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Sunflower ① -2 (wm×w)
前回の続き。
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藤澤side
何故か元貴と若井とキスをする事になった僕。
そしてどちらが先にするかでふたりがジャンケンをして……勝ったのは……
若井「よっしゃ!涼ちゃんのファーストキスもーらいっ!!」
大森「……」
ガッツポーズをしながら喜ぶ若井と、頬を膨らませ拗ねている元貴。
一応、僕だってキスくらいした事はあるんだけど……これ、言わない方がいい感じかな……
若井「じゃあ涼ちゃん、まずは軽く……ね」
キスに重いも軽いもあるっけ?と思っていたら、若井が僕の後頭部に手を回し、顎をクイッと上げられ、唇と唇が触れ合うだけのキスを僕に落とした。
若井「どう?大丈夫?」
藤澤「……大丈夫…………かな……」
若井「じゃあ続き、していくね?」
そう言って若井はまた唇が触れるだけかと思ったら、僕の唇を食べる様ようなキスにかわり、思わず声が漏れる
藤澤「ふぁ、っあ、」
僕の声に驚いたのか唇が離され、目を開けるとまだ近距離にいた若井と目が会い、フッと笑った若井はまた僕へと近付きキスをした。
その笑った顔はいつも以上にかっこよく遊美で……何故か胸がドキドキしてしまった……
藤澤「ん、ンンっ、」
若井が注がれるキスは今までにないキスで、正に唇を奪われる、そんなキスに僕は息をするのも忘れていっぱいいっぱい
大森「若井、涼ちゃんが息出来てないって」
元貴の言葉で若井が唇を離してくれて、僕も息をしていなかった事に気付き息を大きく吐いた
藤澤「ーっぷはっ、はぁはぁ……」
大森「涼ちゃん大丈夫?」
藤澤「はぁはぁ……だ、大丈夫、元貴気付いてくれてありがとう」
大森「良かった〜、このまま酸欠で倒れられたら俺の番が回って来なかったしね……じゃあ涼ちゃん次は俺と……ね、ちゃんと鼻で息してね」
藤澤「元貴、ちょっと待っ、ンンっ」
待って、と言い終わる前に元貴が僕の首に手を回して、僕を引っ張ってキスをした。
いつも見ていたぷっくりとした唇が僕の唇に優しく触れた。
本当に見た目通り柔らかいって思ったのも束の間で、元貴も若井同様奪うようなキスを注いでくる。
藤澤「ん、……っ、あ、っ、ん、ンンー!」
唇を奪うキスだけだったのに、突然歯の隙間を狙うぬるりとした感触、びっくりした拍子に上下に隙間が出来た。
それを逃さまいと元貴の舌が僕の口腔内へと侵入してきた
藤澤「あっ、んんっ、ふ、」
逃げようにも首に元貴の手が回されていて無理だし、口の中も奥へと逃げても元貴の舌が追いかけてきて深く奥へとくる。
合わさった唇の端から水音と唾液が溢れる。
今までした事のあるキスは僕が男だからこっちが攻める側で受けることなんてなかったからふたりの激しいキスに耐えられなくて僕は膝から崩れ落ちてしまった。
大森「んっ……わぁっ!は、りょ、涼ちゃん?!」
若井「おーっと」
若井が咄嗟に僕を支えてくれたから僕も元貴も怪我はなかった。
藤澤「ご、め、」
大森「涼ちゃん大丈夫?」
若井「元貴が激しいキスするから涼ちゃんついてけないじゃん」
大森「えー、だって涼ちゃんがあんまりにも可愛かったからつい」
若井「可愛いのはわかるけど初めてなんだから手加減しろよ」
元貴と若井には僕が可愛く見えてるってこと?
僕のどこが可愛いのかわかんない……
藤澤「あ、あの、ふたりともさ」
大森「あ、涼ちゃんどうだった?」
藤澤「あ、え、いや」
大森「え、いや……だったの?」
藤澤「い、いやっ、そういう意味のいやじゃなくて」
若井「じゃあ、良かったってこと?」
大森「涼ちゃん、気持ちよかった?」
自分が言いたいことも言えず、逆に質問攻めにされて僕の頭はパニック寸前
藤澤「……んない」
大森「ん?」
若井「ごめん、涼ちゃんもっかい言って?」
藤澤「わかんないっ!僕いっぱいいっぱいで、こんなキ、キスした事なんてなかったし」
大森「わーお、」
藤澤「そ、それにふたりとも僕を……可愛いとかも意味わかんない……」
若井「それはわかるだろ」
大森「うんうん」
藤澤「元貴の方が全然可愛いし、若井なんてかっこいいし……」
若井「俺かっこいいって、やったっ!」
大森「俺もかっこいいがいいー!!ねえ、涼ちゃん俺もかっこいいって言って?」
ふたりは僕が真面目に話をしているのに真面目に話を聞いてくれない……
若井は僕にかっこいいと言われた事を元貴にニヤニヤと笑いながらマウントを取り、元貴は元貴で若井に負けたくないのか、僕の袖を引っ張りながら上目遣いでかっこいいと言ってくれとせがんでくる。
藤澤「もうっ、ふたりとも知ら……ないっ……」
若井「ちょ、涼ちゃんどうした?」
藤澤「だって、だって……ゔぅ……ふたりとも僕の話真面目にっ、聞いてくれないし……」
悔しいからか寂しいからなのかわかんないけど僕の目からは涙がポロポロと溢れてきた
若井「涼ちゃんっ、ごめん、泣かないで」
大森「涼ちゃんごめんっ」
ふたりが両サイドから抱きしめて来て、何故だか余計に涙が溢れる
藤澤「ゔ〜〜〜ゔゔっ」
若井「涼ちゃん本当にごめん、話聞くから」
大森「涼ちゃんごめんね、俺もちゃんと聞くから」
ふたりは両側から僕の目から落ちる涙を優しく指で掬ってくれ、更に若井は僕の頭を撫でてて、元貴はギュッと僕を抱きしめて落ち着かせてくれた。
藤澤「……グスッ……元貴と若井にっ、いっぺんに色々な事言われて」
大森「うん」
藤澤「い゛っ、いっぺんに色々なことされて……」
若井「うん」
藤澤「元貴も若井も余裕があって……僕だけ全然余裕ないし……」
大森「それが良いの、うぐっ」
若井「ごめん……涼ちゃん続けて」
藤澤「……キスは……正直訳わかんなくていっぱいいっぱいだった……けど……気持ち悪いって思わなかった……」
若井「うん、そっか。ありがと、涼ちゃん」
大森「ん゛〜〜ゔ、っぷはっ!!若井!口と鼻押さえんな!死ぬ!!涼ちゃん、俺からもありがと」
藤澤「ぼ、僕はありがとうって言われることしてなんか……」
若井「ううん、俺たちを軽蔑せずに受け止めようとしてくれてる、それだけで感謝だよ」
大森「そうそう、本来なら俺たち涼ちゃんから嫌われてバンドから抜けるって言われてもおかしくない事してるしね」
藤澤「そんな!ふたりを嫌いになんてならないし、バンドも抜けたりしないよ!」
大森「本当に?これからも一緒に居てくれる?」
藤澤「うん、だって元貴が言ったじゃん、僕がこのバンドには必要だって」
大森「涼ちゃん……」
藤澤「ふたりのことは……恋愛的な意味で好き……とかはまだわかんないけど、僕はふたりの傍に居たいし、ふたりにも僕の傍に居てほしい……これじゃあダメかな……」
若井「涼ちゃんそれで十分だよ」
大森「うん、俺もそう思う」
藤澤「元貴……若井……」
ふたりが笑いながら僕の頭を撫でて、また両側から抱きしめられた。
今度は嬉しくて涙が出てくる
若井「も〜、涼ちゃんは本当に泣き虫だな」
藤澤「ゔゔぅ〜、だってぇ〜」
大森「その泣き顔もそそられるって事を無自覚なのもある意味罪だよね」
若井「おいっ、またお前は」
大森「だって本当の事じゃん、若井だって今ムラムラしてんだろ」
若井「そりゃ……泣いてる顔もエロくて可愛いなとは思ってたけど……元貴みたいに何でもかんでも盛る様な真似は俺はしないから」
大森「はぁぁ〜?!お前なんかこの前、涼ちゃんがアイス食ってる所見て「あー……俺のも舐めてほしい」って言ってたくせに」
若井「ちょっ、!!元貴お前だって涼ちゃんが着替えてる時に「ラッキースケベ展開来ないかな」って言ってただろ」
藤澤「……」
え……ふたりは僕の知らない所でこんな凄いことを言っていたの?
ちょっと僕の涙返して欲しいくらいのエロオヤジ発言すぎて涙が引っ込んじゃったんだけど……
大森「お前っ、それ言うんだったら」
若井「も、元貴、ちょっと待てヤバい」
大森「なに?そんなに若井が涼ちゃんのちく」
若井「そうじゃなくて……見て」
大森「は?なに?あ……」
藤澤「ふたりなんか……」
若井「やばい」
藤澤「ふたりなんか」
大森「若井っ土下座準備!!」
藤澤「大っ嫌い!!!」
またもや僕に嫌いと言われたふたりはジャンピング土下座で僕に許しを乞だ……
結局それで許す僕も僕だけど……
これから僕たちどうなるんだろ……
……To be continued
コメント
11件
涼ちゃんがやっぱりえっちな単語の意味がわかってない部分があるからまだこれで済んでるかもだけど、意味を知ってしまった時にどうなるかだよねwこのお話めっちゃ好きです!続き待ってます!
やばい天才すぎます。
ふわわ……見るの遅れちゃいました…… 「若井土下座準備」←面白すぎです🤭 泣いちゃうりょつ可愛い♡