救急車で銀河が運ばれた先の病院の玄関で、私は彼といつもいっしょにいる3人のホストたちを、落ち着かない気持ちで待っていた。
「理沙! 銀河は……!」
駆け付けてきた3人の中から、目立つ長身の三日月が、声を上げた。
「三日月…みんなも……来てくれて、よかった」
ひとりじゃ不安でしょうがなくて、みんなの顔を見ると、安堵から思わず涙が流れた。
「……銀河は、今は処置が済んで、病室で休んでる……」
「処置って……大丈夫なのかよ、あいつは!?」
流星が、声を荒げる。
「うん…お医者様は、命の危険はないからって、言ってたけど……」
「けど…何?」
天馬がいつにない大声で聞き返す。
「……命の危険はないけれど、でも、血が流れていた時間が長過ぎたからって……だから、目覚めるのに、もしかしたら時間がかかるかもしれないって……」
「そんな……っ」
と、三日月が悲痛な声で叫ぶように口にした。
病室まで3人を案内して、彼のベッドの傍らに寄った。
「寝てるのか…?」と、流星が銀河の顔を覗き込む。
「今は、鎮痛剤の作用で、眠ってる……」
「鎮痛剤って……そんなに、痛みが?」
憔悴した顔立ちで、たずねる天馬に、「うん…」と、頷く。
「傷口を、だいぶ縫ったみたいだから……」
「そんなのって……なんで、銀河がこんなことに、ならなくちゃいけないのさ……」
口にする天馬の目から、涙がこぼれ出る。
流星は、やり場のない怒りと悲しみに、拳を固く握りしめていた。
「こんな……こんな目に、銀河をあわせたのは、誰です……!」
三日月が、低く声を落とした。
「……銀河を刺した女性は、『銀河は私だけのものなのに!』って、わめいてた……何度も、何度もそうくり返して……」
「……まさか、それって……」
と、天馬が言葉を切る。
「それって……あの女じゃ、ないのか……」
流星が、続けて言う。
「……みんな、知ってるの……あの女性のこと……」
恐る恐るたずねると、
「ええ…」
と、三日月が肯定の返事をした。
「それはきっと……銀河のお客だった女性です……」
そう三日月が言葉を継いだ。
コメント
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自分だけのものって言い方が怖い😱