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そしてきたる修学旅行当日。 今はまだバスの中。 今回の修学旅行はあの有名なテーマパークに行く。
本当は好きな人と同じ班になれて喜ぶべきところだが、この前ENTPが言ったあの一言のせいで、僕の気分は今下がりに下がっている。現地では班を崩れて行動してもいいって…せっかく好きな人と楽しくまわれて、しかもボッチも回避できると思ったのに…。まぁそうなってしまったものは仕方ない。1人でのテーマパークを謳歌するため、僕はちゃんと準備してきた。 いざボッチの旅へ。
そして現地に到着した。そのいかにも夢と希望が詰まってそうな華やかなゲートを僕は遠い目で見つめる。本当に気がのらない。ゲートの中に入っていない今でもその憂鬱さがわかる。
まずは泊まるホテルに行って荷物を下ろしてくる。ホテルの部屋は男女で分かれており、男だったら別の班の男3人あわせて六人部屋になる。女子も同じような感じらしい。
「INTJ、荷物おきに行こうぜ。」
「あ、うん。」
一緒の班の人が声をかけてくれる。一緒の部屋の人はなるべく落ち着いた人がいい。いや、逆に陽キャの方がいいのか?どこかちがう部屋にいってくれるかもだし。いや、逆にこっちの部屋に集まってくるか?なんていう考え事をしながら2人のあとについて行く。とりあえず部屋で僕は空気になろうと思う。
部屋についた。どうやらまだ他の班はきていないらしい。
「いやぁ、相手の班誰だろうな。」
「そうだな、俺らの班は数が合わないから他クラスの班と同じらしいけど…」
落ち着いた人がいいな、と心の中で会話をする。僕は早々に荷物の整理をしている。それくらいしかやることがないからだ。 ってん?待て、さっきこの人は何て言った?他クラスの班と同じ? やばい、嫌な予感がする。 よし逃げよう。自分で言うのもなんだが手際はいいので整理はほとんど終わっている。
「あの、ごめん、俺トイレ行ってくるね。」
班の人にそう声をかける。
「おう、了解。」
念のため鞄を持って行く。時間がなくなったときにそのまま集合場所に向かえるようにだ。できれば戻りたくないからな。 そしてドアノブに手を掛ける。
ガチャ
ボフッ
「え、ウッ」
「うわ、ビックリした、だれ?」
聞き覚えのある騒がしい声。この声に僕は眉間に眉を寄せる。
「どうした?ESTP。ってあれ?INTJじゃんもしかして部屋一緒?」
「げ、ENTP」
最悪だ。嫌な予感が的中した。さよなら僕の平穏。
「なに?ENTPの知り合い?」
「ん?あぁまぁな。それよりさお前らいつまでそうしとくつもりなの?」
「「え?」」
自分の今おかれている状態に目をやると、ESTPにぶつかったことで、ESTPが僕のことを抱き締めているという何の需要もない状態になってしまっていた。
いち早くその状態に気づいた僕はESTPのことを突き飛ばしてしまった。
「あ、ごめん。」
いや、もう少し強く押しとくべきだった。
ESTPはよろけるどころか逆に押した衝撃で後ろに倒れそうになった僕を支えてまでいる。スマートすぎて気持ち悪い。これがモテる秘訣か?憎たらしい。
「いや、大丈夫。そっちは?」
「大丈夫…です」
「騒がしいとおもったら、お前らなにしてんの?」
班の人が騒ぎ(というほどでもないが)を聞き付けてやってくる。
「早く中はいれよ、同じ部屋だろ?俺らと」
「そーだな!荷物重いし。」
班の人の言葉に同調してENTPがESTPを押し退けて中に入っていく。 ついでに僕に後ろから抱きつくような形になりながら。
「おい、重い、退けENTP。」
「んー」
「おい、!」
ENTPは聞こえていないフリをする。 どいつもこいつも距離が近い。外国かよここは。
「そういえばINTJはトイレ行かなくて大丈夫なのか?行けてないだろ?結局。」
ENTPとESTPが荷物を下ろし、僕も逃げ損なったため、荷物を下ろしていると班の人がそういった。
「あぁ、そういえば…」
あれ?もしかするとこれまたこいつらから逃げれるのでは?よし、それは良い。
「忘れてた。今から行ってくる。」
「じゃあ俺も行く。」
ENTPがいきなりそういう。
「は?」
「なら俺も行こ。」
ESTPまでそういう。はぁ?こいつらが来たら意味ないじゃないか。
「…なら俺はやっぱやめとく。2人で行ってこいよ。」
「えーじゃあ俺も行かない。」
またもやENTPがそう言い出す。
「なら俺も行かない。」
そしてそれに賛同するESTP。 どこかでみたことあるようなネタだな。 じゃなくて意味がないじゃないか。クソ。
「お前ら仲良いな」
「だろ?」
ENTPが自慢げにいう。どこをみて仲がいいと判断したのか…。明らか僕がいやがってたじゃないか。
少し時間が立ち、僕は暇なので本を広げで読んでいると、班の人がいきなり慌てたように話し出す。
「ヤッベェ!もう時間だ!今すぐ降りても間に合わねぇぞ!」
「え?!うそっ、まじ?」
うわ、最悪だ。全く時間をみてなかった。
「ほら!INTJ早く行くぞ!」
その声を聞き、散らかしてしまった本を急いで片付けるとENTPがまたもや声をかける。
「もう行くぞ!」
その声にいっそう焦ってしまい、もたついてしまう。
「ちょっと、まって、僕まだ準備が…」
そういうとENTPが少しびっくりしたような様子で、でもすぐにいつもの調子に戻って、
「なら早く、荷物持ってやるから。」
そういった。荷物が準備できるとENTPがそれを持ってくれ、皆廊下を走り出す。
今は階段を掛け降りているが、少しやばい。日頃から運動をしていないのが仇になったのか体力の限界がきてしまった。
「大丈夫か、INTJ。」
「ハァ、ハァフー あ、あぁ、」
呼吸をなるべく整えながらENTPの言葉に答えていると急に体が宙に浮いた。
「は、え?ちょ、ESTP、何してんの、?!」
「お前を担いで持ってってやろうと思って。」
「いや、いいから、おろせ、!」
まだ今の状況についていけてないが、なんとか返答する。
「でもこの方が早くない?」
「それは、」
ごもっともだが…
「…ESTP変わってやろうか?最近INTJ太ったらしいから重いだろ。」
「なっ、」
こいつ、内緒って言ったのに!
「いや、大丈夫俺にとっちゃ軽い方だし」
「おい!お前ら!しゃべってないで早く行くぞ!」
その言葉にESTPとENTPは走り出す。
…いや、おろせよ!
「おい!ほんとにおろせよ!もう走れるから!」
「なに?INTJは、お姫様抱っこの方がいいの?」
「ちがう!こんなところみられたくな((
「INTJ、もう少しまわりみてみて?」
「い…、」
周りを見回すとそこにはたくさんの修学旅行生徒の姿が …。恥ずかしい講習の面前で情けない姿を見せてしまった…
「あ、静かになった。」
「うるさい…」
「おいお前ら!早く並べ!遅れてるんだぞー!それとESTPはINTJを下ろしてやりなさい」
「はーい。」
そういいながらESTPは僕を下ろす。 本当に恥ずかしい。先生の顔がみれない。まぁこんな話しも先生になかったかのように終わらせられ、僕の羞恥心も少しは減る。
「それじゃあくれぐれも迷子になったり、他の人に迷惑かけたりしないこと!高校最後の修学旅行楽しんでこい!それじゃ解散!」
その言葉に皆動き出す。僕も先生にボッチだとばれないように人混みに紛れて移動する。
最初の行き先の目処はたっている。ここに来るまえにした調べしてきた。始めに行くのはテーマパークの奥らへんにあるカフェだ。
「よし、ついた…」
目的の場所につき、ドアノブに手を掛け、ドアをあける。
カランカラン
心地よいベルが音を鳴らし、店内に響かせる。
「いらっしゃいませ。」
入ると、定員さんが挨拶してくれる。僕はそれにお辞儀をして返す。 店内の窓際のカウンター席に座り、メニュー表を見る。ここはコーヒーが有名らしいが、生憎コーヒーはそのままでは(苦くて)飲めないのでミルクと砂糖を追加してもらう。ついでに苺のショートケーキも注文しようとおもう。
「すいません。」
「はい、ご注文をお伺いします。」
「コーヒーを一杯。砂糖とミルク追加で。」
「はい。」
「それと苺のショートケーキを一つ。」
「ご注文繰り返します。コーヒー砂糖、ミルク付きが一杯。苺のショートケーキが1つですね。」
「はい。」
「かしこまりました。それでは少々お待ちください。」
定員さんが去っていく。 ここのお店の雰囲気はカフェというより喫茶店に近い。僕のバイト先の喫茶店と同じ雰囲気がする。まぁ少々アトラクションの叫び声がするが。 さて、ここで僕が持ってきたテーマパークを謳歌するための道具を紹介しよう。本だ。10冊ほど持ってきている。ただ本をたくさん持ってきたわけじゃない。恋愛、ミステリー、ファンタジー、ホラーその他いろんな種類の本を持ってきた。さて、料理が届くまで本を読んでいるとしよう。
15分たち、1cmもないほどのうすい恋愛小説を半分ほど読み終わったとき、ふと顔を上げる。まだ注文した料理が届いていないなとおもいながら、少し店内を見回してみる。すると店員さんがお盆にケーキとコーヒーをのせ、こちらにやってきた。
「すいません、大変お待たせいたしました。こちらコーヒーとケーキでございます。ミルクと砂糖、こちらおいておきますね。」
「ありがとうございます。」
「ご注文はこれで全部ですか?」
「はい。」
「それではごゆっくりどうぞ。」
さて、料理も届いたことだし、本の続きでも読むとしよう。
30分ほど立ち、ちょうど本を読み終わったのでこの店をでることにする。あまり居座るのも良くない。席をたち、会計場所へ向かう。
「お願いします。」
「はい、…それではお会計1200円でございます。」
「はい…」
あれ、おかしい。財布がない。あ、部屋をでるときいれるのを忘れたか…。しまったな…どうしようか。確かスマホに2000円ちょっと入ってた気がする…。
「あの、スマホ決済いけますか?」
「はい、こちらにタッチお願いします。」
スマホを機械にかざす。するとピコンという軽やかな音がなる。
「こちらレシートになります。」
「ありがとうございました。」
はぁ、よかった足りて。賭けに出た勝負だったので少し安心する。さて、ここからはお金のかからない静かな場所にいかなければならないな。 少し大通りを歩いていると、妙に先が明るい路地裏を見つける。なぜかは知らないが、僕はそこに引かれるようにして入っていった。
路地裏といってもあまり狭くはない道を通り、先へでると、小さなベンチが1つおいてあった。柵があり、柵の向こうはアトラクションの湖になっている。だが、離れているため、水はかからない。
「良い場所見つけたな。」
ちょうど良いししばらくここにとどまることとしよう。
一時間か過ぎ、この風景にも少し飽きを感じ始めた。
「そろそろ場所を移そうか。」
立ち上がり、またあの路地裏を通っていく。路地裏を出て、少し歩いたところで後ろから声をかけられた。
「おにぃさーん、少し私たちと遊びませんかぁ?」
「え?」
…酒臭い。どこかで飲んできたようなこの女性は僕の制服にしがみつくようにして話してくる。
「ほらぁ、行きましょう?」
「え、いや、ぼ…俺は…」
「すみませーんこいつ、俺の連れで。」
聞き覚えのあるムカつく声。
「ENTP、!」
ENTPはこちらを見、ニッっと笑う。
「えぇーじゃあそっちのおにぃさんも一緒にどうですかぁ?」
「いやぁ、てか俺ら修学旅行生徒なんですいません、怒られちゃうんですよねぇー」
「えぇ、残念。」
「そういうことですから、それじゃあ、」
その女性から少しはなれ、歩くと、ENTPがこちらに振り返る
「まさかINTJがナンパされるとは」
「ムカつくが俺もビックリしてる。」
ENTPはなぜか少し呼吸が荒いように見える。
「おぉーい!ENTP!って、INTJじゃん」
「ESTP…」
「あぁーENTPが急にやばいって言って走り出したのはINTJが居たからか。」
「はぁ?」
「ちょっとESTP黙っとけ。」
「てか、INTJ一人なの?俺たちとまわる?」
「いや、俺はべつ((」
「いこうぜINTJ、せっかくだしよ!」
「え、ちょ、」
「なら先にちょっとお土産見ねぇ?」
「はぁ?なんで?普通アトラクションだろ」
「いや、ちょっと気になるもん見つけちゃってさ。」
「へぇ、そりゃ気になるな。INTJ、行こうぜ。」
「え、いや、でも俺部屋に財布忘れて。」
「じゃあ奢ってやるよ。」
「…いや、悪いからあとで返す。」
「べつに良いのに」
「ほら!行くぞお前ら!」
「はーい!」
「うん…」
おまけ
ESTPの会計を待っているINTJとENTP
「ESTP遅いなぁ。」
「そうだな…てかENTP、お前俺がちょっと太ったの黙っとけって言っただろ!」
「え?あぁべつに良いじゃん。逆にINTJ痩せすぎだからちょっと太ってる方がちょうど良いって。」
「そういう問題じゃ…」
「てかなんで太ったの?INTJちゃんとしてそうなのに。」
「…えっと、それは…」
「それは?」
「駅前のケーキ屋さんでやってるスイーツ食べ放題に行ったら、美味しくてつい食べ過ぎて…」
「ふーん。ニヤニヤ」
「…なんだよ。」
「なんでも?」
「ごめんごめん!遅れちゃった!レジ混んでてさ。」
「だから早く済ませろって言ったのに。」
「まぁいいじゃん。」
「じゃ、続きまわろう。」
「「…」」
「どうした?」
「いや、INTJ乗り気だなと。」
「え?」
「そんなに俺たちとまわるの楽しかったの?ニヤ」
「ち、ちがう!うるさい!」
はぁーい!驚異の5714文字!自分でもびっくりしてます。ほんとはこれENTP視点のも作りたいとおもったんですが時間とやる気がなくてですね。すみません。 それじゃあ次の話楽しみにしててください!バイバイ!