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桃色青春高校は、地区大会の1回戦で大草原高校に勝利を収めた。
6対5の大接戦であった。
そして、その数日後――
「ここが大草原高校か……」
龍之介は、大草原高校のグラウンドを訪れていた。
高校名通り、周囲には広大な草原が広がっている。
野球だけでなく、様々なスポーツで利用することができそうだ。
「草刃エルさんはどこかな? とりあえず、適当に歩いて探してみるか……」
そう言ってグラウンドを進む龍之介。
しかし、周囲に人影はない。
「呼び出しておいて不在? いや、さすがにそれはないか。部室でミーティングでもやっているのかもしれないな」
龍之介はそう考え、グラウンドに併設された部室へ向かう。
2099年の今、多くのスポーツが男女混合となっている。
スポーツ医学が発展し、男女の身体能力差が縮まったためだ。
大草原高校にも、草刃エルを始めとした女子部員が在籍している。
「部室は……ここか」
龍之介は、部室のドアを開けた。
すると――
「ふぉおおおっ!? り、龍之介殿!?」
「あっ……着替え中だったか……」
そこには、下着姿のエルの姿があった。
彼女の手には野球のユニフォームが握られている。
どうやら、着替えの真っ最中だったようだ。
「ふむ……。ムッチリとしつつも、意外に引き締まった肉体。さすが、草刃さんだな……」
「ちょっ!? そ、そんなにジロジロと見ないでほしいでござるぅ……!!」
エルは頬を真っ赤に染め、両腕で胸を隠しながら恥ずかしそうに俯く。
彼女は小太りでオタクっぽい外見をしているものの、やはり乙女だ。
今は草を生やす余裕もないらしい。
「すまない。まさか着替えているとは思わなくて……」
龍之介は慌てて頭を下げる。
しかし、その視線はエルの肢体に向けられたままだ。
「は、早く出て行ってほしいでござ――」
「草刃さんって、毛深いんだな……」
「っ!!?? ど、どこを見ているでござるか!? レディに失礼でござるよ!!」
「あ、すまん。つい本音が出てしまった。しかし、決してアソコの話ではないぞ? 俺が言っているのは、あくまで足の話さ。スネあたりは処理しているみたいだが、太ももあたりの処理が甘い」
「ふ、ふひっ!? 余計なお世話でござる!!」
エルがほほを膨らませて怒る。
そして、龍之介の身体を部室の外まで押し出しそうとした。
「まったくもう! せっかく、龍之介殿に少しばかりのアドバイスをしようと思ったのに……。台無しでござるよ!!」
「え? そうだったのか?」
「そうでござる! 拙者たち大草原高校を下したからには、2回戦などで負けてもらっては困るでござるからな! だから、広大な草原を活かした走塁術を教えようと思ったのに……」
「そうだったのか……。それは悪いことをしたな」
エルの言葉に、龍之介が謝罪する。
それから、彼は少し考えてから口を開いた。
「じゃあ、少しだけ時間をもらえないか?」
「む? それはもちろん構わぬでござるが……その前に龍之介殿は、部室から出ていくべきでござる」
「どうして?」
「拙者が着替え中だからでござる! 龍之介殿が先ほどからチラチラと拙者の体を見ていることぐらい、分かっているでござるよ!? だから、早く出ていくでござる!!」
「ああ、なるほど。そういうことか」
龍之介は、ようやく状況を理解した。
しかし彼は動かない。
「細かいことはいいじゃないか。俺と草刃さん――いや、俺とエルの仲だろう?」
「は、はぁ!? どんな仲でござるか!?」
「熱い魂を分かち合う、バッテリー……的な? ほら、ピッチャーとキャッチャーだしさ」
「ただの知り合いでござる!! 龍之介殿の思考回路は、いったいどうなっているのでござるか!? そもそも、高校野球では転校したら1年間は試合に出れないでござる!! 拙者と龍之介殿がバッテリーを組むことはあり得ないでござるよ!!」
エルは顔を真っ赤にして叫ぶ。
だが、龍之介は引かない。
「何も、試合に出ることが全てじゃないさ。ほら、俺と魂のバッテリーを組むのは嫌か? 俺は草刃さんのことを高く評価しているし、尊敬しているんだが……」
「うっ……。そ、それは嬉しいでござるが……!!」
エルが口籠る。
彼女は、龍之介の強引さに戸惑いつつも惹かれ始めていた。
「じゃあ、とりあえず相棒としてエルの無駄毛を処理してやるよ。太もものな」
「!? ちょ、ちょっと待つでござる!! どうしてそのような話に!?」
「細かいことはいいじゃないか。俺とエルの仲だろう?」
「もう、それしか言えなくなってしまったでござるか!?」
龍之介は、強引にエルを部室のベンチに寝かせる。
そして、そのままエルの身体に手を伸ばした。
「やっ……! り、龍之介殿! 本当にやめっ……!!」
「じっとしていろ」
「はぅ……あ、あっ……!」
エルの抵抗が弱々しい。
彼女の太ももには、既に龍之介の手が這い回っていた。
「さて、こんなこともあろうかと最新型のカミソリとシェービングクリームを持参してきた。俺は紳士だからな。しっかりとツルツルにしてやるぜ。太ももをな」
「っ……!! け、結構でござる!! もう満足でござるからぁ……!!」
エルは抵抗しようとするが、龍之介の力には敵わない。
そして、そのまま彼女の太ももはツルツルになったのだった。