幼馴染み　完

宮舘は、渡辺に電話したが出ない。

LINEして謝る。

既読はつかない。

頭を抱えてしまった。

その頃、渡辺は目黒の家にいた。

宮舘の晩ご飯を食べていた時の話をしている。

渡辺ーもう今回は許さない。

目黒ーん〜、だてさんやっちゃったなぁ。

渡辺ー涼太の味方するなよ？

目黒ー翔太くんの味方してあげる。

渡辺ー当たり前だ。

目黒ー康二の「ザニガニ」なんて今更な話だけどね。

渡辺ーお前との話はしたら怒るくせに、そんな前の話して何が面白い？

目黒ーまあま、落ち着いてコーヒーでも飲んで？

渡辺ーん。

目黒ーさっき鳴った電話、だてさんでしょ？

渡辺ー多分な。あっサンキュー。

目黒ー熱いから、ゆっくり飲んで？

渡辺ーなぁ、俺は許さなくていいよな？

目黒ー翔太くん、ずっと怒ってるつもり？

渡辺ー多分。

目黒ーだてさん、泣くよ？

渡辺は今は怒りが勝ってるから目黒に何を言われても「許す」とは言わない。

この先どうなるかも分からない。

そこへ、目黒の携帯に電話がかかってくる。

目黒ーはい、いますよ、まだ怒ってます、ん〜無理だと思う。

はい、一応伝えておきます。

渡辺ー涼太？

目黒ーん、謝るから帰ってきてだって。

渡辺ー帰らない！

目黒ー翔太くんちの鍵持ってるんでしょ？

渡辺ー持ってる。

目黒ー泊まってく？

渡辺ーん、ごめんな。

目黒ーいいよ、今回は特別ね。

渡辺ー明日、ここからスタジオ行っていいか？

目黒ー大きいだろうけど、服貸すよ。

渡辺ーありがとう。

こうして、渡辺は目黒の家にいる。

宮舘は、渡辺の家に行き不在と分かると肩を落として帰って行った。

明らかに、彼氏の服を着ている彼女感を漂わせ、目黒の服を着て一緒にスタジオに行く。

練習着も借りているから、裾も袖も何重も折り返し着ている。

ラウールに可愛いと揶揄われ、佐久間にも揶揄われた。

それでも宮舘の方は見向きもしなかった。

話したそうな宮舘だが、渡辺が完全に無視している。

佐久間ー彼女さ〜ん、彼氏が呼んでるよ？

渡辺ーバカ。

佐久間ー蓮が呼んでる。

渡辺ー分かった。

誰もが、今日の渡辺は可愛いと思って見ている。

携帯を持ってたら写真を撮っていただろう。

皆んな、携帯は控え室なので残念に思う。

渡辺ーどうした？

目黒ー俺、凄く睨まれてる。

渡辺ー無視して？

目黒ーきっと後で文句を言ってくるじゃん。

渡辺ー友達から服借りて何が悪い？

目黒ー悪くないけど。

渡辺ーじゃあ、そう言って？

目黒ー彼女感が漂ってるんだよね。

渡辺ーバカ。

目黒は苦笑いしている。

どう考えても割りが合わない。

渡辺の味方はするけども、嫌われるだろうと思う。

元からあまり話す方ではなかったが、これでますます話さなくなってしまう。