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…さっきから、何か重い物が体の上に乗っかってるような…?でもこの部屋には鍵をかけたはず…近くの本でも落ちたのかな…
顔面を叩き身体を起こすと、
「…N!?ちょ、何でここに!?」
「あ、え、ちょっとUzi待ってこれには理由があって…!!」
ちょっと何でNがいるの!?確かに前のシンとの戦いの直前、大気圏に落下しながら一応告白して付き合ったけど …
けど!!同い年の好きな男の子が起きたときに目の前にいたら流石に緊張するしドキドキするって…!!
「Khanさんが『部屋がいっぱいで宇宙船も壊れてるだろうから娘の部屋で過ごせ』って…」
「えっ私の部屋!?てか何でパパは私みたいなワーカードローンとNみたいなマーダードローンを…同居させようと…!?」
「理由は分かんないけど…でも僕達、あの時から『友達』じゃなくて『恋人』になったんでしょ?それなら丁度良かったね!」
「いやいや丁度良いって何な
私が反論した瞬間、
「ん、失礼」
そう言ってNは私の唇にキスをした。
しかも離す様子はない。耳を塞がれて水音が頭の中をぐるぐる駆け巡る。
N、やめて、と言いたくてもずっと口を塞がれていて、吐息しか出ない。
ちぅー…と唾液を吸われたかと思えば、舌を絡ませてくる。頭がぼーっとする。
しかもここはベッドの上で壁に押し付けられてるような感じだから、どこにも逃げられない。
Nのいい匂いもする。若干Nの 唾液は甘い気がする。ただそろそろ苦しい…離してほしい…けどもっとキスしたい。
あまりに私が苦しそうな声を出したからか、ようやくNが唇を離してくれた。
…そういえば夢中になってて気づかなかったけど、これファーストキスなんだけど。
「…Nほんとにウザい、いきなり何するの」
口元の唾液を拭いNは言う。
「…ごめん、夢中になっちゃって…その…Uziが可愛くて、キスしたくなったというか…」
先程の舌の絡ませ方からは想像できない程の健全な青年のような表情。改めてこういう面もあるんだとドキドキさせられる。
「てかなんでアンタこんなに上手いの?まさかまだワーカードローンだった頃Vとしたの?」
「ちょっと!!そんな訳ないよ!!僕もこれが初めてだし…」
「え、何で私も初めてって知ってるの?」
「Uziが他の奴と前にキスしたって思いたくないから」
前言撤回。全然健全な青年ではなかった。こういう所が本当に罪な男。
いきなりキスされたにも関わらず怒れない、寧ろもっとしてほしいと考えたのは実は私もNとキスしたかったからなのかも…と考えた途端。
「…もっかい良い?」Nはそう言い、面をバツ印に変える。
「…だめって言ったら?」私は顔を赤らめながら言う。
「…ん〜…かわいい…Uziのそういう所も全部大好き、いただきます」
彼の手が私の頬に添えられ、私は腕を彼の肩に乗せ、手で彼の服をぎゅっと掴む。
お互いの余った片手はもちろん恋人繋ぎ。
数秒間キスをした後、彼の長い舌が私の口に入ってくる。私も負けじと短い舌を彼の口に入れ込む。
お互いの舌が絡み合って、水音と吐息が狭い部屋に響く。
彼のナナイト酸のコードが恋人繋ぎをしているお互いの手にくるくると巻き付く。頬に添えられている手は普通の手から刃物のような手になり、恋人繋ぎをしている方の手はお互いより力が入る。
もう、起きてから何分経ったかなんてどうでも良かった。今はただ、彼とキスがしたいだけ。それだけで良かった。