人狼ゲーム……?
聞いた事のないゲームに、私は戸惑った。
早苗:「あっ私、外の世界で聞いた事あります。やった事はありませんが……簡単に言うと、市民陣営と人狼陣営で騙しあうみたいなゲームですね。」
ゲームマスター:「簡単に言うとそんなかんじだね。でも、この人狼ゲームはひと味違う。その人狼ゲームを、リアルに体験する事ができるんだ。」
え?そんな簡単な事でいいの?っと思ってしまった。
市民陣営と人狼陣営で騙しあうだけだったらすぐ終わるじゃない。
パチュリー:「それだけ?それだけの為にこんな場所に私達を呼んだの?」
早苗:「……人狼ゲームはただの騙しあいではありません。話し合いを行って、人狼と疑わしい人を選び、その人を処刑するんです。もちろん、実際に処刑するわけではありませんが、この場合はきっと___」
__本当に処刑される。
早苗が最後まで言い切らなかった言葉を、私は理解した。
周りを見渡すと、みんなもその意味を理解したらしく、青ざめた顔をしていた。
処刑……つまり命の終わりを迎えるということだから。
ゲームマスター:「いいねいいね、その表情♪僕の大好物だよ!」
アリス:「ゲームマスター……貴方には人の心っていうのがないの?こんなことして、私達の怯える様子を見て喜んで!」
ゲームマスター:「僕はただ、自分の好きな事をしているだけ。それのどこが悪いんだい?」
ゲームマスターは、平然とした表情でアリスの質問に答える。
……本当に、こいつは人間なの?
アリス:「悪いに決まってるでしょ!好きな事でも、やっていいことと悪い事が…!」
魔理沙:「アリス、こいつに何言っても無駄だ。それに、どうせこのゲームを拒否することは出来ないんだ。それなら、受けてたとうじゃないか。」
アリス:「魔理沙……」
確かに、魔理沙の言う通りだ。
ここから出るには、ゲームマスターの命令に従うしかない。
しかも、ゲームマスターは私達の能力を持っている。強化もされた常態で。
能力がない今、私達は無力同然だ。
ゲームマスター:「それじゃあ、ルール説明をしようか。」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[人狼ゲームのルール]
人狼ゲームは、市民陣営と人狼陣営にわかれて行います。
昼の行動では、全員で話し合い、人狼と疑わしい人物を一人選んで処刑します。
処刑は、ゲームマスターが行います。
夜の行動では、人狼が市民陣営の誰かを指名し、指名された人を処刑人が処刑します。
また、人狼以外にも夜の行動ができる役職があります。
[役職]
市民陣営→市民・占い師・狩人・霊能者
人狼陣営→人狼・狂人者
[勝利条件]
市民陣営の勝利条件→人狼を全員処刑する
人狼陣営の勝利条件→市民陣営を全員処刑する、または人狼と同じ人数にする
また、今日の夜の行動ではモブの村人が処刑されます。
_________
ゲームマスター:「これだけ説明すればじゅうぶんかな?役職の説明とか、詳しい事はこの端末機器に書いてあるから、見てみておいて。」
そういうと、ゲームマスターはみんなの前に端末機器を置いた。
黒くて薄っぺらい……板みたいね。
ゲームマスター:「さて、僕からの説明はこれで終わり。端末機器には自分の役職がのってるから、ちゃんと読んでね。あ、もちろん他の人達の役職は見れないよ。あとは、4人部屋が3つ用意されてるから、君達で決めておいて。」
霊夢:「それじゃあ、部屋割りを決めましょうか。」
[1部屋目]
博麗霊夢、霧雨魔理沙、魂魄妖夢、東風谷早苗
[2部屋目]
フランドール・スカーレット、十六夜咲夜、パチュリー・ノーレッジ、アリス・マーガトロイド
[3部屋目]
鈴仙・優曇華院・イナバ、藤原妹紅、古明地さとり、古明地こいし
咲夜:「それで、肝心の部屋はどこにあるの…って、いないじゃない。」
ゲームマスターは私達が部屋割りを決めている間に、どこかに消えてしまった。
部屋を探すのは、なかなか骨が折れそうね……
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部屋の場所は、端末機器っていうのに全て書いてあったから、以外とすぐに見つかった。
端末機器の使い方には苦戦したけど…
私の役職も確認した。どういった能力かも。
ゲームマスターの言っていた通り、他の人の役職は見れなかったけど、どういった役職があって、どういった能力かは確認できた。
魔理沙:「はぁ、本当にやらないといけないのか?こんな狂気じみたゲーム。」
霊夢:「『やらないといけないのか』って……貴方、結構乗り気だったじゃない。」
魔理沙:「あれはその場しのぎみたいなものだぜ。まぁ、やらないといけないっていうのは何となく理解してたし。」
それもそうね、と頷く。
夜の行動は12時から。
10時になったら強制的に眠ってしまうらしい。
私だってやりたくない、こんなゲーム。
でも今は従うしかない。
ゲームマスター:『もうすぐ10時だよ。もう一度人狼ゲームのルールを確認してからベッドに入ってね。』
部屋に付いているスピーカーからゲームマスターの声が聞こえた。
ゲームマスターの言っていた通り、もう一度ルールを確認して布団に入った。
朝になれば、昼の行動で誰かが死ぬ。
そう思うと、なかなか寝付けなかった。
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