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敢助は、高明の問いにどう答えたら良いものか悩み、黙り込んでしまった。
「…答えられないんですか?」
「…わかった……全部、話せば良いんだろ…」
そうして敢助は今まで見た悪夢の内容を話した。
「…なるほど。らしくないですねぇ。」
「んだよ…話したから良いだろ……」
敢助が手で顔を覆う。
「…敢助君。私は、ちゃんと生きてますよ。証拠ならここにあります。」
そう言うと、高明は敢助の熱い手を取り、自分の左胸に当てた。
「…ほら、動いてるでしょう?大丈夫ですよ、敢助君。”諸伏高明“は、ちゃんとここにいますよ。」
「……こうめい」
「…はい、なんですか?」
「…いきてて、よかった……」
敢助はうわごとのようにつぶやいた後、再び眠りについた。 高明は敢助が眠りについたのを確認した後、
自分の唇を敢助の唇に、そっと重ねた。
「…おやすみなさい、敢助君。善い夢を。」