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「はぁ…憂鬱だわ…」

私は馬車に乗りながら呟く。

「お嬢様、そんな事言わないでくださいよ。寂しいなら私が一緒に学園に同行することになったからいいじゃないですか。」

「いや、そうじゃないんだけれど…」

私の名前は梨々愛。ある日乙女ゲームの悪役になっていたことに気がついた。私は15歳になったから学園に通うことになってしまった…。私が今憂鬱な理由は、ゲームのストーリーがそろそろ始まってしまうからだ。ゲームのストーリーは私のメイド兼ヒロインの一華と学園に入るところから始まる。なんとかして学園は避けたかったけど、王命で15歳になった貴族は入ることになっている。王命に逆らえば、それこそBADEND直行だ。それだけは避けたい。と、いうことで学園に入ってしまった訳だが、せめてもの反抗でゲームの梨々愛と違う行動をとることにした。ゲームの梨々愛はメイドと自分との格の違いを見せつけるために常に一華を側に置かせていた。だが、私は学園の寮に待機して貰うことにしたのだ。そうすれば攻略対象と会う暇もないし、一華には悪いがしょうがない。一華も最初は嫌だったみたいだが、今は渋々受け入れている。

「しかし、お嬢様本当にいいんですか?秀一様に挨拶もいかないで…」

「秀一様はそんなことで怒らないでしょ。多分」

「まあ、怒らないでしょうけど…」

秀一というのはわたしの婚約者かつ、ゲームの攻略対象だ。他にも色々攻略対象はいるのだが、秀一はメインの攻略対象で、一番攻略しやすい。一華がそのまま攻略していったら、おそらく秀一ルートになるだろう。それだけは避けたい。秀一ルートではBADENDでもHAPPYENDでも私は死ぬ。死にたくない。私、花園梨々愛はBADENDでは暗殺されるし、HAPPYENDでは断罪される。ナイフで切りつけられて死んだり、首をギロチンで切られて死ぬのなんて嫌だ。多くの人に看取られて幸せに死にたい。そのためにも、婚約者の鳥ノ和秀一とは関わらないほうがいいし、ヒーローの秀一とヒロインの一華は近づけないほうがいい。一華はきっと秀一のことが好きだろうけど、こっちが生き残るためだ。どうにか許してほしい。そうこうしている間に、馬車が学園に着いてしまった。ああ、私の悪夢が始まってしまう…。

第3話 おわり

転生お嬢様と年の差メイド

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