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ピーンポーン
「水梨ちゃーん!夏休みだから遊びに来たよーっ!」
マジカルシークレットの如月千代子は、冬熊水梨の家に遊びに来ていた。
季節は流れ、今はもう夏休みなのである。
「はーい…あ、千代子ちゃん…ごめん、汚いけど…」
「大丈夫。お邪魔しまーす…」
この二人は、数日前任務で仲良くなって、今の関係に至っている。その前は、科も違ったので、会うことはほとんどなかったのだけれど…
「はい、どうぞ座って」
「ありがとー。あれ?そういえば水梨ちゃんは配信者なんだっけ?」
「うん。結構色々やってるよ」
「へー?あ、そうだ。…凪野くんとの仲は上手くいってる?」
「えっ」
な、なぜそれを…、と言わんばかりに水梨は顔を赤らめる。
そんな水梨をみて、千代子は話を続ける。
「いやー、そっちの教官さんに言われたんだよねー、水梨ちゃんとこいくなら、凪野くんとはどうなってるか聞いてきてって」
「う、うそ…教官…」
「頑張ってね!それで、凪野くんと水梨ちゃんの合同任務!頑張ってねー」
「…な、内容は?」
「えーっと…わ!いいなー!豪華客船に潜む、殺し屋たちを討伐せよ!だって!!」
「豪華客船?」
「そうそう!あ、費用は組織が出してくれるんだって。いいなぁ、私も行きたいー」
でも、そんな大仕事を組織に入って一年も経っていない新人に任せてもいいのだろうか…という考えが水梨の頭をよぎる。
(いや!きっと教官たちは私たちを信頼してるんだ!それか、人手不足なだけなのか…)
最近は教官までもが色々な任務に駆り出されていると聞いた。岸教官が、最近の都月さん(トップの人)が人使い荒いって言っていたし。
「でも大丈夫だよ。豪華客船に乗るのは二人だけじゃないから。っていうか、結構大きい仕事っぽいしね。えーっと…ごめん。私も誰か行くのかとかはよく言われてないからさ。この資料よくみておけば、わかると思う」
「そうなんだ…」
水梨は安堵する。
でも、殺し屋って、どれぐらいの人数いるんだろうか…?
「なんか、新人を育てるための仕事でもあるらしいよ。私も行きたいって頼んでみようかなー…」
「確かに千代子ちゃん、すごいもんね。私よりずっとずっと強いし…」
「そんなことないよー。攻撃速度が速いだけ。それに、私水梨ちゃんみたいに誘惑とかできないし」
「いやいや、千代子ちゃんも可愛いし…」
水梨がそういうと、「またまたー」と千代子は照れる。
「でもさ、10月にはイポクリジーアが攻めてくるんでしょ?大変だよね。まぁ、その前にみんなを強くしておきたい教官たちの気持ちもわかるけど。だからこそ、私たちも頑張らなきゃだよね!!水梨ちゃん、一緒に頑張ろ!!」
「うん!」
一方。イポクリジーア。
「イポクリジーア誘惑科の皆に命令をする。この豪華客船に乗り込み、気づかれないように、乗客を一人ずつ殺していけ。気をつけろ、この豪華客船には、マジカルシークレットのひよっこも、殺し屋も乗り込んでいる」
「どうして私たちに?私たち、殺人専門じゃないんだけど」
「黙れ。黙って命令に従え」
「はぁい…」
真っ黒に染まっているオフィスに、一つの命令が下されていた。