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6 - 『静かすぎる図書室で』 🦊×🐰

2025年07月08日

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放課後、図書室にはもう数人しか残っていなかった。

静けさの中、机に向かっていたリノの隣に、気配もなくアイエンが座る。

🐰「……何?」

🦊「なにって、隣、空いてたから」

🐰「他にも空いてるけど」

🦊「でも俺、リノヒョンの隣がいい」

((ぺら、とノートを開いてアイエンが勝手に勉強を始める))

🐰「……なんで俺なんかの隣に来んの」

🦊「“なんか”じゃないし。リノヒョン、静かだから集中できるし」

🐰「……」

🦊「それに、ちょっとくらい話しかけても怒らないでくれるじゃん」

🐰「……甘やかしてるわけじゃない」

🦊「え、甘やかしてくれてるの?じゃあもっと甘えていい?」

🐰「は?」

((リノがようやく顔をあげる。アイエンは笑っていた))

🦊「だって、ヒョンってさ、本当は優しいよね?」

🐰「勝手に人を分析すんな」

🦊「分析じゃなくて、観察。俺、ヒョンのことよく見てるから」

🐰「……怖い」

🦊「でも、嬉しそうにしてるときの顔、ちゃんと見たことあるもん」

🐰「見んな」

🦊「また今日も、そういう顔させたいと思って来た。俺、ずっとそう思ってる」

((ふいに、リノの手元のペンが止まった))

🐰「……ほんとにバカ」

🦊「……それ、けっこう嬉しい」

((小さな声で笑って、アイエンはノートに視線を戻した))

図書室の静けさの中、二人の間だけが、少しだけあたたかかった。


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