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2日後。いよいよ例の日がやって来た。
これまでの私の日常が、全て壊れてしまう日。
これまでの私に終焉を打つ日。
トントン「おはよー。」
エミリア「….おはようございます。」
鬱「おはよ….」
トントン「おぉーい!、鬱!抱き枕置いてこんかい!」
鬱「へい….」
こんな日常も
ゾム「あ、エミリアー、どこ行くん?」
エミリア「図書館です。」
ゾム「俺も着いてってええか?」
エミリア「大丈夫ですよ。」
こんな日常も
コネシマ「エミリア、ちょいこの資料ロボロんとこ持ってってくれんか?」
エミリア「はーい。どれですか?」
コネシマ「これと….」
こんな日常も。
今日で終わり。
この手で壊す事になる。
….例の計画。先程から私がそう呼んでいる計画は、簡単に言うと
『総領を殺すための計画』
である。
今は心の準備など不要。考えれば考える程気持ちが沈んでしまうから。
ただ与えられた仕事をこなすだけ。
私の仕事はそれだけだから。
煩悩を無くせ。何も考えるな。
いくら自分を騙しても、心の奥底で重石が積もって行く。
あぁ….始まる。終わりが見えた。
本部の緊急サイレンが鳴った。
トントン「!!」
コネシマ「おい!」
ロボロ「なんや!?」
トントン「緊急サイレンや!侵入者がおるっぽいぞ!」
ゾム「どうする?」
さぁ….計画が始まった。
最初に私の国から何名かの侵入者を送り込み、私が潜入して手に入れた情報。
緊急サイレンを鳴らす。
そうすれば….
トントン「エミリア!….エミリアは居るか?」
エミリア「はい!」
コネシマ「指示だせ指示!!」
エミリア「…まずは全員集合させて下さい!情報が少なすぎる….!」
エミリア「個別で行動すること程危ない事はないので。」
案の定私に指示係が回ってくる。
エミリア「….では、ロボロさんはいつも通り監視、指示室へ。助手としてトントンさんもロボロさんに着いて行ってください。」
エミリア「シャオロンさんとゾムさんは…..」
指示を出す際に、2人1組で行動させ、組同士で近寄らせないこと。
エミリア「…..分かりましたか?」
鬱「OK!」
コネシマ「了解。」
他全員「「「「了解!」」」」
組同士の組み合わせの意味は特にない。私の担当はシャオロンさん….いや、この男だ。
エミリア「….あ、すみません!シャオロンさん!」
シャオロン「おおっ!?、なんや?」
エミリア「武器を忘れて来たので、取りに行ってきます!」
シャオロン「分かった。けどはよ帰ってきいや?」
エミリア「はい!」
….やっと1人になれた。武器を忘れた?あんなもの欺くための嘘でしかない。
銃を構えて、壁に張り付くようにしながら慎重に進む。
この曲がり角を曲がると、監視カメラが3つある。
フードを被って、高さのある靴を履いて、手袋をして。外見の全てを偽った状態で飛び出て、2秒で3つを銃で破壊する。
幹部は出来るだけここから遠い所へ行くよう指示をした。時間は稼げる。
行こう。
ただただ無心で走る。
….次の曲がり角には監視カメラが2つ。
その先に総領室がある。
廊下には色々なギミックがあったが、全てを知っているエミリアにとって避けることなど造作もないことだった。
この角を曲がった先に総領室はある。少々長い直線の廊下が総領室への道だ。
角で止まって呼吸を整える。
….あぁー、息切れしてる….。体力無くなってきてる….。
廊下に2つの銃声が響いた。
着いた。総領室だ。
何も考えていない私でも、一つだけ確実に分かるものがあった。
『この扉を開ければ全てが終わる』
胸元の交信機「どうだ?」
エミリア「….総領室前へ到着しました。」
エミリア「この中にいる総領を殺す。」
胸元の交信機「….それがお前の役割だ」
エミリア「…分かっています。」
ドアノブに手をかける。
….これで全てが終わる。
そうしてエミリアがドアを開けようとした。その瞬間だった。