去る者は日々に疎し

雄英高校ヒーロ科。

それは、人類の約８割が何らかの特異体質を持つ超人社会となった現在、ヴィラン犯罪に対抗するヒーローをを育成するために創

設された、高等教育機関である＿＿＿＿。

緑谷said

ヒーロー基礎学で戦闘訓練をした翌日。

教室に入るや否や、クラスメートの飯田天哉くんが指を綺麗に揃えた片手を上げて、足早に近寄ってきた。

隣には麗日さんもいて、今日も元気な可愛らしい笑顔を向けてくれた。

思わず胸が踊る。

飯「緑谷くん！おはよう！！」

彼の、高校生らしからぬきびきびとした仕草と丁寧な言葉遣いにはまだ馴れない。

緑「おはよう飯田くん・・・麗日さん！今朝、大変だったね」

荷物を机の横に掛けながら挨拶を交わし、僕はついさっきの事を思い返していた。

平和の象徴＿＿＿オールマイトが雄英の教師しているという事実は、マスコミに触れてすぐに彼らを動かせた。

マスコミというのは飢えた野獣の如く貪るようにネタを求める。

憧れの人が、僕の目指すヒーローが、教壇に立ち、ヒーローのなんたるべくを教えてくれる

こんなに幸せなことはないし、ありがたいんだけど・・・・。

麗「これ、毎日続くんかなぁ・・・」

肩を落とした麗日さんに、苦笑した。

雄英のセキュリティは万全だし、中に入ればこっちのものだけど、毎日これだと正直きついなぁ・・・。

相「席につけ。ホームルームを始めるぞ」

教室に入ってきた先生の声かけで、校門での待ち伏せマスコミの話題で持ちきりだった皆はすぐに席に戻った。

相「それで、本題なんだが・・・」

言いながら、深いため息をついた相澤先生。

そういえば珍しく冷や汗をかいているような・・・

どうしたんだ？

先生は僕たちを見渡してから、相変わらずの馬鹿でかい扉に視線を移した

相「・・・・急なんだが、ほんと、急なんだが・・・」

「「「（また臨時テスト・・・！？）」」」

相「入ってこい」