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「そうさ、ここは俺のホテルさ」
轟は自慢げに話している。
「そして、ここは普通のホテルじゃない」
辺りを見回すと確かに何かがおかしい気がする
「気付いたみたいだな」
「そう、ここは…!」
「魔界や天界出身者用のホテルさ」
言われてみればさっきの女、上手く人間に化けているがあいつはおそらく、サキュバスだろう。
「いくら上手く化けれてもいつかは見つかる」
「人間界に悪魔がいたら追い出されるだろ?」
その通りだ。悪魔は人間に嫌われている。
その理由として、1年に1回悪魔狩りという事をしているぐらいだ。
もし、見つかったら命は無いだろう。
「だから、俺が移住してまでも作り上げた」
「このホテルは人間界と魔界を繋ぐ橋となるだろう」
すると、ずっと黙っていた颯馬が言った。
「俺が居ていいのか?」
「俺は天使だぞ」
「いくら悪魔と仲が良くても… 敵は敵だ!」
確かに、颯馬は天使。しかし、俺と仲が良かったため悪魔を助けてくれた。だが、天使と悪魔は本来対立すべき種族だ。
俺が考えている時、轟が話した。
「分かってる。」
「たが、俺は…
悪魔と天使が仲良く暮らせるような世界を作りてえんだよ!!」
その言葉を聞いた時に颯馬はハッとした。
「…そうだよな」
颯馬は天界出身だが、悪魔の俺に優しくしてくれた。
そして、俺に言ってくれたんだ。
「俺の夢はな、悪魔と天使の争いを無くす事なんだ。さらに言えば、仲良く暮らしたい。」 と。
「ごめんなさい、急に…取り乱してしまって」
「大丈夫だ」
轟は颯馬を抱きしめた、そして 颯馬は轟の胸の中で泣いていた。
「なあ、お前は先に部屋に荷物を置いてこい」
「はいよ」
俺は轟から部屋の鍵を貰い颯馬をおいて先に部屋に向かった。
「部屋は…」
俺が部屋を探していると周りをキョロキョロしている少女が居た。
「どうした?」
「あ、ごめんなさい。」
「わ、わたし部屋を探してて…」
「鍵を見せろ」
「え、は、はい…」
0125と書かれていた。
「1階の25番の部屋だ」
「あ、ありがとうございます!!」
少女は喜んで1階に行ってしまった。
「さてと、俺の部屋は…」
2階の12番の部屋へ向かった。
やっと目的の部屋につき鍵を開けて入ると高級ホテルのような部屋だった。
大きな窓とダブルベッド、シャワールームやトイレ。全てが素晴らしかった。
その大きな窓からは海が見え沢山の人が遊んでいる。
「俺も、明日行ってみるか…」
ひとまず部屋に荷物を置き1階のエントランスへ向かった。
戻ってくる途中、1つ気になったことがあるが後で聞いてみる事にしよう。
エントランスに着くと轟が待っていた。
「どうだ、海。綺麗だったろ?」
「あぁ、そうだな。 」
「明日、行くといいさ」
「なんせ、沢山の奴らがいるからな」
「あぁ、楽しみにしてるよ」
「颯馬はどこだ?」
「さっき荷物を置きに行ったな」
「は〜…」
轟に酷いことを言ってしまった事を後悔していた。ため息をつきながら部屋までトボトボと歩いていると…
「いてっ…すみません」
誰かにぶつかってしまった。
「こちらこそすみません」
顔を見ると綺麗な女性が居た。
「い、いえ。こちらが悪いんです。 」
焦りながら答えると、女性は
「何かありましたか?」
「例えば…喧嘩とか…?」
「あ、いえ。大丈夫です」
図星だった。
「いえ、私には分かります。なんせ私…」
「サトリですので」
女性はおでこを出すと髪で見えなかった3個目の目が出てきた。
妖怪サトリ、日本に居たとされる妖怪で、相手の心が読める妖怪である。
「ほお、喧嘩してしまい後悔していると…」
「そして今、その事を後で謝りたいと思っているのですね」
「ス、凄い…」
颯馬は感心することしか出来なかった。
するとサトリが
「あぁ、そろそろ時間ですので戻りますね」
「あ、はい」
「また、お会い出来るのを楽しみに待っていますね♡」
颯馬は悪寒を感じ自分の部屋に荷物を置き、急いでエントランスへ向かった。