夜、二人きりの部屋。
ソファでくつろいでいるすちの隣に、ひまなつがいつの間にか身を寄せてきていた。
「ねえすち、今日ちょっと冷たくない?」
「……別に。そっちが勝手にそう思ってるだけでしょ」
すちは視線をテレビに向けたまま、素っ気なく答える。
しかし、ひまなつは気にする様子もなく、にこにこと笑って彼の頬に指を伸ばす。
「むー、ほんとに? ほら、こうして触っても怒らないし」
柔らかい指先で頬をつつき、ついでに指で引っ張って遊び始める。
すちは呆れたように目を細めるが、拒絶はしない。
「……子どもか」
「んはは、すちの顔いじるの楽しいんだもん」
そのまま身を寄せて、肩に頭を預けてくる。
ほのかに髪の匂いが鼻をかすめ、すちは思わず喉を鳴らした。
「ねぇ、重い」
「んー、じゃあもっと重くなっちゃおっかな」
そう言ったかと思うと、ひまなつはノリで彼の膝に跨ってきた。
至近距離に整った顔があって、胸の鼓動が嫌でも高鳴る。
「おい……っ」
「なに? いや?」
上目遣いで覗き込まれ、すちは息を詰める。
からかい半分に見せかけたその仕草が、妙に艶っぽい。
「……誘ってんの?」
「え? そんなつもりじゃ……でも、もしそうだったら?」
ひまなつは首を傾げ、いたずらっぽく微笑んだ。
ふざけているようで、瞳の奥には本気が宿っている。
すちは片腕を伸ばして彼の腰を捕まえ、逃がさないように引き寄せる。
ひまなつが驚いて声を洩らした瞬間、その唇を塞いだ。
「っ……ん……」
「……責任、取れよ。遊びじゃ済まさないからな」
ひまなつの頬が一気に赤く染まり、ぎゅっとすちの服を掴む。
「え……だって、ちょっと遊んでただけで――」
言い訳をしようとした口を、すちの熱い舌が再び塞いだ。
唇を深く吸われ、息を奪われ、頭がぼうっとしていく。
「……遊びでこんな顔すんなよ。煽ってんのと同じだから」
低い声が耳に落ち、ぞくりと背筋が震える。
そのまま押し倒されるのではなく、すちはひまなつの腰を強く掴み――跨がったままの姿勢を固定した。
「……俺の上で、腰振れよ」
「なっ……! そ、そんなの無理……っ」
「……自分で跨ったんだ、責任とれ」
低い声に震えながらも、ひまなつの身体は期待にわずかに熱を帯びていた。
すちは片手でゴムを取り出し、手早く準備を整える。
熱を帯びたものがひまなつの入口にあてがわれた瞬間――彼の身体がびくんと跳ねる。
「ま、待って……っ、そんなの入らない……」
「力抜け。大丈夫だ、ゆっくり……ほら」
ぬるりと先端が押し込まれる。
柔らかい肉がきつく締め付け、ひまなつの喉から息が洩れた。
「っ……あ、あぁ……! やだ……っ、深い……っ」
「まだ先だろ。……ほら、腰、落としてみろよ」
すちは両手でひまなつの腰を支え、少しずつ沈ませていく。
ズプ、ズプ、と湿った音が重なり、ひまなつの奥を切り開いていく感覚に、二人とも息を荒げた。
「ん……っ! や、やだっ……全部、入って……っ」
「……ほら、奥まで……呑み込め」
最後の一押しで根元まで達すると、ひまなつは大きく仰け反り、声を上げた。
「っ……あぁぁっ……!」
すちはその表情を見て、堪らず腰を突き上げる。
中をかき混ぜられるたび、ひまなつの身体は震え、胸元を押さえて必死に堪える。
「すちっ……! あ、あっ……だめ、こんなの……っ」
「可愛い声。……もっと聞かせろよ」
支配するように腰を操り、ひまなつを揺らすたびに、ぐちゅぐちゅと水音が響く。
恥ずかしさに涙を浮かべながらも、腰を震わせてすちに応えるしかなかった。
根元まで埋められたまま、ひまなつは肩で息をしていた。
全身が熱く、涙の粒が頬をつたう。
「すち……っ、無理……動けなぃ……」
すちは彼の腰を支えたまま、ゆるりと微笑む。
「……なら、俺が動かすしかないな」
言うが早いか、下からぐっと突き上げる。
「ひぁっ……! あっ、ああぁ……っ!」
ひまなつはソファの背に手をつき、声を押し殺そうとするが、奥を擦られるたび喉から甘い悲鳴が洩れた。
「……ねぇ、自分で動いてみろよ」
「えっ……そ、そんなの……」
「俺の上で、気持ちよくなってるの……ちゃんと見せて」
耳元で囁かれ、羞恥と熱で頭が真っ白になる。
しかし、すちの瞳に射抜かれると逆らえず、ひまなつは震える手で自分の体を支え、ゆっくりと腰を浮かせた。
ズプ……と、中が引き抜かれる感覚に喉が震える。
「っ……あっ……抜けちゃ……」
「はい、また沈めて」
言葉に従い、再び腰を落とす。
ズンと奥まで届く衝撃に、ひまなつの身体は小さく痙攣した。
「んぁっ……! や、やだ……気持ちいい……っ」
「そう、もっと……ほら、自分で」
すちの手が腰から離され、ひまなつは完全に一人で動かされる形になった。
羞恥と快感に震えながら、上下に腰を揺らし始める。
ぱちゅ、ぱちゅ、と濡れた音が響き、ソファが軋む。
胸元からは汗が滴り落ち、ひまなつは乱れた吐息をこぼしながら必死にすちを見下ろす。
「すち……っ、俺……変になっちゃう……!」
「もう十分変態だろ……俺の上で腰振って……っ」
すちが下から突き上げると、ひまなつは弾かれたように絶頂へと追い込まれた。
声を上げ、身体を震わせ、ソファの上で腰をがくがくと震わせる。
「……まだ終わんねぇよ」
すちは再び彼の腰を掴み、何度も突き上げる。
ひまなつは涙を零しながら、快楽に抗えず、必死にすちに縋りついていた。
ひまなつはすちの上で果てたばかりなのに、腰を掴まれて何度も突き上げられる。
「っ……あぁっ! むりっ、もうイッたのに……!」
「知ってる。……でも、まだイけるだろ」
容赦ない律動が続き、奥を何度も抉られる。
ひまなつは声を張り上げるたびに喉を焼かれ、涙と涎を垂らしながら縋りつくしかない。
「ひぁっ……! あっ、あぁぁ……っ! すち、もう……っ、だめぇ……!」
「ダメじゃねぇ。ほら、また締まってる。……イキそうなんだろ?」
快感が重なり、ひまなつの身体は勝手に痙攣する。
絶頂を繰り返すたび、頭が真っ白になり、腰が勝手に上下する。
「や……っ、あぁっ……イく、イっちゃ……っ!」
「何回でもイけよ…!」
ひまなつは何度も果て、ソファの革が汗で濡れていく。
脚は震え、声はかすれ、もはや言葉にならない嬌声が途切れ途切れに洩れた。
「っ……はぁ、あ……っ……すち……っ」
「まだ声出せるな。……ほら、喉が枯れるまで鳴け」
下から突き上げるたび、ひまなつの中からいやらしい水音が響く。
快感の波に呑まれ、何度も絶頂を迎えるうちに、言葉にならない嗚咽と掠れた声しか出せなくなった。
「っ……ん……ぁ……」
「……かわいい声、もう枯れちゃった?」
すちは額に口づけ、震える身体を抱き寄せながらも、腰の動きを止めなかった。
限界を超えてなお、ひまなつは涙を零しながら、すちにしがみつき、全てを受け入れていた。
ぐったりとすちの胸に倒れ込んだひまなは、荒い息を繰り返していた。
声はかすれ、身体は汗と涙に濡れて熱を帯びている。
「……すち……俺、もう……動けない……」
「わかってる。……よく頑張ったな」
すちはタオルで汗を拭き、ブランケットをソファにかけてやる。
乱れた前髪を撫でながら、額に軽く口づけた。
「水、飲む?」
「ん……ありがと」
差し出されたペットボトルを受け取り、震える手で少しだけ口に含む。
喉に冷たい水が通ると、ようやく意識が落ち着いてきた。
「……ねえ、すち」
「ん?」
「今日……なんか冷たかった。俺、嫌われたのかと思った……」
かすれた声で問うと、すちは目を細めてひまなつを見つめた。
次の瞬間、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「……冷たくしたら、ひまちゃんがどんな顔するのか見たくなっただけ」
「は……っ? なにそれ……」
「思った通り、すっごくかわいかった」
ひまなつの頬が一気に赤く染まり、枕に顔を埋めた。
「……ばか……俺、ほんとに不安になったんだぞ……」
すちはその背中を撫でながら、柔らかい声で囁いた。
「ごめんね? ひまちゃんが好きだよ」
耳まで赤くしたひまなつは、涙をこぼしながら小さく笑う。
「……俺も……すちが好き。意地悪でも、離れたくない」
すちはひまなつを抱き締め、首筋に唇を落とした。
「既に離れられないから安心して」
ひまなつはすちの胸に顔を埋め、安心したように目を閉じ、 穏やかな鼓動を聞きながら、深い眠りに落ちていった。
コメント
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やっぱ暇ちゃんは受け一択だわ…すっちー相変わらずのドSっぷり最高よ