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第1話【はてはて】
私の名前は、広塚ゆい。大阪出身の24歳だ。私はYouTuberをしていて、活動名は【ヒロイ】で活動している。登録者はざっと200万人。まあ有名なところではある。そんな私は、とある実況者に肩入れしている。
それが、
『あ!!!【キヨ。】YouTube2分前にあげてる!?早めに見れたラッキー!!!』
そう。【キヨ。】というYouTuberだ。
キヨは、YouTubeで色々なゲームをしているいわゆる実況者だ。笑い方の癖や、叫び声で有名になったり、その他にも語彙力や説得力など、良いところが沢山ある私の推しだ。
私はそんな大好きなキヨに憧れてYouTubeを始め、2年で200万人まで上り詰めた。
『あ!そろそろ動画投稿の時間かな!』
私は、自身の部屋に行き、いつもの椅子に座り、愛用しているパソコンの電源をつけ、ヘッドフォンを付けて、口を開く
『みんなおつおつ〜、ヒロイです!今回はポケモンのバイオレットの続きしていくよ〜』
画面とにらめっこをしながら、大好きな推しのことやポケモンのことを語る。
『そーいえば、今日ね!キヨの動画2分前に見れたんだ〜…!ほんっっとに嬉しい、スマホ握ってて良かった〜ほんと!!(笑)』
『パーモット!そうそう!ぁああ”あ”あ”!』
叫んだところで、キリをよく収録を止める。 私は体をぐーっと伸ばし、机に頭を乗せ、
『今日はよく叫んだな…喉が痛い…うぅ…』
編集と体の重みに悶えながら、私はキヨの歌を聞きつつパソコンと引き続きにらめっこをする。
『ーーよし!動画アップロード…っと!今回1時間半…もうちょっとカットした方が良かったかな…?ま、いいか!!』
ようやく終わった編集に疲れ果てて、近くにあった猫の可愛らしいクッションに顔を埋める。しばらくクッションに顔を埋めて癒されている時、ふと思いついた。
『夜ご飯、食べてないな…、作る気力ないし、コンビニまで行くか』
私は、疲れ果てた体を頑張って起こし、お気に入りの部屋着を着たまま、近くにあったバッグと鍵を持って家を出る。自分の家からコンビニまでの距離は短いので、5分程度で着くぐらい。
「いらっしゃいませー」
(どれにしようかなぁ〜)
カップラーメンや、うどんなどが並んでいるところに足を止め、その場で腕を組み考える。 すると、私の後ろに人が通ろうとしているのに気づき、少し前にずれる。そしたら、通ろうとしていた人は軽く私に頭を下げ飲み物があるところに足を運んだ。
(人見知りなのかな?髪は派手だけど…)
私の後ろを通った人は、赤のメッシュが入った茶髪だった。結構目立つ髪色をしていたので、人見知りだとは思わなかった。しかも、デカい。
私自身は正直コミ障なので、人と会話出来ないので仲間意識がその人に出来た。
私は、カップラーメンを商品棚から取り、レジに向かう。レジ係をしていたバイトさんは、私があまりにも暗かったのかすぐにレジを済まして無言で私の前に商品を置く。
まあしょうがないだろう。
コンビニから出ようと後ろを向いた途端、突然何かにぶつかった。
「あ、…い…せ…ん。」
『えっあっ、は、はい、!』
視界が暗くなったと思えば、さっきの派手な髪色の人だった。あまりにも身長が高かったもので、その人のお腹に埋まってしまったらしい。さすがにこれはデカすぎないか、と思った私はふと顔を覗いてみる。
すると、見覚えがある顔が見えた。
『え、…?』
「、?すいません、レジしたいんで、…」
『あっすっ…すみません、!』
見間違いでは無い。
見間違えるわけが無い。
あの赤のメッシュの入った茶髪、グレーのジャージ、そして、大きな目。
私の大好きな、推しと一緒の顔をしていた。ていうか、あれはもう推しだ。
私は、コンビニから出て近くの椅子に座り、考え込んだ。
(確かにここ、キヨの住んでるところの近くだけど…!出会うとは思わなかった…あああぁ!)
興奮と汗が止まらない私は、ベンチに座ったまま足をじたばたさせる。周りは、やばい人だ、と私から離れていき、私はそれに気づいて顔を赤くする。
気を取り直し、隣にあった自販機でコーヒーを買った。
『…にが。』
「…あ、さっきの…、」
『…どえっ!?、、…あつっ!!!???』
「えっ、」
私はさっきのキヨから話しかけられて思わず飛び跳ねた。すると、右手に持っていたコーヒーが私のへそ辺りにこぼれた。熱さと驚きで私は頭が真っ白だった。
「あ、あの、こ、こぇ…これ、… 」
『あぇ、あ、ありがとうございますっ…!』
キヨのハンカチ…!と嬉しさを抱えつつ、自分のコーヒーが着いたところを拭く。
「じゃあ…僕はこれで…、」
『え、は、ハンカチは…、!』
「え、いや…返さなくていいんで」
「では、、」
私が止めようとした時にはもう私から離れていた。歩くスピードが早かったので追いつく隙はなかった。(キヨに会えて嬉しい)と、(キヨに塩対応された…悲しい…)の気持ちが絡まりながら私はゆっくり家に帰った。