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放課後、教室で他の生徒たちは談笑しているが、雷は無表情のまま机に向かっている。
爆豪が、少しイライラ混じりに近づく。
「おい、雷。お前……個性テストの時、あんだけ正確に動けるって、マジでヤバいな」
雷は顔を上げず、無表情でただ視線を向けるだけ。
返事はしない。
「……いや、答えろってわけじゃねえんだ。別に」
爆豪は軽く肩をすくめ、ぶっきらぼうに言う。
「ただ……お前が無表情でも、こっちはちゃんと戦える相手だって、安心するってことだ」
雷の目がわずかに動く。
表情は変わらない。だが、その一瞬、心の奥で何かが反応する。
(……爆豪なら、少し分かってくれるかもしれない)
雷の心の中で、そう思う。
口には出さない。表には何も出さない。
でも、無表情のままでも、距離は少し縮まったことを雷自身は感じていた。
爆豪は何も言わずに去る。
雷も、普段通り無表情で机に向かう。
だが、その後ろ姿を、雷は心の中で少しだけ追っていた――
戦う日が来ても、爆豪がいるなら、少しだけ心強い、と。