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「……え?何が?」
寝起きのヤマは、本当に何も分かっていない顔をしていた。
私はスマホを見せながら言った。
「自分で開いたからな。」
ヤマの表情が、一瞬で変わる。
そのまま正座をして、小さく頭を下げた。
「ごめんなさい。」
私は首を横に振った。
「そうじゃない。」
聞きたいのは、それじゃない。
少しの沈黙のあと、ヤマは震える声で言った。
「……浮気してました。」
その一言で。
三か月間抱え続けた疑いは、真実に変わった。
涙は出なかった。
心臓だけが震えていた。
頭は熱いのに、体は寒い。
今まで感じたことのない感覚だった。
朝八時から仕事だった私は、静かに言った。
「その子に、起きたらバレたことだけ伝えといて。」
「夕方電話するって。」
「急にかけたら、びっくりするやろうから。」
それだけ伝えると、部屋は静まり返った。
私は何度もトイレへ駆け込んだ。
吐いて。
少し泣いて。
また吐いて。
気づけば、家を出る時間になっていた。
仕事中も何も考えられなかった。
ただ時間だけが過ぎていく。
仕事が終わると、私は親友へ連絡した。
『一時間だけ、付き合ってほしい。』
すぐに返ってきた返事は、一言だけだった。
『分かった。』
親友の顔を見た瞬間、張り詰めていたものが全部切れた。
人通りの多い駅前で、何も気にすることもできず私は子どもみたいに泣いた。
一時間泣いて。
深呼吸をして。
私は決めた。
ヤマの前では、絶対に泣かない。
そう決めて、家へ帰った。
コメント
1件
うわあ…第29話、読んじゃったよ…😭💔 「浮気してました」の一言で3ヶ月の疑いが確定する瞬間、心臓がギュッてなったよ…。吐きながら仕事行く姿とか、親友の前で駅前で子どもみたいに泣くシーンとか、リアルすぎて胸が苦しい。でも「ヤマの前では絶対に泣かない」って決めた強さが、めちゃくちゃ切ないけどカッコよかった…😢✨ 続き、どうなっちゃうの?この感情の行き先、気になって仕方ないよ〜!!