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6,繰り返す非日常

ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!

「紗奈〜?起きなさーい!遅刻するよー」

「ッはぁ?!」



寝起きの頭に響く大きな目覚ましの音と久しぶりに聞いた母の声と自分の叫び声。


さっき送っていた日常と同じ光景。



立ち上がろうとすると腹の底からこみ上げてくる吐き気と殴られるような頭痛。





「ッ〜なんでッここまで一緒なの?!」ガタ


「紗奈?大丈夫?」


「ッ全然大丈夫だよ〜」


「そう!なら急ぎなさいね〜」


「ぅん」




リビングに行く前に吐きそうになるのをこらえながら着替える。


リビングに行くとさっき見たいにいつもこの時間にはいないはずの母がいる。


「お母さん!この時間にいるの珍しいね」


夢のようなものと同じ質問を繰り返す


「そうなのよ〜久しぶりの休みよ!」


「よかったね」


ここまで同じっとなると、あの頃と同じだということが認識できる。


分かっていても、母の声が頭に響く。朝ご飯を食べるとすべて戻してしまう気がするから食べようにも食べられない。




「お母さん、ごめん今日朝ごはん食べられないや、食欲がなくって」


「大丈夫?体調悪い?学校でなんかあった?」


「ッなんもないよ?」


「そう!もう学校行くわよね?」


「うん」


「そっか!いってらっしゃい!楽しんできてね!」




薬を飲まないでいくと、夢を繰り返してしまう。どうしようかと考えるうち、薬を飲む以外に考えがつかない。


「お母さん、頭痛薬もらってもいい?」


「どうして?やっぱ体調悪いの? 」

「そうじゃないんだけど今日は気圧が下がるらしいから一応持っていっとこうかなって」


「それならいいんだけど、はい!どうぞ」


自分でも呆れる嘘をつき、頭の中を整理しながら学校に向かう。


「行ってくるね」


「いってらっしゃ~い」




学校に向かう途中目の前がグラグラと揺れる。


学校まで持つの?自分でも限界とわかる。




「どうしよ」




そんなことを考えると『さっきのユメとは違うんだよ?』と言う声がどこからか聞こえてくる。その声を聞くと同時に


「そうだった薬もらってたんだった」


そう思い出し、薬を飲む。そうしていると後ろから




「なぁ」




とぶっきらぼうに話しかけてくる。振り返ると叶大が[何してんだ]というような顔でこちらを見ている。




「ッちょっとね」


「顔色死んでんぞ?」


「大丈夫、今薬のんだ」


「あっそ」




ぶっきらぼうに言いながら私が歩き出すまで待っている




「あんた、先に学校行きなよ、遅刻するよ」


「俺はいいの、一緒行くぞ」


「なんで?」


「体調わりーんだろ?倒れたらどうすんだ」


「あらっ、たまには頼もしいこと言うじゃない」


「キモいこと言ってんじゃねー」


「ふふっ、いいよ、学校行こ」


「もういいのか?」


「うん、ちょっと落ち着いたから」


夢とは全く変わった会話をし、学校に向かう。

薬を飲んで30分経った頃だろうか?




「落ち着いたか?」


「まぁ最初よりは全然」


「そ!学校遅れる、走るぞ!!」






2人で走って学校に向かう。あのころに戻ったみたいだなぁなんて場に合わないことを考える。そんな考えを頭から消し去ろうと全速力で走り、1限の途中には間に合った。




「せんせー、ごめん遅れた」


先「はぁ?」


「すみません!少し体調が悪くて薬飲んでて遅れました(-_-;) 」


「そういうことか、今回だけ許してやる!」


2人「ありがとうございます」


ガラガラガラガラ



「おはよ!柚葉!今日もかわいいね」


ここまで一緒ってなるとあの頃とは違うのではないかと考えてしまう走馬灯?


「うん!おはよ、」


そんな事考えていると、目の前には菜々香がいる。夢と同じことを繰り返したくはない。だからこそ、打開策を考える、


「菜々香ッ昨日」


そう言いながら菜々香の腕をつかむ、


「ぇッ紗奈…」


「あのさッ、昨日のことちょっと話したいから放課後どう?」


「えっと、ごめん、しばらくは話したくない」


そう言いながら手を振り払う菜々香を私は追いかけられなかった

あぁ、またあの頃と夢を繰り返してしまうのか、




「おい!」


「?」


「体調!」


「あぁ、大丈夫!」


「そっまあよかったな」


「そっありがと」


「…菜々香となんかあったの?」


はー?!今その事聞く?!意味わかんない!と思いながら私は明らかに答えたくない見たいなオーラを出す、




「wwwなに?喧嘩しちゃったんでチュか?」


「ッ黙れ」


「ん?」


「ごめんどっかいって」


「…マジのやつか、昼休みちょっと話そ」


「…」


あー、どうしよう、あの頃と夢と同じだ。ひとり失って八つ当たりしてまたひとり失う。どうにもできない。人間って怖い。




キーン↑コーン↓カーン↗↘コーン↗〜




4限まで飛ばす




「ッハッ」


やばい、体調が死んでる授業は後30分。耐えられる気がしない。でも、先生に言いに行く度胸と元気もない。


夢と同じことを繰り返している怖さと、薬はポッケの中に入っているけれど授業中だから変に水を飲むことを許されない。


できることがなくて泣きそうになっていると




「先生、如月さん体調悪そうなので保健室連れてきます」


「、オッケーだ。如月、そういうことは早く言え」


「ッすみま、せん」




立ち上がろうとするけれど、吐きそうで立ち上がれそうにない。


「っしょ」


「?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」


[叶大が紗奈を抱き上げました]




ぎぁゃーーーーーー




女子の悲鳴が教室に鳴り響く中、何食わぬ顔で教室から出ていくかなたに小声で話しかける。




[あんたなにやってんのよ!]


[立てないんだろ?しょーがねーだろ]


[ッ]ここまで同じ本当に何が何だか怖くなる




沈黙が続く中保健室に着くと用務員不在の張り紙が。




「うーん、まぁ入っていいだろ 」


「だめしょ」


「ねとけ」


ベッドに寝させられて私はすぐに起き上がる。


「薬飲むから水ない?」


「はーぁ?!薬持ってんだったら飲めよー」


「しょうがないじゃない、思ったより聞かなかったんだから」


「はい、早く飲め」


薬を飲む間も夢のことを考える。どうしてしまったんだろう。


「…菜々香となんかあったのか?」


本当に、叶大は空気が読めない


「ほんとに、誂うとかじゃなくて、 」

どこか本気で心配しているような素振りに、菜々香のことだけじゃなく、まだ早いが夢のことまで話していまいたくなる。

「…昼休み話す。取敢えず授業戻りな?」

「紗奈は?」

「4限終わったら戻るよ、屋上で待ってる」

「…わかった。安静にしてろよ?」

「親みたいなこと言わないでよw」

少し笑いながら保健室を出ていく彼は顔が少し引きつっていた。

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