中也女体化
中也愛され
転生
太中◀︎今回はこれがメイン
敦中
芥中
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太宰視点
私は確かに自殺したはずだった
中也に会うために死んだはずだった
なのに目を覚ますとそこは、
見たことの無い世界だった
死後の世界では無い、前とは違う、『ヨコハマ』が存在しない何処かに私は居た
“個性”という異能に近い力を持つ人間がうじゃうじゃといる、それが普通の世界
一見、自由で多様性が尊重されているように見えて、
“無個性”と言うだけで除け者にされる残酷な世界
世界中がヒーローを過信し、ヒーローこそが正義の世界
そんな世界だった
目が覚めてまず目に入ったのは、ゴミだらけで汚い部屋だった
テレビは着きっぱなしで、『ヴィラン』がどうとかいうニュースが流れている
そこら中にゴミや服、ガラスの破片が散らばっている
どこか分からないそこで、私が最初にしたのは自分の姿を確かめることだった
この場合、きっと『転生』とか言うのだろう
明らかに低い視線で、直ぐに元の体ではなく、子供の体なんだということがわかっていた
まずは自分の容姿を確かめようとこの家を散策し始めた
きっとこっちだろう、という勘だけを頼りに部屋の戸を開けていく
最初に開いたのは物置部屋
先程居た部屋よりも手入れが行き届いていないみたいで、戸を開けた瞬間に埃が舞った
少しむせてしまった
次に開いたのはトイレ
此処だけはまだ他の部屋より綺麗だ
まぁ汚い所で用を足したくなんか無いだろう
次に隣の部屋の戸を開けた
どうやら洗面所と風呂場だったらしい
先程のトイレよりもっとマシだった
運良く大きな鏡が置いてある
所々ヒビが入っているがまァいいだろう
恐る恐る鏡の前に立つ
でもその恐怖心も直ぐに消えた
鏡に映ったのは幼少期の自分と同じ姿をした少年だった
自分の記憶では5歳くらいだ
少し違う点があるとすれば其れは昔の自分よりも大分痩せている事だ
昔からそこまで食べる方ではなかったし、痩せていたがより痩せていた
鏡を見て瞬時に自分が虐待を受けている子供だということが分かる
それ程に痩せていた
決定的なのは体が傷だらけな事だ
ボロボロの服を脱ぎ捨て体を隅々まで確かめたが、
明らかに自分の手では届かないような場所に傷がある
家庭環境が悪い事が見て取れる
部屋の汚さや自分の服で何となく予想はしていたが
やはりいい気分では無い
顔を顰めつつ、先程の服をまたき直す
いくらボロボロでもまだ着ていた方がマシだ
着終わると私はまたこの廃墟のような場所をうろつき始めた
もっと細かな情報を得るために、まずは先程の部屋に戻った
きっと此処がリビングだろう
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リビングを捜索するとかなり情報を得ることが出来た
テレビのニュースによって得た情報は
“個性”の存在
圧倒的な力を誇り、世界が頼る“ヒーロー”の活躍
そしてヒーローとは真逆の“ヴィラン”の存在
『ヨコハマ』よりも発達していること
この4つ
この部屋では現在の私の父親と母親にあたる人物についても知ることができた
母親は病気がちでもうとっくに死んでいるらしい
その証拠に『太宰風花様』と書かれた大量の薬の袋と女性の仏壇がある
きっとこの太宰風花が私の母親なのだろう
父親宛てに病院からの手紙があり、そこには入院中の様子が書かれていた
どうやら手術が必要らしい
だがその手紙はぐちゃぐちゃになっている
きっと母親は手術代を払って貰えず、其の儘病気に苦しみながら死んだのだろう
父親はまだ生きている
となると、この傷もきっと父親が着けたものだ
唯一置いてある家族写真はヒビが入っていて、
普通の家庭の者が見たら絶対に不審に思うだろう
母と子供の顔にはアザがあり、母は痩せこけ、
子供の表情は暗く沈んでいる
父親はそんな2人の肩を強く掴んでいる
笑みを浮かべているが、その笑みも不気味だった
容姿は全員整っているが、父親以外は痣だらけで、
父親だけが健康な体つきだ
今は出掛けているのかここに居ないが、
彼が帰ってきたらだいぶ面倒な事になる
手をあげられるなんて、たまったものじゃない
いっそそのまま死んでしまおうか……
そんな事を考えているとニュースの1部が耳に入ってきた
『3日前、神奈川県横浜市で2人の男の子が行方不明になりました
1人は芥川龍之介くん、5歳。黒髪に、1部髪が白くなっており、
いなくなる前には黒のパーカーと白の短パンを着ていました
もう1人は中島敦くん、5歳。白髪に斜めに切った前髪で
居なくなる前には白のパーカーと黒の短パンを着ていました
2人は未だ見つかっておらず……』
これだ、と思った
あの2人だ
この世界に2人も来ていたのだ
なら中也も居るのではないか
何処か別の所で中也もこの世界に存在して居るのだろうか
会いたい
また会えるのなら、もし会ってもいいのなら、
彼に会いたい
またあの笑顔が見たい
今度こそ彼を死なせない
ならこんな場所で糞親に殺される場合じゃない
急いでそこら辺に大きめのバックがないか探す
丁度背負える位の程よい大きさのバックがある
そこに食材と水と着替えを詰め込み、
そこら辺にだらしなく落ちているお金を全て入れる
かなりの大金となった
それでもまだ余裕があるのでライトや時計等、
他にも野宿で役立ちそうなものを入れる
何かあった時のことを考え、
キッチンから包丁を3本抜き取り、しまう
そして恐らく自分の物であろう携帯端末を手に取る
GPS機能をハッキングして壊し、
連絡先等、父親が自分に何かしら連絡を取れるようなものが
残らないようにする為に全ての履歴を削除
番号等も全て変える
ながくは持たないかもしれないが、
それでも少しは役立つかもしれないのでバックに入れる
充電器だと思われるコードがあったのでそれも入れる
そして最後に落ちている紙に、
『もう二度と顔を見せるな
絶対に探すな』
と書いて机の上の目立つ所に置く
準備が整った
私は前世の知り合いを探しに家を出た
彼とまた一緒に過ごすために
彼を守るために―
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お久しぶりです、主です
かなり更新が遅れてしまいすみません💦
これからはもっと頑張ります!!
この後数話位太宰さん、敦くん、芥川くんの
視点のお話が続きます
これからも読んでいただけると嬉しいです!
ご視聴ありがとうございました!
コメント
7件
やつがれピッピとあつぴ君が色違いの服着てるの可愛いですね。💕✨️ 遅れても大丈夫ですよ!頑張ってください💪🔥(*´﹀`*)💕✨️︎︎𓂃⟡.·