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2,027
カラス「 久しぶりだし 、 二人でお話しない ? 他の奴等は君の部下が頑張ってくれるでしょ 」
セシリア「 そうでしたわね 、 最後に言葉を交わしたのはいつだったかしら 」
カラス「 そうだねぇ 、 俺がセシリアを殴った時以来 ? 」
セシリア「 そうかもしれませんわ 。 ところで 、 此処に来たと云う事は殴り返されに来たのでしょう ? 」
セシリアは愛想笑いしながら構える。どうやら恨んでいる様だ。
セシリア「 あの時はとっても痛かったですわ 。 いつかこの借りは返すと心に誓いましたの 」
カラス「 やーん怖ぁい 笑 」
カラスはにちゃぁと笑いながら一歩セシリアに近付く。
セシリア「 其の気色悪い顔を近付けないでもらっても ? 少々吐き気がしますわ 」
カラス「 冷たいなぁ ? 14年ぶりなんだからもうちょっと暖かく迎えてよ 」
セシリア「 14年も私から逃げてた人に言われたくありませんわ 」
カラス「 逃げてない逃げてない 笑 」
〃「 君に相応しい男になる為に鍛えてたの 、 喜んでほしいんだけど 」
セシリア「 私に男は必要ありませんわ 」
カラス「 えーでも跡取りとか必要じゃない ? 笑 」
空気が凍る。階段の下では皆が熱い戦いを繰り広げていると云うのに。
セシリア「 気色悪い 」
〃「 其れに 、 私に寿命等ありませんわ 」
カラス「 ⋯⋯ へぇー ? 」
セシリア「 永遠に此処の首領として君臨しますわ 」
カラス「 ⋯ なぁんだ 、 笑 」
カラスが地を蹴り、セシリアに襲い掛かる。そして暴言を一つ。
カラス「 本当に人間辞めちゃったんだ 」
カラスの拳はセシリアの腹に直撃する。セシリアは今迄の戦闘の疲労と、もう死んだと思っていたカラスが目の前に居るという事実で、少しショックを受けていた。
セシリア「 ぐァ ⋯ ッ ! 」
カラス「 残念 、 俺は人間だった頃の君が好きだったのに 」
セシリア「 じゃあ聞かせてくださいます ? 」
カラスの拳に耐えながら、セシリアは云う。
セシリア「 どうして貴方は 、 生きてらっしゃるの ? 」
カラス「 ⋯⋯ 」
カラスは殴るのを辞め、俯き、フリーズした。
セシリア「 ⋯ 」
カラス「 うーん 、 なんでだろ ? 神様が 、 俺が生きている内にセシリアに逢いたいって願いを叶えてくれたのかも 」
セシリア「 答えになっていませんわね 」
カラス「 まぁもう君には興味無いし ? 死んでもいいかもなー 」
セシリア「 では 、 潔く死んでください ⋯ 笑 」
セシリアは笑った後、カラスの足を蹴る。セシリアは本来、充分殴った後ヒールで頭を潰す。だがカラスにそうしないのは、腹が立っているからだろう。
14年前、お嬢様家が今程巨大じゃなかった頃、私は既に次期首領候補でしたわ。あの頃の私はこの白髪と赤い瞳のせいで周囲から不気味がられておりましたの。其の上、幼少期から異常に戦闘センスが良いんですもの、使用人も幹部も怖がるに決まっていますわ。
そんな中で、ある少年が私に普通に接してきましたの。
確かあの日は幼いながらに任務を完璧にこなしていた時でしたわ。
少年「 うわ 、 血塗れじゃん 」
セシリア「 ⋯ 」
少年「 怪我してる ? 」
セシリア「 してない 。 」
少年「 そう 、 なら良かった 」
〃「 ねぇ 名前は ? 」
セシリア「 ⋯ 」
少年「 あーごめんごめん 、 名前を聞く時は自分が先に名乗らないといけないんだよね 」
〃「 僕はカラス ! これから宜しくね 。 きっと又会うと思うから名前を教えてほしいな ? 」
セシリア「 せしりあ 、 もう会わないと思うよ 」
カラス「 えー ? 冷たい事言わないでよー ! 君は何処の組織の子 ? 」
セシリア「 貴方こそ 、 何処の馬の骨 ? 」
カラス「 僕はね 、 ジェイドの捨て駒 ! 」
セシリア「 捨て駒 、 ? 」
カラス「 うん ! でもどんな敵地に突っ込んでも死なないから幹部になれるかもしれないんだ ! へへーん 、 良いでしょ ! 」
セシリア「 私 ⋯ 次期首領 ⋯ 」
カラス「 えっ ! 君次期首領なの !? 」
セシリア( 又離れちゃうのかな )
カラス「 凄いじゃん!! 」
セシリア「 ⋯⋯ ? 」
カラス「 其の歳で首領なんでしょ ? 凄い努力してきたって事じゃん ! 」
あの時の私はカラスに恋をしていたかもしれませんわ。でも彼奴はか弱い乙女の恋心を裏切った。
セシリア「 カラス ! 私 、 決めた 。 貴方の組織に入る事にした 」
カラス「 ⋯ は ? 」
セシリア「 貴方とこの儘会い続ける為に 、 この組織に居たら無理って事に気付いた 」
カラス「 せしりあ ⋯ ? 何を言ってるの 」
セシリア「 嬉しい 、 よね ? カラスだって私とずっと一緒に居たいって 」
カラス「 ⋯⋯ 君と居たいって言ったのは君が次期首領だからだよ 」
セシリア「 ⋯ え ? 」
カラス「 僕が早く幹部になる為に君を利用してたんだ 」
〃「 だから 、 唯の下っ端の君とは一緒に居たいとは思わない 」
セシリア「 ⋯⋯ 嘘だ 」
カラス「 嘘じゃないよ 。 じゃあね 」
セシリア「 じゃあ私を殴れる ? 」
カラス「 ⋯⋯ はぁ ? 」
セシリア「 本当に私を次期首領としてしか見ていなかったのなら 、 私を傷付けても何とも思わないよね 」
カラス「 ⋯⋯⋯⋯⋯ 仕方ないな 」
〃「 君とは早く離れたいから 、 さっさと殴って終わらすよ 」
あの時本当に私を殴りやがった。私の事なんて本当に何も思っていなかった。幼い私を、か弱い私を、恋する私を、傷付けた。
逃げた。傷を付けてから何も言わずに逃げた。腹が立たずにいられるか?
セシリアは容赦せず殴りをどんどんカラスに打ち込んでいく。
セシリア「 何か 、 最期に云う事は ? 」
カラス「 あ 、 ⋯⋯ 」
息が絶え絶えの中、頑張って思っている事を口に出そうとする。
カラス「 ごめん 、 ね ⋯⋯ 救ってあげられなくて ⋯⋯⋯ 」
セシリア「 ⋯ ! 」
セシリアはトドメを刺そうとする手を止める。予想外だった、謝ってくるなんて。
カラス「 あのとき 、 君の思いを踏みにじちゃって ⋯ 」
名前:カラス
性格:能天気、サイコパス
立場:フリーの殺し屋
年齢:27
好物:動物
嫌物:人間
得意武器:拳
苦手武器:罠
CV:岡本信彦
コメント
3件
読み終えました。第7話、胸に刺さる回でしたね。 14年前の回想で、セシリアが初めて「普通に接してくれた」存在としてカラスを特別視していたのが切ない…。それだけに、後の「利用してた」発言と殴打の裏切りが重い。それでもカラスが最期に「救ってあげられなくて」と謝ったのは予想外で、彼なりに歪んだ後悔があったんだなと感じました。 セシリアの「永遠に君臨する」という台詞とカラスの「人間辞めちゃったんだ」の対比が、この二人のすれ違いを象徴していて巧いですね。設定の掘り下げが丁寧で惹き込まれました。