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私は思わず叫んだ。
しかし、誰にも届かない。
少しずつ近づく、
すらりすらりとゆっくりと
弄ぶように
私に近づく。
【それ】はスライムのようだった。
しかし、【それ】は動物に見えた。
だが、【それ】はただの写し鏡。
【それ】は『私自身』。
【それ】は『私』に言った。
『この世界で生きる意味なんて—』
私は振り払った。
壊れた未来を見ないように
『明日を消して、』
『愛を壊して、』
「夢を砕いて、』
『もう満足かい?』
『それとも、キミが【桃源郷】にでもなるつもり?』
『とんだ妄想だよ。』
【それ】は手を伸ばし言った。
『きっと【それ】はたいせつなことなんだよね?』
「…。」
『私』は… 手に力を入れ、思い切り…!
【それ】に向かって刃をぶつけた。
【それ】は大きくのけぞった。
その間に『私』はそこから逃げた。
ひどい罪悪感を背負いながら。