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『12の奇跡を探して』
最終話「君と見つけた、12の奇跡」
――最後の星の欠片を探す旅。
俺たちは、長い道のりを歩いてきた。
そして今。
目の前には――
11個の星の欠片。
それぞれが淡く輝いている。
俺はその光を見つめていた。
jp「……11個」
あと一つ。
たった一つで、全部が揃う。
tt「あと一個やな!」
ya「これで終わりか」
dn「……なんだか、寂しいね」
どぬくの言葉に、みんなが黙った。
俺も同じだった。
ずっと探していたものが、もうすぐ手に入る。
なのに――
嬉しいはずなのに。
胸の奥が、少し痛かった。
jp「……終わっちゃうのかな」
俺が小さく呟いた。
-–
その瞬間。
不思議な光が、目の前に現れた。
そして――
神様が姿を現した。
神「久しぶりだね、じゃぱぱ」
jp「……神様」
神「11個の奇跡を見つけたね」
jp「はい」
神「では、最後の一つを探そうか」
jp「どこにあるんですか?」
神「……」
神様は答えなかった。
ただ、俺を見つめていた。
神「じゃぱぱ」
jp「はい」
神「君は、この旅を始めた日のことを覚えているかい?」
jp「……」
その言葉を聞いた瞬間――
頭の中に、あの日の光景が蘇った。
-–
### ――あの日。
なーさん 一週間執事
341
#なおきり
何も分からなかった。
何も知らなかった。
突然、異世界へ転生することになった俺。
jp「えぇぇぇ!?」
そして、神様に告げられた。
神「君には、この世界で『奇跡』を探してもらう」
jp「俺が!?」
怖かった。
正直、逃げたかった。
知らない世界。
知らない場所。
知らない人。
俺は一人だった。
それでも――
歩き出した。
-–
そして。
最初に出会ったのが、たっつんだった。
tt「お前、そんなとこで何してんねん?」
あの時の俺は、心細かった。
でも、たっつんは笑ってくれた。
それからシヴァに出会った。
sh「一緒に行こうか」
るなに出会った。
rn「るなも一緒に行きたいです!」
もふ。
mh「……仕方ないな」
のあさん。
no「大丈夫ですよ」
えとさん。
et「私も行く」
ヒロくん。
hr「一緒に行こうぜ」
なお兄。
na「私もお力になりたいです」
どぬく。
dn「……僕も、行っていい?」
そして――
うり。
ur「俺の音、聞いてみる?」
-–
回想が、次々と流れていく。
たっつんが笑っていた。
シヴァが水を操っていた。
るなが氷を作っていた。
もふが呆れた顔をしていた。
のあさんが誰かを治していた。
えとさんが杖を出すのを忘れていた。
ヒロが風を起こしていた。
なお兄が草花を咲かせていた。
どぬくが初めて笑った。
うりの音楽が響いていた。
そして――
俺は気づいた。
jp「……」
俺はずっと、みんなを助けてきたと思っていた。
でも。
違った。
俺がみんなを救ったんじゃない。
**みんなが、俺を救ってくれていた。**
-–
最初は、一人だった。
でも今は――
振り返れば、11人がいる。
俺の隣に。
俺の後ろに。
ずっと。
jp「……俺」
涙が一粒、落ちた。
jp「俺……最初、すごく怖かったんだ」
みんなが俺を見る。
jp「知らない世界に来て」
jp「誰も知らなくて……」
jp「何をすればいいのかも分からなくて……」
jp「本当は……ずっと帰りたかった」
声が震える。
jp「でも……」
jp「みんなに出会ってから」
jp「帰りたいって、思わなくなった」
-–
たっつんが、何も言わずに俺の肩に手を置いた。
tt「……」
俺は涙を拭う。
jp「たっつん」
tt「……なんや?」
jp「最初に一緒に来てくれて、ありがとう」
tt「……当たり前やろ」
たっつんは笑った。
でも、その目には涙が浮かんでいた。
tt「こっちこそ……ありがとな」
-–
シヴァが一歩前へ出る。
sh「じゃぱぱ」
jp「うん」
sh「君と出会っていなかったら、僕は今も一人で冒険していたと思う」
sh「仲間と一緒に戦う楽しさを教えてくれて……ありがとう」
jp「シヴァ……」
-–
るなが涙を拭きながら笑う。
rn「じゃぱぱさん!」
jp「うん」
rn「るな、じゃぱぱさんに出会えて本当によかったです!」
rn「一緒に冒険できて、毎日が楽しくなりました!」
rn「ありがとうございます!」
-–
もふは少し目を逸らした。
mh「……俺は、こういうの苦手なんだけど」
jp「うん」
mh「……お前と会ってなかったら、こんなに大勢と一緒にいることなんてなかった」
mh「……ありがとな」
小さな声だった。
でも、ちゃんと聞こえた。
-–
のあさんが優しく微笑む。
no「じゃぱぱさん」
jp「はい」
no「私は、ずっと誰かを助ける側でいたいと思っていました」
no「でも、私も何度も助けてもらいました」
no「泣きそうな時に笑わせてくれて」
no「怖い時に、そばにいてくれて」
no「仲間って、こんなに温かいものなんだって教えてくれて……」
no「本当に、ありがとうございます」
のあさんの頬を、涙が伝った。
-–
えとさんが俺の前に立つ。
et「……私も」
et「最初は、自分が誰かの役に立てれば、それでいいと思ってた」
et「でも、じゃぱぱと一緒にいるうちに……」
et「役に立つとか、立たないとかじゃなくて」
et「一緒にいたいって思うようになった」
et「……ありがとう」
えとさんが笑う。
et「私を仲間にしてくれて」
-–
ヒロくん。
hr「俺、昔は自分一人でどうにかしようとしてたんだ」
hr「でも、風って一人じゃどこにも行けないんだよな」
hr「誰かが吹かせてくれるから、遠くまで行ける」
hr「じゃぱぱが俺を仲間にしてくれたから……」
hr「俺も、遠くまで来られた」
hr「ありがとう」
-–
なお兄が静かに笑う。
na「じゃぱぱさん」
jp「はい」
na「私は、旅を始める前よりずっと笑うようになりました」
na「あなたと皆さんと過ごした時間が、とても大切です」
na「私を仲間として迎えてくださって……」
na「本当にありがとうございました」
-–
どぬくが、俺の服の袖をつまんだ。
dn「……じゃぱぱ」
jp「うん」
dn「僕ね」
dn「昔は、自分のことが嫌いだった」
dn「この耳も」
dn「自分のことも」
dn「でも、みんなと出会って……」
dn「笑っていいんだって思えた」
dn「僕に『笑顔』をくれたのは、じゃぱぱたちだよ」
dn「……ありがとう」
どぬくが泣きながら笑った。
-–
最後に、うり。
うりは少し照れながら口を開いた。
ur「俺は、自分の音が嫌いになってた」
ur「でも、お前が聞いてくれた」
ur「みんなが聞いてくれた」
ur「だから、また音楽を好きになれた」
ur「俺の夢を、もう一回取り戻せた」
ur「……ありがとな、じゃぱぱ」
-–
11人。
全員が俺に「ありがとう」と言ってくれた。
俺はもう、涙を止められなかった。
jp「……みんな」
声が出ない。
何度も何度も涙を拭う。
jp「……ありがとう」
jp「俺の方こそ……」
jp「みんなに出会えて、本当によかった」
11個の星の欠片が、一斉に輝いた。
-–
神様が静かに口を開く。
神「……もう分かっただろう?」
jp「……」
神「最後の奇跡は、どこにも落ちていない」
神「誰かが持っているわけでもない」
神様が俺の胸を指差す。
神「**最後の奇跡は、君自身だよ**」
jp「……俺?」
神「そう」
神「君がいなければ、11人は出会わなかった」
神「11個の奇跡も生まれなかった」
神「そして――」
神「君自身も、ここまで来ることはできなかった」
俺の胸から、光が生まれる。
小さな光。
でも――
どんどん大きくなる。
11個の星の欠片が、その光へ吸い込まれていく。
そして。
12個の光が一つになった。
-–
空いっぱいに、巨大な星が現れる。
その光は、俺たち全員を包み込んだ。
神「12個の奇跡が揃った時――」
神「一つだけ、願いを叶えることができる」
jp「……願い」
俺は空を見上げた。
世界を変えることもできる。
何でも願える。
だったら――
jp「……俺の願いは」
みんなを見る。
笑っている。
泣いている。
いつものみんな。
jp「**この時間を、ずっと忘れないこと**」
神「……」
jp「もしこの旅が終わっても」
jp「みんなと過ごした時間だけは、絶対に消えないようにしたい」
jp「だって――」
涙がまた溢れる。
jp「この旅が、俺の人生で一番大切なものだから」
神様は微笑んだ。
神「……それなら、もう叶っているよ」
jp「え?」
神「君たちが覚えている限り」
神「この奇跡は、永遠に消えない」
-–
光が消えていく。
星が一つずつ、夜空へ帰っていく。
11個。
そして――
12個目。
最後の星が、俺たちの真上で輝いた。
俺は空を見上げる。
jp「……綺麗だな」
tt「せやな」
dn「……うん」
誰も何も言わない。
ただ、みんなで星を見ていた。
-–
そして翌朝。
俺たちは歩き出した。
もう、星の欠片を探す必要はない。
だけど――
jp「次はどこ行く?」
tt「俺は腹減ったから飯や!」
ya「チキン」
jp「ゆあんはそればっかりだな!」
rn「るなはお菓子が食べたいです!」
no「るなさん、朝から食べすぎですよ」
et「私は刀のお店探したい」
jp「えと、まだ刀好きなんだ……」
et「悪い?」
hr「俺は景色が綺麗なところがいいな」
na「私は皆さんと一緒なら、どこでもいいですよ」
dn「僕も!」
mh「……騒がしいな」
ur「まあ、それが俺たちだろ」
みんなが笑う。
俺も笑った。
そして――
歩き出す。
11人の仲間と。
俺自身と。
**12人で。**
-–
空には、12個の星。
その一つ一つが、俺たちの旅の証。
勇気。
信頼。
癒し。
希望。
絆。
可能性。
繋がり。
笑顔。
夢。
そして――
11人と過ごした、かけがえのない時間。
最後の一つは――
**「君自身」**
奇跡は、どこか遠くにあるものじゃなかった。
誰かと出会ったこと。
一緒に笑ったこと。
泣いたこと。
助けてもらったこと。
そして――
**「また明日」と言える仲間がいること。**
それが全部――
奇跡だった。
-–
### 🌟『12の奇跡を探して』――完。
**――だけど。**
**物語が終わっても、12人の旅は終わらない。**
**だって、奇跡はこれからも――**
**彼らのそばにあり続けるから。**
コメント
1件
るりさん、完結おめでとうございます…!😭💫 最後の星の欠片が「自分自身」だったっていうオチ、すごく綺麗で、胸がぎゅってなりました。一人ひとりからじゃぱぱへの感謝のシーン、もう涙が止まらなかったです。特に、最初は帰りたかったって言うところから、みんなに出会って変わっていくのが本当に素敵で。 「奇跡はどこか遠くにあるものじゃない」って言葉、すごく温かいですね。12人の旅が終わっても続いていくって感じがして、読後感が本当に優しい気持ちになりました。長い間、お疲れ様でした🌙🤍