テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
リクエスト アルマシュ
アル→→→マシュ
監.禁.表現 微🈶
久しぶりのAPHなので、口調は大目に見ていただけるとありがたいです。
「君なんか、昔から大嫌いだ──」
ほんの“些細な事”で起こった喧嘩・・というよりかは、日々の俺への不満が積み重なって、とうとう我慢できなくなったマシューが、自分の足元にをじっと見つめて、今にも泣いてしまいそうな震えた声で、俺に一言だけ言い放った。
*
外の雨音は騒々しくなり、アルフレッドが軽く閉められた蛇口からは、1滴の水がポタッとシンクに落ちた。
俺はソファーに寝転がり、近くに置いてあった俺の顔と似ている白い餅のようなクッションを、俺はギュッと強く抱いた。
あの子のあの声が、俺の耳にこびり付いて、いくら時間が経っても離れずにずっと残っていた。
俺は、「マシューの事で知らないものなんて一切無い」そう思って生きてきた。
仮に、知らない1面を耳にしても、表では知っている風を装うが、心の中で*「そんなのマシューじゃない|*そう思って、自分に沢山の嘘をついてきた。
*
俺たち兄弟は、生まれや育った環境はほとんど大差がなく、外見は瓜二つで、パッと見だとほとんど見分けがつかないくらいだ。
だが、唯一違う点があり、それは内面だった。
性格が自分と正反対な彼に、俺は無性に惹かれていた。
幼い俺が、初めてマシューを見た時のあの高揚感という気持ちは、今でも鮮明に覚えている。
だけど、幼い頃の彼の目には、俺がどんな風に映っていたのだろうか。
マシューと距離を置いてから、毎日そのような事ばかり考えていた。
俺の幼少の記憶で、醜い大人たちはマシューがいるにも関わらず、平気な顔をして、次々と言っていた。
マシューよりアルフレッドの方が優れている──
そんなことを言われる環境で、少しの間育てられたため、自分でも、 「比較対象である俺は、マシューに恨まれても仕方の無い事」 だと、幼いながら頭の片隅では思っていた。
でも、俺は今になって、気付きたくなかった事に気付いてしまったのだ。
幼い頃のマシューは、よくニコニコと笑っていた。
だが、最近のマシューが俺と居るときに、作られた笑みでは無く、本当に心の底から笑っている顔を見たのは──
いつだっけ、
そう思って、机に置いたスマートフォンを手に取り、パスワードを手馴れた手つきで入力して、俺はとあるアプリを開いた。
「マシュー、いつになったら君は笑うんだい?」
小さな画面越しに映る彼と目が合うと、どことなく震えているような気がした。
*
fin.
コメント
2件
おはようございます! めちゃめちゃ最高でした😭😭✨ 昔からマシューは相手にされることが少なく、それに比べてアルは優れているという文にとても胸がきゅっとなりました🥹ありがとうございました!🙇♀️