テラーノベル
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※zm女体化、軍パロ
shp×zm
廊下の角から、微かな甘い匂いと、やけに弾んだ少女の声が漏れ聞こえていた。
mb「……ショッピ先輩、私……ずっと前から、あなたのことが好きでした!」
その言葉を小耳に挟んだ瞬間、俺の胸に去来したのは、胸焼けにも似た深い鬱屈だった。
眼前で両手をギュッと握り締め、頬を赤らめている可憐な後輩。その視線の先に立つ俺――ショッピの表情には、一欠片の情緒も浮かんでいなかった。冷めたアメジストの瞳で目の前の頭頂部を見下ろし、指先でサラサラとした茶髪のセンター分けを鬱陶しそうに撫でつける。
告白、か。
反吐が出るほどどうでもよかった。俺の視界には、最初からあの人――ゾムさんしか映っていない。他人の好意など、ノイズ以外の何物でもなかった。
断るのに一秒も必要ない。俺は氷のように冷ややかな声で言った。
『すみません。気持ちはありがたいですけど、俺、好きな人がいるんで。付き合えません』
相手の少女が息を呑み、涙目になって固まる姿すら視界に入れず、俺は踵を返した。申し訳なさそうな顔を取り繕う気すら起きない。
(……はぁ。面倒くさ。さっさとゾムさんのところ行こ)
廊下を歩きながら、胸の奥でじわりと熱いものが広がるのを感じる。
今日こそは任務の合間にゾムさんを捕まえて、どこかへ連れ出そうと思っていた。
いつだって無邪気に笑い、圧倒的な力で敵を叩き潰す我々国の「脅威」。あのミルクベージュの髪と、宝石のように輝くエメラルドグリーンの瞳を思い浮かべるだけで、胸が熱く締め付けられる。
そんな事を考えながらゾムさんの部屋の前に行き、トントントンと音を立て、ノックをする。
…….
返事は返ってこない
(もう任務に行ったんか….)
今日こそは、2人きりでなにか話したかったな、と残念に思い、少し落ち込みながら自分の部屋へ戻る。
部屋へ戻り、トントンさんから頼まれた書類の仕事を片付ける。ササッと頼まれた書類を全部終わらせ、提出すべく幹部執務室へ向かう。
だが、幹部執務室へと続く静まり返った回廊を曲がったところで、俺の脚はピタリと止まった。
向かい側から歩いてくるのは、いつになく眉間に深いシワを刻んだトントンさんだった。みんなのおかんと称される男の顔に、明らかな焦燥が滲んでいる。
Tn「ショッピ、ゾム見かけへんかったか?」
『え? いえ、見てないですけど……どうかしたんですか?』
Tn「あいつ、今日の午後の任務サボってどこか消えよったんや。連絡もつかん。大先生やシャオロンにも探させてるんやけど、城の敷地内にはおらんみたいでな」
『……は?』
トントンさんの口から放たれた言葉の意味を理解した瞬間、俺の背筋を冷たい氷が滑り落ちた。心臓が、嫌な音を立てて大きく跳ねる。
あのゾムさんが、任務をサボる?
いくら自由奔放な気質だと言っても、何の前触れもなく連絡を絶って城から姿を消すなんて、これまで一度だってなかったことだ。
『……いつからですか、居らんのは」 』
Tn「昼過ぎからや。最初はいつもの散歩かと思ってたんやけど、いくらなんでも遅すぎる。胸騒ぎがするんや」
嫌な汗がじわじわと噴き出し、脳裏に凶兆が渦巻き始める。
(なんで……? なんで急にいなくなるんですか、ゾムさん……ッ!)
俺が後輩の女の子に呼び出され、くだらない告白を受けていたあの時間。もしかして、あのタイミングでゾムさんに何かあったのだろうか。敵の奇襲か? 刺客の潜入か? あるいは――。
『俺も探します』
Tn「あ、おいショッピ! 待て――」
トントンさんの呼び止める声を背中で振り切り、俺は城の重厚な扉を押し開けて外へと飛び出した。
連絡がつかない。城内にもいない。となれば、向かう場所は一つしかなかった。あの人が胸に何かを抱えた時、一人になりたくて足を踏み入れる場所――夜の歓楽街、地下の澱んだエリアだ。
外は、雨上がりの冷たく湿った風が吹き荒れていた。
通信用のインカムを装着すると、幹部たちの怒号と混乱の声が鼓膜を打つ。
『チーノ! 西側の繁華街見てきてくれ!』
ci「了解です! エミさんも東側のBAR街当たってください!」
ut「ゾム、どこ行ったんやホンマに……事故とかちゃうやろな」
全員が必死にゾムさんを探している。けれど、誰よりも血を吐くような焦りを抱いていたのは、俺だった。
夜の街へと足を踏み入れる。湿ったアスファルトに反射するネオンの光が、やけに目に刺さる。
アメジストの瞳を血走らせ、俺は濡れた街並みを、泥を振り乱しながら遮二無二駆け抜けた。息が切れ、足がもつれそうになっても速める足を止めない。
(頼むから無事でいてくれ……! ゾムさんに何かあったら……俺は、俺は本当に……ッ!!)
雨の匂いが混じる夜風の中、ショッピは路地から路地へと走り続けた。
そして――歓楽街の裏手、薄暗い行き止まりの路地裏に差し掛かった時だった。
「ぁぐッ♡……っ、はぁ……んぁあ”ッッッ♡っ、嫌……ぁ……っ」
微かな、だが聞き覚えのある泣き声と、男の下品な喘ぎ声。
ショッピの足が止まる。
角を曲がり、路地の奥を覗き込んだ瞬間、ショッピの思考は一瞬凍りつき、次の瞬間にはマグマのような狂気が脳内を駆け巡った。
見慣れた、緑色のパーカー。ゾムがいつも着ている服を纏った人物の上に覆いかぶさり、腰を振っている知らない男。
『お前……何してんだ……?』
ショッピの声は、地獄の底から響くような低音だった。
Mb「あ? なんだお前――」
男が振り返る暇すら与えなかった。
ショッピは一瞬で間合いを詰めると、男の顔面へフルスイングの蹴りを叩き込んだ。
ドゴォッ! という生々しい骨折音が路地裏に響き渡り、男は壁に激突して吐血した。
Mb「ガハッ……! あ、が……っ」
ショッピの瞳から光が消えていた。倒れた男の髪を掴み上げ、壁に何度も頭を叩きつける。ボキボキと鈍い音が鳴り響き、男が絶叫から気絶へと変わっても、ショッピの拳は止まらなかった。
Zm「ショッピ……くん……?」
かすかな、掠れた声が聞こえた。
ショッピはピタリと動きを止め、血に濡れた手を振り払うと、ゆっくりとゾムの方へ目をやった。
『ゾム……さん……?』
そこにいたのは、ショッピの知る「我々国の味方最大の脅威、ゾム」の姿ではなかった。
服は乱れ白く柔らかな肌が無防備に晒されている。
顔は涙と涎でぐちゃぐちゃで、赤い唇からは不規則な熱い吐息が漏れていた。熱に浮かされたエメラルドグリーンの瞳が、潤んでショッピを見上げている。
(……あ)
ショッピの胸の奥で、ドクンと怪しい高鳴りが跳ねた。傷つけられた怒りと同時に、その惨めにあでやかに乱れたゾムの姿に、猛烈なゾクゾクとした興奮が込み上げてくるのを止められない。
しかし、ショッピの思考をさらに激しく揺さぶったのは、ゾムの身体に起きた「一番の異変」だっ
『……え? 』
ゾムの体が、女体化している。
よく見れば、顔立ちはいつもの男らしさが抜け、恐ろしいほどに儚く女らしい。肩までだったはずのミルクベージュの髪は、腰のあたりまで豊かに伸び、地表に広がっている。骨格はひと回りもふた回りも小さくなり、背もかなり小さく縮んでいる。華奢で、守らなければ今にも折れてしまいそうなほど細い体。
そして、乱れた服の隙間からチラリと覗くのは、その華奢な体に似合わない、豊かに実ったやや大きめの胸。
Zm「ショッ……ピ……? たすけ……っ、熱い、の……っ」
ゾムの微かに震えた声。
その無惨に汚され、快楽の余韻に震えるゾムの姿を見た瞬間、ショッピの瞳の奥で激しい興奮の火が不気味に灯った。
ショッピは激しい怒りと同時に、他人に汚されたことで一層魅惑的になったゾムの姿に、胸の奥が熱く疼くのを止められなかった。
しかし、ショッピはすぐに己の感情を覆い隠すと、自分の上着を脱いでゾムの細く震える体へ乱暴に、けれどどこか愛おしそうに被せた。そしてインカムに手をやる。
『あー、ショッピです。ゾムさん見つけました。……なんか変な薬飲まされたっぽくて、女になってます。飲ませた犯人は半殺しにして気絶させたんで、誰か拷問室まで運んでください。場所送っときます』
Ci「はぁ!? 女ぁ!? ショッピお前何言って——」
チーノの驚愕の声がインカムから漏れ聞こえたが、ショッピはそれを無視して通信を切った。
ショッピは、横たわるゾムの膝裏と背中に腕を通し、軽々と抱き上げた。
普段のゾムなら考えられないほど軽く、小さく、柔らかい。収まりの良いその温もりを抱きかかえながら、ショッピはゾムの耳元へ顔を近づけた。
『ゾムさん。……後で、じっくり話聞きますからね』
熱に浮かされながら「ん……っ」と小さく頷くゾムをしっかりと腕の中に固定し、ショッピは自分たちの城へと向けて、夜の闇を歩き出した。
#zmメイン
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無名
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コメント
1件
第2話、めっちゃ刺さったわ…!ショッピのゾムさんへの執着がヤバすぎて、後輩の告白そっちのけで探しに行く感じとか、見つけた時の怒りと興奮の入り混じった感情が生々しくてぞくぞくした。女体化したゾムさんの儚い感じと最後の「じっくり話聞きますからね」の圧、続きが気になりすぎる🔥