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MIU404 短編集

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MIU404 短編集

10 - 潜入捜査?機捜が?

2025年09月01日

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「絶対嫌ですよこの2人のどちらかと夫婦なんて!!」

私の叫びは、会議室の壁にまで跳ね返った。


伊吹が即座に身を乗り出す。

「ねー、やろーよー、面白そうじゃん?俺そーゆーの大好きなんだけど?」


対して志摩は、腕を組んだまま視線も寄越さない。

「…俺もですよ。そもそもこれは機捜の仕事じゃない。」


桔梗隊長は苦笑交じりに肩をすくめた。

「任務だ。異例なのは承知してる。けど必要だから言ってるの。」


私は机を叩いて食い下がったが、結局決定は覆らなかった。



ドレスなんて着慣れない。重い布がまとわりつき、動きづらい。私は志摩の隣で溜息をつく。


「あの、志摩さん…、伊吹さんがまた…」

視線をやると、伊吹は手を振って離れていく。

「志摩ちゃん。ちょっと俺うろついてくるね。」


「大丈夫。ほっとけ。そのうち帰ってくる。」

志摩はグラスを傾けながら、興味なさそうに答える。



時間が経ち、会場の空気が重くなる。伊吹が駆け戻ってきた。

「俺、犯人わかった。絶対あの人。」


志摩は即座に短く命じる。

「伊吹。行け。」


伊吹は人混みを突っ切り、目標を追った。が、勘づかれたのか逃げられてしまう。

「志摩ちゃん!!俺ここの土地勘わかんないよ!! 」

志摩が続き、私は会場のざわめきを抑えるために声を張り上げる。


「落ち着いてくださいっ、…!!警察です!!みなさん、安全ですから、…!!落ち着いてください!!」


だが、その声をかき消すように「パァン」と乾いた音が鳴った。胸に走る衝撃。視線を落とすと、ドレスが赤く染まっていた。


「っ”…、みなさん、っ…落ち着いて、…!大丈夫、です”…っ!」

必死に声を絞り出す。けれど喧騒は止まらない。


足から力が抜け、崩れ落ちそうになった瞬間。


崩れ落ちる時


強い腕に支えられた。荒い息。顔を上げると志摩がいた。隣には伊吹。


「警察だ!!!全員動くな!!持ってるもん順番にここに出せ!!」

伊吹の声が会場を切り裂き、混乱は一気に制されていく。


志摩は私を座らせ、真っ直ぐに目を見て言った。

「よく頑張った。あとは任せろ。」


「志摩、…さ、…っ、伊吹さん、…私、っ…」

涙が零れ、視界が滲む。胸の奥でふっと温かいものが広がり、そのまま意識は暗闇に飲まれた。


後で聞いた話だ。

伊吹はすぐに銃を持つ犯人を見つけ出し、取り押さえたという。志摩は最後まで冷静に場を制圧し、桔梗隊長が到着する頃には事態は収束していた。


そして私は、初めて「よく頑張った」と言われた夜を忘れない。


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