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──・・・夢を見る。
『███さん』
──・・・綺麗で、聞いていると眠たくなるような優しい声。
『███』
──とても落ち着く、まるで静かな湖のような静かな声。
『███!』
──うるさいと思っていても、どこかほっとする、不思議な声。
──・・・声も、名前も、顔も、どんな見た目だったかすら、分からない。けれど、
“彼女”達は、確かに“僕”にとって、“大切な人達”だった。
✵✵✵✵✵
パチリと目が覚める。今日も、“僕”は“僕”だ。
そう思いながら、すまないは起き上がる。
「・・・また、変な夢みたなぁ」
そうすまないはこぼした。
『夢は記憶』そう、世界の記憶を写す魔導書こと、風夜はこぼしていた。
例え、忘れてしまっても、人と人が紡いだ“縁”というものは切れないものだ。
と、風夜は教えてくれた。
「・・・縁、か」
そうポツリと呟き、鏡を見る。
灰色に近い鈍色の長い髪、1部だけ水色の髪。瞳は真っ青な快晴の色。
「・・・一体、“昔の僕”は、どんな縁を結んでたんだろう」
そうすまないは鏡に向かって呟いた。
✵✵✵✵✵
すまないは学校へ向かう。その学校はかつて“英雄”が教師として働いていたところを立て直し、現在すまない達が使っていた。
「今日は何教えようかなぁ・・・前にゲノム配列教えたら、ブラック以外寝ちゃったし・・・まぁ、僕も“知識”として“理解”はしてるけど、ぶっちゃけ意味わかんないし・・・」
そう零しながら、正門へと向かう。すると、
「・・・?誰だろう・・・」
ふと、正門前に誰かが立っていた。
「あの、すみませ・・・」
そう話しかけた。すると、その人は振り向いた。
──一瞬、懐かしい気持ちになった。
白色の髪を下に2つに結び、黄緑色のフード、そして、海のような青の瞳の女性。
一瞬だけ、たった、一目見ただけで、
──“彼女”から、目が離すことが出来なかった。