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Veeが机の引き出しをガタガタ探している。
「おかしい……どこにもない……」
棚、カバン、ソファの下――どこを探しても見つからない。
肩を落とし、ため息をつくVee。
「……仕方ない、今日はもう諦め……」
ふと視線を向けると、Pebbleが「ワン!」と尻尾を振りながらUSBを咥えている。
「!! それ! 返しなさい!」
だがPebbleは「ワンッ!」と元気に鳴いて、そのままダッシュ。
「ちょ、待って! 返してーーっ!!」
Pebbleは机の下をくぐり、イスを飛び越え、棚の上に飛び乗る。
それを追いかけるVee。
Veeは全力でPebbleを追いかけるが…
スピードもスタミナもPebbleより全く無い為、一向に追いつかない。
「はぁ、はぁ……!待って…返しなさいったら……!」
数分後、ついにVeeはバタンと床に倒れ込みダウン。
Pebbleは楽しそうに走り回ったまま。
そこへDandyが現れ、ひょいっとPebbleを抱き上げる。
「おっと、確保~!さて、このUSBは……」
Pebbleの口からUSBを取り、それを眺める。
息も絶え絶えのVeeが必死に叫ぶ。
「…それは、見ないで、早く返して……!」
「うん?何か見られたくないものでも?」
Dandyはニヤリと笑い、そのままパソコンに差し込む。
画面に映し出されたのは……
Veeが誰にも気付かれないようにこっそり集めていた、みんなとの沢山の思い出の写真や動画。
料理の失敗で粉まみれになり恥ずかしそうに笑うSprout、恐竜語りに夢中で楽しそうにしているShelly、本を読んでいる最中こちらに気付き軽く手を振るAstro、犬かきするPebble……そして、全員で笑っているシーン。
しばらく見つめた後、DandyはそっとUSBを抜き、Veeに手渡す。
「……この事は、今日だけは特別に秘密にしておくよ。」
Veeは拗ねたような表情で受け取り、視線を逸らした。
「……本当に、誰にも言わないでよね。」
「なんの話してるの…?」
「騒がしかったから来てみましたが…… 何が起こったのですか?」
「そのUSBは?恐竜の動画?!」
「いや、お菓子のレシピとか?!」
「絶対に秘密!!」
ギャイギャイと、それでも楽しそうにしている皆を眺めるDandy。
Dandyはふっと微笑み何も言わない。
その場を収めるようにPebbleが「ワン!」と鳴く。
Veeは恥ずかしそうにUSBをぎゅっと握りしめた。