前回のあらすじ
虎狛とファミレスにきた彗。そこで虎狛が詩葉に告白されていたことを知る。
~第五話 人生最大の失敗~
「実はさ、大学入学した後に詩葉に告白されたんだ。」
虎狛は言った。詩葉は虎狛のことが好きだったのか。なるほど、詩葉が虎狛に着いて行った訳がわかった。意外とショックだった自分がいるが
「いやなんで?何したら厨二病のお前がモテるんだよ。」
少し皮肉を混ぜて言うと
「彗、無理しなくていい。思ったことを正直に言えばいい。」
と虎狛は優しく言った。そう、虎狛はこういう奴だ。人が悲しんでいたら放って置けない優しい男。だからこそ言えるわけないじゃないか。こんなこと。そんな気持ちさえ言葉にできず、
「いや、無理なんかしてない。そんなことよりなんで厨二病じゃなくなっているのかが不思議。」
と言ってしまった。こうやって自分の気持ちを抑えてしまうことはあまり良くないことだってことはわかってる。でもなぜかこの気持ちを言うつもりになれない。虎狛は何かを察したように
「とりあえず冷めちゃったから食べようや」
と優しく訴えかけた。俺は静かに頷いて冷めてしまったオムライスに手をつける。沈黙の時間が流れ、ついに気まずくなったのか虎狛が
「なあ、俺が詩葉に告白された時、なんて返答したと思う?」
と質問してきた。俺は
「ちょっと厨二病ぽく返したんじゃないの?」
と答えた。すると虎狛は笑いながら
「いや、そんなことはしなかったよ。でも『君はマイハニーにするには強すぎる』とは言ったさ。」
それを聞いて俺は笑ってしまった。気まずかった二人の間に楽しい雰囲気が流れた。
「確かにそれは合ってるかもな。」
昔から虎狛はみんなを笑わせるムードメーカーだった。厨二病と言ったって空気を読めない発言はしない。
そういう一面があったから詩葉もこいつを好きになったのかもしれない。
「結局、詩葉と付き合うことはなかったんだけどね。」
そんな話をしているうちにファミレスの閉店時間に近づいてきた。時計を見ると7時になっていたので立ち上がった。虎狛も時計を見て
「出るか。」
と言って立ち上がった。二人でレジに行って虎狛が財布を出したから
「今回は俺が呼んだから払うわ」
と奢る意思を伝えると
「そういうのは何も言わずに払うのがカッコいいのだよ」
と言って俺の分も払ってしまった。くっ、無駄にイケメンに見える…いや実際イケメンなんだけど
店を出ると虎狛が
「それじゃあ、私は家に帰還致す。。久しぶりに会えて楽しかったぞよ。」
と帰っていった。
ああ、会えてよかった。
つづく…
あとがき
みなさん、虎狛、いい奴ですねー。名前は白司と決めました。「厨二病入れたい!」と白司が言っていたので厨二病を入れました。実は僕の数少ないお友達の中に稀に厨二病が出る心優しい少年がいるんですけどその子がモデルになっています。
後ここで話すことではないんですが、詩葉の話が終わったら後一個描きたいのがあるのでそれが終わったらteller引退かなということをお知らせしておきます!
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