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ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!
「紗奈〜?起きなさーい!遅刻するよー」
寝起きの頭に響く大きな目覚ましの音と久しぶりに聞いた母の声。
立ち上がろうとすると腹の底からこみ上げてくる吐き気と殴られるような頭痛。
「ッ〜」ガタ
「紗奈?大丈夫?」
「ッ全然大丈夫だよ〜」
「そう!なら急ぎなさいね〜」
「ぅん」
リビングに行く前に 吐きそうになるのをこらえながら着替える。
リビングに行くといつもこの時間にはいないはずの母がいる。
「お母さん!この時間にいるの珍しいね」
「そうなのよ〜久しぶりの休みよ!」
「よかったね」
母の声が頭に響く。朝ご飯を食べるとすべて戻してしまう気がするから食べようにも食べられない。
「お母さん、ごめん今日朝ごはん食べられないや、食欲がなくって」
「大丈夫?体調悪い?学校でなんかあった?」
「ッなんもないよ?」
「そう!もう学校行くわよね?」
「うん」
「そっか!いってらっしゃい!楽しんできてね!」
菜々香のこと、何も知らないのに無責任なこと言わないでよ!!っなんて、考えてしまう自分に嫌気が差す。
「行ってくるね」
「いってらっしゃ~い」
学校に向かう途中目の前がグラグラと揺れる。
学校まで持つの?自分でも限界とわかる。
「どうしよ」
その場で立ち止まってかがむ。目の前には私の心と反対に晴れ渡る青空。[薬飲んだらよかったな]なんて考えながら吐き気が収まるまで待つ。
「なぁ」
後ろからぶっきらぼうに話しかけてくる。振り返ると叶大が[何してんだ]というような顔でこちらを見ている。
「ッちょっとね」
「顔色死んでんぞ?」
「だい、じょぶだからッ〜」
「チッちょっと待っとけ」
ぶっきらぼうに言いながら近くのコンビニに入っていく。
10分くらいして袋を持って叶大が走ってくる。
「ハーハーはい!これ」
「ッなに、これ」
「薬と水とゼリーみたいなやつ」
「なんでゼリー?」
「お前のことだから朝飯食ってないだろ」
「でも、」
「早く薬のめ!学校遅れるぞ」
「ぅん」
薬を飲んで30分経った頃だろうか?
「落ち着いたか?」
「ハーまぁ」
「そ!学校行くぞ」
2人で走って学校に向かう。あのころに戻ったみたいだなぁなんて場に合わないことを考える。そんな考えを頭から消し去ろうと全速力で走り、2限目には間に合った。
「せんせー、ごめん遅れた」
先「はぁ?」
「すみません!少し体調が悪くて薬とかかってきてもらってました(-_-;) 」
「そういうことか、今回だけ許してやる!」
2人「ありがとうございます」
ガラガラガラガラ
「おはよ!柚葉!今日もかわいいね」
「うん!おはよ、」
「菜々香ッ昨日」
「桜子!あのさ、今日さ〜」
あぁ、またあの頃のことを繰り返してしまうのか、
「おい!」
「?」
「体調!」
「あぁ、大丈夫!ありがとう!お金!」
「いいよ、あのくらい」
「そっありがと」
「、、、菜々香となんかあったの?」
はー?!今その事聞く?!意味わかんない!と思いながら私は明らかに答えたくない見たいなオーラを出す、
「wwwなに?喧嘩しちゃったんでチュか?」
「ッ黙れ」
「ハッ?」
「ごめんどっかいって」
あー、どうしよう、あの頃と同じだ。ひとり失って八つ当たりしてまたひとり失う。どうにもできない。人間って怖い。そんな事を考えながら外を見ると、校庭では3年生が外を走っている。
キーン↑コーン↓カーン↗↘コーン↗〜
4限まで飛ばす
「ッハッ」
やばい、体調が死んでる授業は後30分。耐えられる気がしない。でも、先生に言いに行く度胸と元気もない。
できることがなくて泣きそうになっていると
「先生、如月さん体調悪そうなので保健室連れてきます」
「、オッケーだ。如月、そういうことは早く言え」
「ッすみま、せん」
立ち上がろうとするけれど、吐きそうで立ち上がれそうにない。
「っしょ」
「?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
[叶大が紗奈を抱き上げました]
ぎぁゃーーーーーー
女子の悲鳴が教室に鳴り響く中、何食わぬ顔で教室から出ていくかなたに小声で話しかける。
[あんたなにやってんのよ!]
[立てないんだろ?しょーがねーだろ]
[ッ〜]
沈黙が続く中保健室に着くと用務員不在の張り紙が。
「うーん、まぁ入っていいだろ 」
「だめしょ」
「ねとけ」
ベッドに寝させられてしばらくして私は眠りについた。
次に起きた時には
ーこの物語の最初に戻るー
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!
「紗奈〜?起きなさーい!遅刻するよー」
「って、は?!」