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もっと速く…。もっと速く…。

あっという間においていかれちゃう…。









ピッ!

笛の音がなり、五人が一斉に走り出す。

全員がコースに置いてある10個の障害物を素早く超えていく。

速く…!速く…!速く…!

ラスト一つを飛び越え、最後のダッシュを駆ける。

ゴール間近、視界の端に映った人影にドキリとする自分がいた。




「沙也香早いね〜!」

「ほんと!さすが陸上部のエース!」

「次の大会も選手入り確定だね!」

次々と向けられる称賛の声。笑顔で反応しつつ、私の意識は一人の子へ向かっていた。


私、加藤沙也香は陸上部でハードルをやっている。小学生の頃から走ることが大好きで、中学校で陸上部に入った。

初めてハードルを飛んだ時の感覚は忘れられない。まるで、空を自由に飛ぶ鳥になったような、そんな感覚だ。それから私は、ハードルに夢中になっていった。

気づけば、部内でもエース的な立ち位置にいて、みんなから期待される存在になった。そのことを私も嬉しく思っていた。

あの子が入ってくるまで…。


「でも、やっぱり流理も速いよね〜!」

「うんうん!沙也香にもついに、ライバル登場か〜?」


また、胸がドキリとした。

視線の先には、あの子の後ろ姿。


綾瀬流理は今年に入ってから親の仕事関係で転校してきた同級生だ。そして、流理は転校初日から一目置かれる存在だった。

「前の学校でハードルをやっていたらしく、陸上部に入るつもりらしい」

そんな話は瞬く間に私の耳にも入ってきた。その時の私はあまり気にせず「仲良くできるかな〜」なんて、呑気なことを考えていた。

そんな考えは、流理の入部体験で一気に吹き飛んでいった。


流理は速かった。

部内では私の次に速いタイムで、それを見た顧問や部員からは称賛の嵐だった。


入部から一ヶ月ほどが経った今も、流理のタイムは速いまま。


このままじゃ負けちゃう…。


毎日毎日、頭の中はそのことばかり。

タイム測定で視界の端に映る流理の姿に心臓が跳ねる。

毎日…。毎日…。


To be continue…

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