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最強刑子「あなたにはめっちゃ人ぶっ殺し罪の容疑がかけられているわ!」
無実無罪「そんな、こんな老いぼれにできるわけないのじゃ」
取調室に2人の女性の声が響く。
1人は最強刑子(さいつよ けいこ)だ。刑子は日本を代表する刑事でその卓越した推理力と特異な名前は世界に轟いている。
対する老婆、無実無罪(むじつむざい)は今まで5兆回以上殺人の容疑がかけられてきたがその名前のおかげで一度も捕まっていない。
今、警察界最強と無罪界最強がぶつかり合う!そしてこの取り調べはWWEによりアメリカで生放送されている。なぜならプロレスと取り調べは紙一重だからだ。
刑子「証拠は上がってるのよ!」
刑子の先制、さながらプロレスにおけるビンタのように無実に襲い掛かる。
無実「そのときわしは家におったしそんなわしの指紋がついて被害者の血もついたナイフなぞ証拠にならんわい!」
無実はそれに答えるように反撃を開始する。どうも苦しいように感じるかもしれないがこれはプロレスで言うドロップキックのようなとても派手でカッコいい技なので刑子には効果抜群だった。そしてプロレスの知識は2人にはなく、WWEの存在自体彼女たちは知らない。かのザロックさえ知らないのだ。
刑子「当日あなたを見たと言っている人もいるのよ!」
無実「それはわしの分身じゃ」
刑子「くっ、たしかにその可能性はあるわね」
どう考えても老婆が分身を使えると考えるより当日現場にいたと考える方が自然ではある。しかし刑子はAIだったので人間の言うことは全て信じてしまう。こんな人間に警察は務まらないかもしれないが民営化され取り調べをWWEで放送するまでに至った腐った警察の中では優秀なのだ。
刑子(私の掴んだ証拠は全て論破されてしまったわ。それにAIだから浅い部分しか聞くことができない、このままじゃこのババアを取り逃がすことになっちゃう。どうすればいいの)
無実「ひゃっひゃっひゃ、弱い女よのお。わし1人捕まえることができないとは。さあ平伏すが良いわ。けっけっけ」
刑子が地に頭をつけようとした時、奇跡が起こった。
???「待て!」
無実「誰じゃ!?」
その時天井を突き破り出て来たのは伝説の法廷格闘家、死刑 有罪(しけい ゆうざい)だった。風貌はあのドウェインジョンソンのようで取調室は死刑にとってのリングとなった。彼は日本の司法を死法に変えた存在で有罪判決を受けた場合死刑になる確率を100%にしたのだ。
死刑「貴様、法廷に上がらなければ私の射程範囲外と過信したな!その気になれば法律を飛び越え貴様を死刑にすることも可能なのさ!」
無実「なっ、なにぃ!!」
死刑「そして名前を使い警察に無罪だと思わせる手法、なかなかに見事だった。だが君の経歴を調べると本名がわかった。なあ殺死枡世(ころし ますよ)」
枡世「そこまでバレてたとわねぇ、ただもう遅い!わしの殺力に敵うかな!」
死刑「なに!どんどん殺力が上がっていく!」
枡世がナイフを取り出し気を貯めると殺力がどんどん上がっていく。筋肉は膨張しまるで飯伏幸太のような肉体美をしている。もはや彼女に殺力で張り合えるものなど世界にはいないだろう。
死刑「刑子くん!僕の死法力だけではあいつには敵わない。だが君の刑事力いや”刑死力”と合わせればやつに敵うかもしれない!」
刑子「わかりました!」
2人は気を貯め、力が上がっていく、もはや枡世の殺力と同等のものとなっていた。
死刑「くらえ!」
刑子「はぁぁ!」
枡世「この程度!」
数秒の力の拮抗の後、枡世は倒れた。カウントをとるまでもなく死刑と刑子の勝利であった。確かに死刑と刑子の力と枡世の力は同等だった。しかし死刑と刑子の正義の心が奇跡を起こしたのであった。この様子を見ていたプロレス好きアメリカ人はジャパニーズプロレスの奥深さを知り、のちに日本のプロレス界を震え上がらせる伝説のプロレスラーとなるがそれはまた別の話。
結局枡世は全ての余罪が明らかとなり、死刑はその横暴な態度、法廷格闘家でありながら取り調べ室にいたというところから死刑が決定した。そして刑子はというと…
刑子「さあ!新しい生活が始まるわ!」
家から飛び出て走り出す刑子。彼女の目指す場所は新日本プロレスの本部、彼女が世界に名前を轟かせる最強のプロレスラーとなるのはまた別のお話。
end