テラーノベル
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スンミンは、リビングのソファに座って、スマホをいじりながらチラチラとキッチンのほうを見ていた。
🐶「……まだ?」
🐰「ん、もうちょい。焦ってんの?」
🐶「別に。……お腹空いてるだけ」
((リノがチキンを揚げている音が、キッチンから心地よく聞こえてくる))
🐰「そっか。でもスンミナ、さっきから五回はこっち見てるけど」
🐶「見てないし」
🐰「見てた。完全に、俺のこと見てた」
🐶「チキンを見てたんだよ」
🐰「ふーん……じゃあ、チキンになりたいな」
🐶「……は?」
🐰「そんなにじっと見てくれるならさ。ちょっと妬ける」
((リノがふふっと笑いながら、エプロンのまま近づいてくる))
🐰「揚がったよ。先に味見、する?」
🐶「……いらない」
🐰「あれ?さっきまで目で訴えてたのに?」
🐶「だから、見てないって言ってんじゃん」
((頬をぷいっとそらすスンミンに、リノはわざとらしくため息をつく))
🐰「……スンミナさ、かわいすぎない?」
🐶「はあ!?なに急に」
🐰「いや。ツンツンしてんのに、本当は俺のこと待ってるのとか。バレバレで」
🐶「……バレてた?」
🐰「うん、だいぶ前から」
🐶「……ちょっとムカつく」
((それでも、スンミンはリノから出されたチキンを無言でぱくりと頬張る))
🐶「……うま」
🐰「でしょ?スンミナのために作ったんだもん」
🐶「……ありがと」
((スンミンがぼそっとつぶやいたその一言に、リノは口元を緩めた))
🐰「どういたしまして。あとでおかわりあるよ、“もっと素直になれたら”だけどね」
🐶「……それ言われると、なりたくなくなるんだけど」
🐰「あ〜〜〜やっぱかわいい」
((頭ぽんぽんされて、スンミンがほんのり赤くなる))
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