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「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。規則を重んじ、勉学に励み、輝かしい学園生活を送ってください。学園の規則、第一条、〜〜第二条〜〜第三条〜〜」
はぁ…もうこれで入学から逃げることはできない。私は梨々愛。ゲームの世界の悪役キャラ。学園に入ると強制的にゲームのストーリーが始まってしまうため、入学が嫌なのだが、お父様のせいで連れてこられてしまった。いっそ、退学でもしようかな…。いや、駄目だ。お父様に怒られてしまうし、一華が悲しんでしまう。ヒロインの反感を買うことは避けたいし、一華が泣くのを見てると心が罪悪感で締め付けられる。…結局、通うしかないよなあ。全寮制で逃げ場もないし。ゲームでは梨々愛と同じ部屋の子は明かされてなかったけど、どうなんだろう。いい人でありますように…。ゲーム関連の子じゃありませんように…。
「〜〜はい。それでは改めて入学おめでとう。君達はこれからA〜Dクラスに分けられます。各教室前の廊下の張り紙に名前が書いてあるので書いてあった教室に入るように。」
あ、色々考えてたら終わっちゃった。とりあえず教室前に行こう。まぁ、ゲームの梨々愛はAクラスだったからクラスは知ってるけど…えーと、私のクラスは……あれ?Aクラスの張り紙に名前が書いてない。もしかしてゲームと展開が変わった?…よっしゃ!これでゲームのヒーロー達と同じ教室じゃなくなった!まあ教師とか別クラスのヒーローとか、色々問題は残るがいいだろう。えーと…私はBクラスか。ガラッ私は嬉しい気分に満ちながらドアを開けた。そして席につく。隣の席を見ると、エメラルドグリーンの瞳をした片目を隠している短い茶髪の少女がいた。よかった…ゲーム関連の子ではなさそう…。
「よろしくね。私は花園梨々愛。」
「よろしくお願いします。私は風入蓮(かぜいりれん)。」
よかった。いい子そう。確か隣の席の人がそのまま寮で同じ部屋になるんだよね。……ん?風入?蓮?それって…ゲームのヒーローの名前じゃない!たしか病気になって行けなくなってしまった妹のために女装して学園に来たヒーロー!そう考えると見た目も一緒だ…てことはヒーローと一緒の部屋!?しかもヒロインも私と一緒の部屋だからヒーローとヒロインが一緒の部屋ってことじゃん…はぁ…私の学園生活、ほんとにどうなるんだろ…
第4話 おわり