テラーノベル
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・inm kyng 歌手if ・not腐
・この先伏字無
・イメージソング : OKKAKE
※一部の歌詞からのみの連想ですのでパロディとは言い難い内容です
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kyng side .
陽気な歌声。
整った環境の中セットの前で大きく口を開けて歌うお前がいる。
煌びやかなステージの上で手を振るお前がいる。
心の底から楽しいと、顔が、声が、歌が言ってる。
箱に入り切らないファンが歓声を上げてお前の事を見てる。
ああ、これほどまでに望んだ光景はないのではないだろうか
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「ロウ!」
歓声に満たされたステージを降りてくる。汗まみれのその額が何一つ汚く見えないのは、俺も空気に流されてしまっているからなんだろう
「お疲れい、やるやん。今日も激盛り上がってたわ」
「お疲れー、いやロウのおかげね?ここまでやれたのはお前がいたからだって!」
ぴったりの服を身にまとったスーパースターは乱れた髪をタオルでわしゃわしゃ拭きながらそう言った。
お前の言葉に はいはい、なんて乾いた笑いを返すことしかできない俺は、本当に救いようがなくて。
まっすぐ目の前だけをただひたすら見つめてるお前の大きい瞳を、もう俺は見ることなんてできない。だからさ、お前を囲う集団の中の1人にならせてくれよ。俺個人をお前の中で存在させることが、今となっちゃ苦しくてたまらないから。
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「あっいた。ロウー!ほい、鍵借りてきた」
ドタドタと騒がしく、ライは身にまとった明るめでワンサイズ上のブレザーを揺らしながら犬みてぇに駆け寄ってくる。
「うい、あざす。今日どうすんの?歌詞決め?」
「うん、そのつもり。後ろの音できてるんでしょ?」
「まぁ一応。でも仮置きな、これで決まりってわけじゃない。お前の意見も気になるし」
「ふーん?とりあえず聴かしてよ」
鍵と扉の開く音と共に、古臭いホコリのにおいがする。ライがギターを乱雑に置くせいで更にホコリが舞って少し噎せる
「んんっ…お前なぁ、ホコリ飛ぶからやめろってそれ。喉乾燥すんぞ」
「はいはーい。すいませーん。」
俺の説教は左から右らしいライは、さっさと本題に入れと言わんばかりにあぐらをかいて地べたに座る
「片耳、はい」
「ん」
イヤホンを差し出して、パソコンからスマホに移した音源のコピーを流す。
俺の音楽がお前の何をそこまで惹きつけたのか、まだ分からない。ただ、俺の隣で音楽にひたむきに向き合うお前を横目で見るこの時間が好きだった
inm side .
「めっちゃよくね!?ここのギターソロガチカッケー!」
「いやそこな、鬼ほど悩んだわ」
満足気にするロウ。今からこれに意味をつけて、声をのせる。俺たちの音楽ができる。
「よーっし、歌詞考えるかーー」
「ん、ペン出せーペン」
会員は俺らだけの、寂れた軽音同好会。その中でだけ聴けるロウの音楽が好き。
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初めてロウと会った日のこと。部活に入る気なんてさらさら無かった俺はたまたま放課後、軽音の部室前を通った。ただの、偶然の巡り合わせ。慣れた手つきで細い指を弦に触れさせて鳴らす、その死ぬほどカッコイイ音はバカ正直に俺の耳へと入ってくる。言うなれば一目惚れ。扉越しで顔も見えちゃない、誰が、なんの楽器を弾いてんのかも初心者の俺にはわかんなかった。けど、確かに俺はアイツの音楽に惹かれた。そっと古びた扉を開く。
彼はギターを包むようにして、まるでアイツだけの空間みたいに好きな音をかき鳴らす。
ゆっくりと舞い光る埃がやけに綺麗に見えたのはお前のせいだったよ
飽きたので〆
続きます
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