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〜 葛原視点 〜
最近ベガと2人きりでいることになってから
周りの視線がやけに痛くかんじる
「ベガ , 次の移動教室どこだっけ」
『A棟理科室 。』
「あ ぁ 、そっか」
『ねぇ、今日放課後時間ある?』
「放課後… ? まぁあるよ 」
『じゃ ー さ . ちょっとついてきてほしいの』
「また行きたいとこでも?」
『きっと気に入ると思うからさ!』
相変わらず 、 ベガの笑顔は
あったかくて、輝いていた
〈天部ちゃん 、 ちょっといいかな〉
『うん .』
「じゃあ僕は先に行くね」
✴︎ ◆ ✴︎ ◆ ✴︎ ◆ ✴︎ ◆
〜 ベガ視点 〜
〈葛原に色気出してるらしいね〉
『色気 、?』
『…私そんなつもりじゃ_』
後退りするも
同級生はどんどん近づいてゆく.
〈ぶりっ子すんなよ 、笑〉
〈そういうの気持ち悪いって言ってんの〉
『…』
喉奥に言葉が詰まってしまう
転入した初日,優しくしてくれた人は
今じゃこんなことを私にしてくるのだから。
じわじわと涙が込み上げてくる
「忘れ物… あれ、2人ともまだ行ってなかったの?」
ふとそんな声が聞こえて
顔を上げた矢先には葛原くんがいた
〈ちょっと雑談してたんだよねー!笑〉
〈ほら、天部さんの話面白いから盛り上がって!、〉
淡々と嘘を述べる同級生は
私に視線を向ける
どうやら私も嘘をつかないとダメなようだ
『うん.ちょっと盛り上がってさ』
顔に笑顔を貼り付けて .葛原くんに嘘をつく
感が鋭い彼にはすぐに見抜かれるだろうけれど
今はこうするしかなかった
「…結構ギリギリだから急ぎなよ ? 笑」
「仲良いのはいい事だけどね」
どうして彼はいつもこう優しいのだろうか
怒る姿なんて1度も見たことがない気がする
『うん、わかってるよ』
頑張って笑顔を演じ続けて
彼が去るのを待つ
〈…じゃ、私そろそろ行くから〉
『…うん、』
〈あ、そうそう〉
〈放課後.ちょっと頼み事あって〉
『頼み事 ?』
私は小首をかしげる .
〈今日外せない用事があってさ〉
〈係の仕事代わりにやっといてくれる?〉
『え-っと、』
〈いいよね . 私たち〝友達〟なんだから〉
『…うん、いいよ』
内心、 断れなかった自分を恨むけれど
実際物事を断れない性格なのだから
仕方ないことなのだ
〈さっすが ~ っ! 〉
〈じゃあお願いね〜 !笑〉
『うん…』
あーぁ、これは葛原くんを
待たせざるをえなくなりそうだな_ 。
コメント
4件
でた典型的ないじめっ子
うわ…やっぱあるよな… 色気使ってるよね系。 思ってても口に出すなよっていう感じだよほんとうに。 しかも本人の前で言うとかどんな馬鹿なんだって思うわ。 泣いたりせず笑って誤魔化すとかリアルみあって好き。 日本人だわ、、(?)
なんかちゃんと普通に辛いとかあるんだなぁ、底が読めないばかりだと思ってたけど思ったよりずっと普通の子だったのかもしれない