テラーノベル
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※第1話の [必読] を必ずお読みください
※エセ関西弁
※誤字/脱字 あり
✶表現は酷くないですがzさんが怪我を負っています
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鳥のさえずり、木々が揺られく音。
外で一般兵達が訓練に打ち込む声。
そんな環境音を子守唄に久方振りにゆっくりとしようと思った矢先、総統であるグルッペンからとある敵基地に向かってくれとお願いされた。有無を言う隙も与えず、そのまま基地についての資料等を渡され、この後すぐに向かってほしいと命令をされた。
俺は仕方なく重たい腰をあげて、命令された任務先に向かうと既に何人かの警備員が配置されていた。
ここはかなり厳重な警備らしく、突破が困難と事前に言われた。渡された資料に記載された侵入経路を使い、そのまま内部に侵入に成功した。
案外、中の警備はザラでたり見掛け倒しだったという訳だ。更に奥まで侵入すると、警報が頭に響くまで鳴り続ける。大きな音に頭がガンガンとしてくるが急いでその場から離れようとするも、目的の場所は目と鼻の先だ。
だがここで欲を出してしまったら死ぬと感じ、ここは一時撤退を試みた。
(くっそー、中の警備はザルやないやん)
思いの外警備が強い事に苛立ちを感じつつも、人が配置されていない場所に何とか侵入し、ここからどうするかを必死に頭の中で考えた。
この時点で既に帰りたい気持ちであり、任務に対してのやる気は依然とない。さっきの自分の失態で、完全に気分が萎えてしまったからだ。
すると多数の足音が聞こえ、急いで物陰に隠れた。物陰から少し顔を覗かせて、辺りを見渡す。銃を構えた警備員が部屋を徘徊しており、これでは迂闊に動けない。
(…いや、3人ぐらいやったらいけるな)
今まで積み重ねてきた実戦の経験と自分の実力を信じ、ナイフを構えた。
後列にいる奴から処理しようと思い、警備員の背後に足音ひとつ立てず、ゆっくりとした足取りで近づく。背後を取られているのにも関わらず、警備員は気づいた様子は無い。
そのまま後ろから警備員の顎を掴んだままナイフで首の動脈を切ると、目の前にいた警備員は大量の血を流したまま倒れた。
すぐさま異変に気づいた前列の警備員は後ろを振り返る。持っていた銃を構え、一心不乱に銃を撃っていた。
(あいつら、弾使いすぎやろ)
銃声で気づかなかったがすぐさま援護に来ていた警備員に見つかってしまい、完全に包囲された。警備員の発砲音で引き寄せられたか。
相手は銃を構えており、俺は手持ちナイフひとつ。非常に部の悪い勝負だ。
すると油断していた所に鉛玉が腕に掠ってしまい、緑のパーカーには徐々に血が滲んでいく。持っていたナイフが上手く握れず、地面に落としてしまった。
そのまま体勢が崩れかけ、更に怪我を負う。
「ッ、ぅ”ぐッ…ぃ”、いってェ…」
急いで相手の射線外へ行き、遮蔽物の裏に隠れた。
その際も出血は止まる事なく、すぐさまポケットから常備してある包帯を取り出して止血を始めた。
だが指が小刻みに震えるせいか、指に力が入らず包帯がうまく巻けない。仕方なく包帯の先を歯で噛み、そのまま強く引っ張る。強引だが、こうでもしないと止血ができない。
(はぁー、さっきは焦りすぎたな)
(さすがになまったか)
向こうからは多数の銃声と、こちらに近づいてくる微かな足音が聞こえる。
さすがにマズイ、と危機感が襲ってきたため普段は使わないが仕方なく銃と手榴弾を構えた。敵は複数いて、恐らく遠くからの援護射撃もある。
頭の中でシミュレーションし、おおよその作戦ができた。
構えていた手榴弾をピンを外し、遠くに向けて投げ込んだ。そのまま近くにいた相手の頭を撃ち抜き、爆発に巻き込まれなかった敵を殺しきる。手榴弾で大半は吹き飛んでくれたが、少し投げ方が甘かったかもしれない。
また訓練せんとな。
「おわりー」
手榴弾や銃を使ってしまうと、すぐに撃ち合いが終わってしまうので正直使っていて楽しくない。
激しい戦闘の好きな俺にとってナイフは手放せない存在だが、油断して指に力が入らなかったため今回は泣く泣く使用した。本当は愛用のナイフで敵基地を荒らしたかったが、今日は運が悪かった。
そのまま落ちたナイフを拾い上げ、流石にもう敵は殲滅しただろうと任務が終わった事をインカムで報告した。
直ぐに迎えの車を用意するとインカムで入り、この基地から離れた。入口には迎えの車が来ており、運転手にお礼を言いながら乗り込んだ。
「あー、ねむっ…」
でも、それより医務室行かな。
そのままにしてたら、特にトントンとかが口酸っぱく言ってくるからな。アイツら俺が怪我して帰ってきたら、すぐに医務室連れていこうとするから大変やわ。
大きな欠伸をしながら、ボーッと見慣れない外の景色を眺めた。でこぼこ道なのか、車内が揺れており更に眠気を誘ってくる。
数分にして本部に帰還する事ができ、フラフラとした足取りのまま廊下を歩いていると、遠くから緑の軍服を着た男の姿が見えた。よく目を凝らして見ていると、案の定トントンであり俺は急いで引き返そうとしたが、眠気の影響か上手く頭が回らない。
最悪医務室で寝てもええけど、落ち着かへんねんな…。
「おー、任務お疲れ」
書類を届けに行く途中なのか、脇に書類を抱えたトントンに呼び止められた。俺は力無く返事をするとトントンの目線は、俺ではなく左腕にある少し血の滲んだ包帯で、顔は笑っているが目が一切笑っていない。どこか顔には青筋を浮き出ている様子で、流石の処置の雑さにトントンを怒りを顕にしている。
あ、これ、いつもより怒ってる感じやな。
他の人に怒られるのも勿論嫌だが、特にトントンに怒られるのはもっと嫌いだ。だって怖いやもん。トントン。
「トントン!今から医務室行こうとしてたところやから」
「医務室の方向、こっちとちゃうぞ」
「…」
「ま さ か。ちょっと部屋で寝てから行こうとか思ってないよなー?」
俺より大きな図体を持ったトントンは前屈みになり、こちらに圧を掛けてくる。図星を突かれた俺は敢えて目を逸らすも、トントンには見抜かれたようでそこから左腕の包帯について長いお説教を食らった。
分かってはいたが、やはり怖い。
トントンのお説教で一番嫌な所は、正論でこちらを攻撃してくる所。トントンはこの軍の中で立場は上の方であり、実力も並んで高い方。そんな相手からくる、ごもっともな言葉は突き刺さってしまう。
だからお説教嫌やってん…
「行こうとしてたってー」
「じゃあ、俺も付いていくわ」
「いや、いーってトントン!」
そのまま怪我を負っていない右腕を引っ張られ、医務室のある方向へと無理矢理連れていかれる。書類提出を先にしたらどう?と何とか理由付けを試みるも、トントンはこちらを一切見ようとせず、かなりご立腹の様子だ。
そんなトントンに掛ける言葉が分からず、俺は抵抗もせず甘んじて受け入れる事にした。
医務室に着くと、真っ直ぐにトントンは棚にしまってある救急箱を取り出す。その間に丸椅子に座り、救急箱の中を漁るトントンをジーッと見つめていた。そのままトントンに命令され、長い袖を捲ると適当に処置された包帯が顕になる。トントンは大きく溜息をつき、頭を抱えた。
「適当に止血したやろお前」
「やってー…」
言い訳を零そうとすると、トントンはこちらを睨み付けてまた圧を掛けてくる。俺は何事も無かったかのようにトントンから目を逸らし、明後日の方向を向いた。流石に処置の雑さが露呈しており、少し恥ずかしくも思えてきた。
今度は怪我の処置も勉強せなな…
すると傷口からしみるような痛みが走り、あまりの痛さに俺は顔を顰めた。
「いたっ! 優しくしてや、トントン」
「こんな怪我して帰ってきたお前が悪いやろ」
涙が出そうな程の痛みに耐えながら、慣れた手つきで処置を進めるトントンの手元を凝視していた。相変わらず処置は丁寧で、俺の雑な処置とは全く違う。さっきまで不機嫌だったのみも関わらず、今は処置に集中している様子だ。
なんだかんだ、手つきは優しいよな。
それに、こう見るとトントンって結構イケメンよな。切れ長の目に、深紅のような瞳。何処と無く目を奪われてしまう存在で、俺は手元では無くトントンの真剣な表情を見ていた。
「はい、治したで」
「ありがと」
腕には先程までとは比べ物にならない綺麗に巻かれた包帯があり、見事に丁寧に処置された。これでひとまず安心したが、トントンからお説教を食らったため何とも言えない。まあこれで心置き無く寝れるわ。
トントンに感謝のお礼の言葉を伝え、また色々言われない内に医務室から出ようとしたがトントンに引き止められる。
「次からはよ医務室行けよ」
「は、はぃ…」
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最後まで閲覧して頂き、誠にありがとうございます。
銃声で環境音が聞こえないはずなのに、微かな足音でも聞こえるという激ヤバ聴覚のzさんを表現したかった🙌🏻
戦闘シーンを書くの楽しすぎて、tz要素少なくて申し訳ないです
良ければコメントなど下さると嬉しいです…🫣💗
次▶️♡1302
[2026/3/2投稿]
コメント
2件

戦闘シーンの描写がガチ好きです!!確かに戦闘音とかであんま聞こえないはずの足音聞こえるのよくよく考えたらバケモンですね、、!そこもいい!🫵💖