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その真っ暗な四角に触れようとした時、窓を叩く音が聞こえた。

音の方へ視線を向けると、烏が……いや、違いますね、真っ暗な鳩が窓を叩いていた。

「真っ暗な鳩。初めて見ましたね。って、うるさい!ええい、窓を開ければいいんですか!?」

いつまで経っても窓を叩き続け、いい加減うるさくなって、窓を開ける。

鳥に続かれてガラス壊されたなんて何の笑い話にもなりはしない。

黒い鳩は部屋に入るなり姿を変えて、かえ、て…

「人になった!」

「アイツの弟子は素人か?」

目付きの鋭い長身の女が不躾な視線で体を舐める。

不愉快極まりなかったが、それ以上になにか、圧の様なものを感じた。

錬金術師ティアのつくる話

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