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ーー
「元貴〜、一緒に帰ろ!」
「いいよ。」
「あ!若井くんもどう?一緒に帰らん??」
何故かニヤニヤと僕の方を向きながら、若井くんを誘う髙野。
……後でジュースでも奢らそうかな((
「え、俺もいいの?」
そんな髙野には気づかず、素直に喜んでいる若井くんは犬にも見える。大型犬の。
「若井くんがいいなら!大歓迎やよ〜」
「帰る帰る!!一緒に帰らせて!」
「よっしゃ決まり!」
「んじゃ早く帰ろ、暑いし‥」
梅雨明けの6月下旬は、それなりの気温で結構暑い。まじ暑い。
これからもっと暑くなるけど大丈夫そ?ってよく綾華とか髙野とか陽貴によく言われる。
安心してくれ、自分でも思ってるから。
「んー、あっついぃ…」
今ゆるい傾斜の坂道を登ってるんだけど、坂道は坂道だから結構キツイ。
「半日は嬉しいけど日差しが強いから暑いんよね」
「うんうん。でも、東京に比べたらまだ全然良い。」
「うわぁ、東京の皆様ファイトです。」
「そういえば、若井くんは何の辺に引っ越してきたん?」
「えっとね、中学校が近くにある住宅街。」
「あー!蒼中の近くか!!」
「じゃあ、意外と学校に近いんやない?」
「そうそう。あんまり迷わずに学校行けて楽。」
「いいなぁ、坂道少なくて。」
「3人は此処らへんじゃないの?」
「俺らは蒼中前の交差点で右に曲がったところ。で、元貴は山上というか、直ぐ側が山のところに家があるからまだまだ登るんよ。」
「行きは下るだけやけど、帰りは上りやからね…」
「でも山上のほうが涼しいやろ?」
「そりゃもちろん。」
「これ以上登るのか…」
「なんで若井くんがげんなりしとんの笑」
「いや考えてみたらやば、ってなった。」
「実際に登ってみる?笑」
「いいな、それ。登って元貴ん家で遊ばん?」
「あー、元貴の家行けるなら登ろうかなぁ。久しぶりに行きたいし。」
「‥笑、僕ん家はまぁ、大丈夫やけど、」
「………行かせてください。」
「おし!じゃあしゅっぱーつ!!」
髙野が3歳児にみえる…
ー
蒼中…陽貴の通う中学校。正式名称は蒼波鎧(あおなみよろい)中学校、略して蒼中。
近くに住宅街があり、元貴たちの通う蒼波柳(あおなみやぎ)高等学校もある。こちらも略して蒼高と呼ばれている。