、何かあったら救世主(メサイア)が来ることを願う他ないな。
☆彡.。☆彡.。☆彡.。
『ここ、か?』
『やぁ、待っていたよPhantom』
振り返ると嫘がいた。ここに来ることが分かっていたのか、はたまた来なければ来ないで片付けられるようにたまに門を見るようにしてるのか。
『やけに綺麗だな』
『怪しまれないタメさ、物語のようなものだとすぐバレちまうよ』
笑いながら説明させる。確かに一理ある、そこまで綺麗にする必要は無いと思ったがそんなこともなかったみたいだ。
『試しってなんだ?』
『俺が現リーダーだ。依頼の受け方、その他諸々試す。そーゆーもんだ』
『なるほどな』
腕を組み納得する。一応あるかもと思っていたことではあるが実際にこうやって来てみると全然違うかもしれない。
現実は小説より奇なり、と言ったところだろうか?
そういうことはよくあるのことだなとか思ってしまうのはこの星の治安が悪いということなのだろうか。
砂の星に水晶、めんどくさい組み合わせだ。
不相性のようなその組み合わせの左右、とっとと抜け出したい。
『控え室』
『そんなものもあるんだな』
『まぁ、な依頼は指名制でホストみたくお気に入りを選べる感覚となってる』
『なるほど』
『いわば客が来る。いつものように毎日かのように』
いくらでも来たらバレるぞ?とも思うし噂がたってもおかしくないんじゃないかと思った。
妙な感覚がする、聞いてもいいのかはたまた聞いてはダメなことか、不安が溢れかえり吐きそうだ。
『何か聞きたいことは?遠慮はしないでいい』
『……噂がたってもおかしくないんじゃないか?』
『あぁ、それは誰もが心配したな』
そしてこれを見ろと写真を見せられた。男が2人なぜこのバラバラな……
いや、これは同一人物だ。
『この同一人物がどうかしたか?』
『おお、分かったのか』
こう言っちゃなんだが伊達に盗賊をしてる訳じゃない、人間観察は良くする方だ。いつでもターゲットの好きを見極めるためだ。
骨格が似ている、肌の色目元が見えないが眉の一致、化粧をちゃんとできてない。
化けるならもっとやらなければバレるだろう。
『目がいいんだな』
『他のやつは分からなかったのか?』
『優秀なやつは分かった、でもとてつもない少人数だ』
『期待できるぞ、Phantom』
『はっ、お褒めいただき光栄』
腸が煮えくり返るかのような笑いでそう言った。こんなのも分からずよくできたな…盗賊を舐めてるんじゃないか?とね
現リーダーの嫘になかなかの言葉遣いをしたがもしリーダーになったら……なんて考える意味はない。
『ほらまた客が来る、対応して見せな』
『了解』