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やっと船のある場所までたどり着く。ヨンタマリア大船団の主船、ヨンタマリア号。巨人も乗れる船だからか、とても大きな船だ。
「我らヨンタマリア大船団は全56隻の大艦隊。役に立てるはずだ」
「役に?」
「ルフィランド! トンタ長の許しが出ました! 僕らもぜひ入れてほしいれす!」
「入れる?」
「堅気の大会じゃ敵はねえが、海賊どもを差し置いてチャンピオンは語れねえ」
「俺とイデオは手を組んで海に乗り出すことにした」
な、なんだなんだ…? 2日の間に仲良くなりすぎじゃねえの? こいつら……。
「我から説明しよう。なお順番はくじで決めた」
そう言ってオオロンブスは話し始める。
〝美しき海賊団〟75名、代表は船長ハクバのキャベンディッシュ
〝バルトクラブ〟56名、船長は人食いのバルトロメオ
〝八宝水軍〟約1000名、13代目棟梁首領・サイ
〝XXXジム格闘連合〟4名、代表破壊砲イデオ
〝トンタッタ族トンタ兵団〟200名、兵長戦士レオ
〝巨兵海賊団〟5名、船長ハイルディン
〝ヨンタマリア大船団〟4300名、提督開拓冒険家オオロンブス
ここにいる、ドフラミンゴ戦中に力を貸してくれた奴らの復習を始めたオオロンブス。
「しめて5600人の大軍勢、ルフィ先輩。その代表の俺たづ7人と、親子の盃を交わしてけろ!」
「親子?」
「んだべ! あんたが親分、俺たつぁ子分! どうか俺らを、海賊麦わらの一味の傘下に加えてけろ!」
膝を突き、両手をつきながらロメオが叫ぶ。
「うひゃあ~……すげぇな……」
俺はそんな声しか出なかった。ルフィと7人の代表たちがそれぞれ盃を持ち、ロメオは最後にルフィの元にある大きな盃に酒を注いだ。
「これより、ルフィ先輩を親分、俺たち7人を子分とする、親子の契りを……お? ささ、ルフィ先輩も」
「……これは、おれ飲まねえ」
その言葉に、驚くことなく想定外という一味の面々。
「あんまこれ好きじゃねえし」
「いや、味の問題じゃねぐて! あんたたづ、この先この事件をきっかけに大物たちから命を狙われるべ! もしそうなったら、いかにルフィ先輩たちと言えども苦戦は必至! んだばそん時ルフィ先輩に救われた俺たづが……」
「だけどよ、これ飲んじまったら、おれはこの大船団の大船長になっちまうんだろ?」
「ああ…んだべ。総勢5600名の子分がいりゃあ、晴れて大海賊の仲間入りだべ! ルフィ先輩はいずれ海賊王になられるお人、世界を取るにゃあこれでも戦力は少ねえくれえだべ!」
「やめとけ! そういうのは、こいつには無理だ。それよりこれ、ジョッキに注ぎ直せ、俺が飲む」
「だから味を楽しむ会じゃねぐてですね」
ルフィらしくて大変結構。だけど子分になりたい彼らからすれば納得がいかないだろう。訳が分からないという彼らにルフィはたった一言だけ、
「窮屈!」
と嫌そうな顔で言った。
「それより奥でもしかして宴の準備してねえか?」
「興味が飯に移った」
「ふざけるな麦わら! 先輩でスターの僕が傘下に入ってやると言っているんだ!」
「締め上げて飲ませよう」
「テメエ子分の強さナメてんな! 恩人のくせに!」
「またこれかよ……」
呆れていると、ルフィは海賊王になるんだと言った。偉くなりたいわけじゃない、と。
「おい、何言ってんだ? こいつ」
「ルフィがよくわからないこと言いだすのは今日が初めてじゃないだろ」
俺はローにそう言う。
ルフィはわざわざ盃を交わさなくても助けてほしいときは呼ぶし、助けられたいときは呼べ、助けに行くから。そうルフィは言う。
ルフィの思う〝海賊王〟は偉くて、海を仕切るようなものではなく、誰よりも自由で、海を愛する者なのだろう。
そんなとき、知らない海賊どもが俺たちの乗るヨンタマリア号に攻撃を仕掛けてくる。
「なんだあいつら…」
どう迎え撃つべきか、そう考えていた俺たちだったが、藤虎が集めた瓦礫がその海賊どもに降り注いでいった。
「すっげー……あれが当たってかと思うとゾッとするな」
落ちない程度に船から身を乗り上げて見ていると、ローに服を掴まれる。
「落ちるぞ」
「そんなドジしねえよ…」
そうして勝手気ままな大船団が出来上がる。ロメオが親子盃の口上を言い、勝手に子分盃を飲んでいく。
「こんな海賊、普通はねえよなー」
「まったくだ」
「なあロー、今日くらい俺も酒飲んでいいよな?」
「……下戸なんだから、ほどほどにしておけ」
船が進み、俺たちはドレスローザを後にする。
「さあ、野郎ども! ミンゴファミリーとの戦いは、俺たちの勝利だ~!!」
大きな宴が始まるのだった。