コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その日僕が見たのは少年だった。
この話は暴力的な表現があります。
承知の上でみて下さると嬉しいです
最初は敦目線で語られます。
ある日の事だった。社長の家でみんなで 鍋パーティーをすることになり、社長の家に入る機会があった。みんなお酒を飲んだりお話したりで盛り上がっていた。
僕はその時違和感があった。
僕の知らない人の匂い、社長はここでは一人暮らしをしているはずなのに。
不審に思った僕はその匂いをかいだみることにした。その匂いがした場所にはドアがあり、僕は開けようか迷った。勝手にあけていいのだろうか?そんな失礼なことできない。などと考えているうちに僕は好奇心に負けてしまいドアを開けてしまった。その時僕の目にとまったのはある少年だった。足には鎖のようなものが繋がれており、長いシャツにズボンなしの格好をしていた。僕は衝撃のあまり言葉を失った。
(これは?まさか社長が少年を監禁したのか?信じられない、ましてやあの社長がそんなことをするとは思えない。)
少年はこちらを見ると混乱したような表情をしたがすぐに納得したような顔をして僕に話しかけてきた。
乱「こんにちは。僕の名前は乱歩、君は?」
敦「ぼ、僕は中島敦です…。貴方はいつからこんなところにいるんですか?」
乱「僕はずっとここにいるよ。ざっと10年くらい前から?かな」
敦「そう、ですか」
乱「ところで君は探偵社の新人くん?」
敦「え、あ、はいそうです!」
乱「そっか。ねぇ敦、くん?」
敦「はい、なんでしょう?」
乱「与謝野さんと国木田は元気?」
敦「はい、とっても元気ですよ」
乱「そっか、それなら良かった。」
その乱歩と名乗る少年はどこか嬉しそうな表情をした。僕もなんだかその表情を見ると嬉しくなった。だがこんなのんきに話をしている場合じゃない…!そう思い少年にすぐ戻ってきますね。と別れを告げ太宰さんに相談してみることにした。太宰さんはどこか困ったような顔をしてその少年の所に連れて行って欲しいと言った。僕は分かりました。と少年の所に連れて行くことにした。
太「こんにちは。」
乱「こんにちは」
太「貴方はどうしてこんなところに?」
乱「……先に名前を名乗るのが礼儀じゃないの」
太「嗚呼…これは失礼致しました。私は太宰と申します。貴方は?」
乱「…らんぽ。」
太「乱歩さん。貴方はどうしてこんな所に?」
乱「話したくない。」
太「そうですか。」
乱「それより君たちこんな所にいていいの?」
太「そうですね、敦くん今日はもう帰ろう」
敦「え、はい。」
僕は太宰さんと帰ることにした。
少年はこちらを見ながら手をふってくれている
敦「太宰さん、あの少年は…」
太「また来てみようか」
太宰さんはケロッとしてそう言った。いつもと変わらないはずなのに今日はなんだか良くないことが起きるような気がした。