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夏祭り 健全
rbkg
付き合ってる
『夏まつりいこうよ』
…なんか秒で既読ついた なに?
近所やったからせっかくならと誘ったけど、いきなりすぎか?今日やけど平気かな
『いいよ』
『いつ?』
おー、よかった。断られんかった
『今日』
『おーまじですか おっけー』
おー。こいつ結構フッ軽やもんな。そりゃいけるか
家までいっていい?と入力して、送信しようとした時、 『あとで家いくね』という文字が見えた
すこし持ち上がった口角に気づいてから、『まってる』と一言送信した。
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さっき家まで向かいに行って、今向かってる。近いからもう着きそうかな
「カゲツは食べたいものとかある?」
みたいものとか、と言うとカゲツは少々考えていた
「んー、やきそば。うまいから」
「いいね、食べよ。買ってあげる」
夕方だけどまだ明るくて、日中よりは涼しいけどまだ暑い。でもちょっと風が気持ち良いかも
会話が終わって適当な事を考えていたけど、さっきからカゲツがなにか言いたそうにこっちを見てるんですよね
「なあほしるべ。ぼくいじっていい?それ」
主語がないけど、おそらくカゲツが指差した先のこれのことを言ってるんだろう。
「それって、俺の髪ですか?」
「うん、ええ?」
「いいけど、結べるの?」
髪縛るくらいできるわ!と言うので任せることにした。どっかで座りますかと声をかけて近くの段差にしゃがみこむ
「うわー、あつそう。ぼくまで暑くなってきた」
「カゲツは涼しいでしょ。 そういえば何の髪型してくれるの?」
「んー。お団子って思ったけど三つ編み!」
カゲツとお揃いだなぁなんて思っていたらすぐに完成していた
「どうや!」
「んー、まだ暑いね。でもありがと」
「緩くしすぎたわ。なんかほぼ変わらんくない?」
「うん、変わんないかも」
「…まあ、いいやん?似合っとるよ。それに」
「ぼくとお揃い、やし」
「!…うん、そうだね。おそろい」
可愛くて愛おしくて、優しく髪を撫でてやったら 静かになっちゃった。てっきりいつもみたいになんやぁって鳴くと思ったのに
「ほら、行こ。焼きそば売り切れちゃうよ」
「ん」
差し出した手に返ってきた指一本を愛おしく握って、お目当ての屋台まで歩き出した。
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お目当てだった焼きそばを嬉しそうに抱えるカゲツを横に、俺はふと目に止まった綿飴を見つめる
「綿飴?ほしいん?かう?」
「買う」
鮮やかな綿飴を差し置いて真っ白な綿飴を購入した
「見て、カゲツみたい」
「白いふわふわや」
「カゲツの髪の毛みたいと思ったけど、わたくもくんにも見えるね」
「ほんまや。確かに」
言い出したら可愛くて食べるのが勿体無い気がしてきてた。食べますけどね
焼きそばも一緒に食べましょって言ったら変な組み合わせって言われちゃったけど
「うま」
「家で食うんと全然ちがうわ」
「えー、俺にもちょうだい」
「ん、やるよ。どう」
「…うまいわ」
「やろ?ぼくにも綿飴ひとくちくれ」
「…甘いなこれ。おいしいけど」
「ね、甘いよね。あげます」
「ええ、押し付けやん」
しょうがないから貰ってやる、って言って受け取ってくれた
しばらく食べている姿を見るだけの時間を過ごして、ごちそうさまと共に食後が少し眠そうな彼を見つめた
「屋台寄り道しながら帰るか」
「うん」
美味しかった、と小さく呟く恋人の手を強く握って、ゆっくりとまた歩き出した
コメント
2件
初めまして、コメント失礼致します!あまりにも可愛すぎるタコ忍ににやにやが止まりませんでした…!ほのぼの甘々おデートとてもツボです!ご馳走様でしたァァあ😭🙏✨✨✨