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その言葉に胸が傷んだけれど、今は我慢するしかないと思った。何を言っても絶対に納得しないのはわかっていることだから。


「私は……龍聖君の優しい気持ちに惹かれてる。彼もそう、私の見た目じゃなくて中身を見てくれてる」


「は? 優しい気持ちって何? 結局、人は見た目や財力に心を奪われるのよ」


「ざ、財力なんて関係ないよ」


「何、その顔? えっ、ちょっと待って。まさかあなた、あの人に工場の借金を肩代わりさせたの?」


「えっ!?」


「あんなに必死だったあなたが工場のことを言わなくなったと思ったら……。そっか、お金をもらうために自分を売ったのね。体を使って誘惑したわけ?」


「そ、そんな、自分を売るなんて。それに龍聖君はそんな人じゃない」


「昔の仲間だからあなたに同情したのかもね。あなたを哀れと思って。おかしいと思った、あのイケメン御曹司があなたを本気で好きになるわけないもの。あなた達は、同情とお金で繋がった偽りの結婚をするのね」


「偽りの結婚……」


確かにその通りだ。

私達は愛情で繋がっているわけじゃない。姉さんの言うように、龍聖君は私に同情してくれているんだ。


「そうよ。だから、あなた達はすぐに別れる。龍聖さんに忠告しておこうかしら。バカな結婚はやめなさいって」


「や、止めて! お願い、彼には何も言わないで。龍聖君だけじゃない、絶対に他の誰にも迷惑をかけたくないの」


「迷惑って。ひどい言い方ね。あんなボロい工場を立て直すためにお金をもらって……。あなたよくできるわね」


「私は、ただお父さんが大切にしてる工場を守りたかった。それに、お互いの両親のためでもあるの」


「何を言い訳したところでお金が欲しかっただけじゃない。本当にバカな子ね。でもまあ、そういうことならよ~くわかったわ。愛情のない結婚だってことがね」


涼香姉さんは、私のことを鼻で笑いながらそう言った。


とても胸が苦しい。

でも、私達は前に進むしかない。

今さら……もう元には戻れないから。

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