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世界会議の席、今日もイギリスと書かれた席には、誰もいない。ここ数ヶ月彼は変わっていしまった、肌は、紙のように白く濁っていて、皮肉ばかり言う唇も今は、乾燥し酷くひび割れていた。長袖で、隠れた手首には、何層にも重なった生々しいリスカの跡、机の引き出しには 精
神安定薬、うつ病の薬、睡眠薬など、大量の薬の中には、何個かからの瓶があった。
「イギリスは、……今日も欠席なのか?」アメリカが言う、その声は、珍いく曇っていた。フランスの、顔には少しのくまが出来ていた。そこにいる誰もが、イギリスの心配をし、声をかけた、そんな今の彼は、誰の声も聞こえないほど、暗く深い闇の中にいた。
そんな彼を最も近くで見守っていたのは、日本だった。
日本は、イギリスの自宅で、傷の手当や、薬の準備をしていた。日に日に痩せ細っていく身体、薬の副作用で虚ろな目をしながら、手首を自傷する。
「日本、……お前は、……俺を……見捨てないよな?……」縋るように、震える声を聞くたびに日本の心は、激しく揺れ、麻痺していく
(イギリスさん、……なんでこんなんに…… )
最初は、ただ純粋な心配だった、けれど、だんだんイギリスの歪んだ心を受け止めていくうちに、日本の境界線もだんだん崩壊して行った。毎日のように血と薬の匂いを嗅ぎ、彼の絶望を特等席から浴び続けた。そんな日本の瞳は、次第に生気を失っていった。
イギリスが病んでいく速度に同期し、日本も、暗い底へと沈んでいく。彼を救えない無力感
と、彼に依存されているという歪んだ充足感が、日本の精神を内側から腐らせていった
ある雨の夜、ついに限界が訪れた。
イギリスの部屋は、乱雑に散らばった薬の空き瓶と、微かな鉄の匂いで満ちて言いった。ベッドの端で、イギリスはまた手首を血に染めて、力のない笑顔で笑った。その姿を見た瞬間日本
の中で「何か 」が完全に崩壊した。
もう、見ていられない。
これ以上、あなたをこんな世界に置いておきたくない。
そして、あなたに引きずられて狂っていく私を、終わらせたい。
日本は、物静かな足取りでベッドへ近づき、イギリスの前に立った。影を落とした日本の瞳は、完全に据わっている。
「に、日本?」イギリスが、不安そう呟いた瞬間日本の両手は、イギリスの細い首へと伸びた。
躊躇いはなかった。日本の白い指先が、イギリスの喉を容赦なく締め上げる。
「が、はっ……!?に、ほ……っ」
突然奪われる酸素に、イギリスの身体が大きく跳ねる。細い首に、日本の力が容赦なくくい込んでくる。
イギリスの手が日本の手首を掴み、爪を立てた。しかさ、日本は微動だにしない。ただ、酷く冷たく、同時に酷く慈愛に満ちたような、歪んだ微笑みを浮かべてイギリスを見つめていた。
「大丈夫ですよ、イギリスさん」
日本のこえは、恐ろしいほど穏やかだった。
「もう苦しまなくていいんです。薬も、傷も、全部終わりにしましょう。……私も、すぐに行きますから」
イギリスの意識が急速に遠のき、世界が白くモザイクをかけられていく
その瞬間だった。
「……日本!!離れろ!!!」
その声と共に、部屋の頑丈な扉が文字通り蹴り破られた。
飛び込んできたのは、息を激しく切らした、アメリカ、中国、そして連合の皆枢軸のドイツ、イタリアの姿もある。イギリスの異変、そして彼に付き添い続けた日本の「崩壊」に気づいた一同が、最悪の事態を察して駆けつけたのだ。
コメント
1件
ああ……もう、読んでいて心臓がぎゅっとなりました。イギリスの脆さと、それに引きずられて壊れていく日本の心理描写が本当に生々しくて……。最後の「私もすぐに行きますから」という台詞、あれは愛情なのか狂気なのか、ゾッとしつつも目が離せませんでした。駆けつけた面々がどう動くのか、続きが気になりすぎます。