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続きです!!










日帝視点


日帝「あ、図書館のことを聞き忘れていた…!」


少し後悔しながら病舎へ戻ると、若いシスター達が数人日帝に駆け寄った。


シスター「日帝様、どうでした?」


日帝「はっ?」


シスター「あの方、ベリサリオ財閥の跡取りらしいんです!!」


シスター「世界経済の王様なんです!!初めて生で見ました~!」


老齢のシスターに見つからないように彼女達がマシンガントークを繰り広げる。


シスター「あのね…一時の気持ちならいいけれど、私達は神に身を捧げた身、気を付けなさい。」


事実、日帝は男性に心を奪われて修道院をやめていった女性を何度も見ている。その時の周りの反応は決していいものではなかったのだ。修道院のルールは厳格で、女性が「処女」なのは勿論のこと「誰かに懸想する(同性だったら以ての外)」ということはタブーなのだ。


シスター「思い出しなさい。何故私達がここにいるのかを」


日帝は「神器」をより強く握りしめた。












ひと月経った頃の夜、終課が終わり床につこうと思ったとき、聖堂の方向に何か動くものが見えた。たまに盗賊などが聖堂の宝物を取りにくることがあったので、日帝は溜め息をついた。


日帝「全く、罰当たりな奴がいたものだ…」


「神器」と灯を持って外に出ると、周りは明かりが無い闇の世界であった。警戒しながら聖堂に向かうと、光る丸いものがあった。


日帝「っ!」


なんとそれは恐竜だったのだ。だがとても小さく、自分の背丈の半分以下ほどであった。


日帝「っ!?痛ッ!!」


手を何かに咬まれて「神器」を落としてしまった。それを他の恐竜が拾い森の中へ駆け抜けていく。


日帝「待て!!」


日帝も「神器」を取り戻すべく、森へと入っていった。恐竜は脚がとても速く、なかなか追い付けない。しかし、見失わない絶妙な距離を保っているように走っており、不思議であった。


日帝(まるで…誘い込まれているような…)


恐竜がピョンと方向転換をして更に奥深くへ入っていく。灯りの届く範囲しか辺りが見えないため、自分だけ世界から切り離された気さえした。


日帝「ッ!!」


足を止めると、そこには見たことがある小屋があり、恐竜達もそこで日帝を待っていた。


日帝「…まさか」


小屋の中に入り、慎重に灯りをかざしてみると、突然小屋の奥から尾が出てきて日帝の腰に回り込み、思い切り引き寄せられた。

日帝「ああッ!!」


偶然なのか計算してあったのか、飛ばされた場所にはクッションが敷いており痛みは無かった。灯りは飛ばされた時にどこかにいってしまい、周りがどうなっているのか全く分からない。しかし、自分の目の前に「何か」が「いる」ということは感じることができた。


日帝「………?」


顔を近付けられ、金の瞳が日帝の目の前に現れた。しかし、それは「恐竜」ではなかった。


日帝「…お前っ、」


アメリカ「分かったか?俺の正体は」


心地のよい男の声が響く。


日帝「お前、アメリカ…か…!?」


アメリカ「そうさ、シスター。俺がアンタの言うアメリカだ。」


あまりの衝撃に日帝は何も言えずにいたが、アメリカは続ける。


アメリカ「シスター、まずは礼を言っておく。俺の足は君のお陰で治った。商談にも間に合ったし、感謝している」


日帝「あ、そう…か」


アメリカ「それと…日帝」


日帝の顔に軽く手を添えると顔を近付けた。


アメリカ「君のことを教えてくれ」


日帝が視線を落とすとアメリカの一方の手に「神器」が握られていた。








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