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「あーおーくーん!!!」
「わっ!!」
本部で書類整理をしていたとき。マジカルシークレット普通科教官、涼風ひらりがこちらまで走ってきた。
「どうしたんですか…?」
「あのねあのねっ!!蒼くんに大きい仕事!!この組織全体とほぼ言ってもいい、そーんな大仕事!」
「とりあえず落ち着いてください」
「ご、ごめん…」
「どんな内容なんですか?」
「はい、豪華客船『マリンプリンセス』に潜む、殺し屋たちを討伐せよ!!でもなんかね、イポクリジーアの誘惑科たちも乗り込んでるみたいなの。気をつけてね」
「え…?」
豪華客船『マリンプリンセス』っていう船は知っている。有名な、なんともお高い船だそうだ。
「安心しなよ!費用はこちらで出るし、あ、一応蒼くんこの仕事のことは、『バイト』って両親の方に教えてるんだよね?」
「あ、はい…」
「バイトで遠征に出る、ってことにしてるからー。そこらへんはまぁ…ね」
「へ、へぇ…」
なんか怖い。あんまり深追いしないでおこう。
「でも、この書類を見ると、一緒に乗り込む仲間って、結構いるんですね」
「うんうん。大仕事だからねぇー。私も乗り込むし。教官はほぼかな。ちなみにね、実は費用は全部リリー先輩が負担…」
「それは言わないお約束でしょう?」
「ひっ!!リリー先輩!!」
わっ!びっくりしたっ!
でも有栖院ってすごいお金持ちな家系なんだなぁ…名前からしてもうお金持ちっぽそう。
「で、仕事は3泊4日。いやー、楽しみだなー!仕事とはいえ、豪華客船に乗り込めるんだからー!」
「浮かれてますね」
「そうそう、それでね、本当は行かなくていい奴らも行きたいって言い出して…まぁ、私は毎年お兄様と一緒に乗って旅行してますし?」
「お兄さんいるんですか?」
「ええ。かっこよくてー、ふふー…」
リリーさんのお兄様自慢を聞きながら、俺は再び書類に目を通す。
あ、水梨もいる…他、知らない名前の方も、ちらほら。噂のナンパ王もいますね…
あれ…?
「こんなに全員で任務をしてる時に、イポクリジーアの奴らが本部に攻めてきたらどうするんですか?」
「うぇ?」
「あ、それなら大丈夫大丈夫。把握済みだから」
「え?」
「うちのトップ、都月さんは未来予知の力があるの。だから全部わかるってわけ。それで、この組織が壊滅しなかった、ってのもあるわね」
「な、なるほど…」
あの人失礼だけど弱そうに見えたけど、すごい能力持ってるんだなぁ…すごい。
というかこの組織っていつからあるの?
「この組織って、いつからあるんですか?」
「あぁ、それは、私もよくわからないんだけど…リリー先輩」
「最初は、私と都月二人で結成したの。で、彩とか他いろいろ加入してきて…今こんな感じ。だからざっと…うーん…3,400年ほど前から、初期のマジカルシークレットができたのよね」
「え…リリーさん一体何歳なんですか…」
「女性に年齢を聞くなんて、無礼者!!」
「ごめんなさいっっ!!」
これなんか他の人にも言われた気がする。
まぁ、と、いうわけで俺の豪華客船任務は、もうすぐ幕を開けるのでした。